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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
地球
21/208

第20章 マーズの人類選別

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 担当・マーズにかかれば、地球側の小細工など意味を持たなかった。


 募集フォームに入力された情報、添付された顔写真。

 それらすら参考程度に過ぎない。


 マーズはネットの海を一瞬でサーフィンし、

 個人の過去ログから金融履歴、SNSの裏垢まで

 正確な個人情報を、本人より正確に確定した。


 そして、明らかに意図して誤情報を入れた者たちは、

 即座にブラックリストへ。

 十人に八人、ウソをつく。

 マーズは無感情にデータを仕分けた。

 地球人の癖など、丸見えだった。


 応募開始からわずか一週間で、マーズは要求基準を満たす

 技術候補者200名を抽出した。

 全員へ自動で『面接連絡』を送りつける。

「何月何日、指定の地点へ集合せよ」

 地点は世界各地。だが集まった瞬間、彼らは理解することになる。


 各地の集合地点。目の前に、何の前触れもなく門が開いていた。

 見た目はただの光の輪。

 だが、一歩踏み込むと転移ゲートで月基地へ到着。

 参加者の8割以上がその場で動揺、吐く者もいた。

 重力が軽い。光が白い。空が黒い。


 その中央に、マーズ(※メイド姿のAI)が立っていた。


「では、始めます」

 淡々とした声とともに、1時間の倫理試験が実施された。

 内容は単純だった。

 嘘をつくか

 不正をするか

 他者を犠牲にする判断を選ぶか

 マーズがチェックしていたのは回答ではなく、脳の動きと意図だ。


 試験終了後、マーズが静かに告げた。

「合格者には腕輪を装着します」

 拒否権はない。

 腕輪は接触した瞬間、皮膚に馴染み、外れなくなった。

 腕輪の機能

 身体保護フィールド

 通信

 転移機能

 本人署名付きID(偽装不可)

 合格者以外は、そのまま転移ゲートで地球へ戻された。

 理由は明白。

 倫理NG、産業スパイ、国のスパイばかり。

 逆に言えば、それでも100人以上が残ったのは収穫だった。


 合格者はすぐに、教育機械へ投入された。

 1日で基礎知識を叩き込み、翌日には専門ヒアリング。

 その後、3日間の専門詰め込み。

 わずか4日で、技術職として即戦力化。

 教育機械の効率は、既存の大学体系を完全に殺した。


 家族持ちの者は順次、火星へ移住。

 費用は全て地球側持ち。


 腕輪を身につけた技術者たちは、月・火星・地球を

 転移で行き来しながら

 各工場の責任者へ任命されていった。


 マーズは作業員も淡々と採用した。

 もちろんコネなど存在しない。

 紐付き政治家枠? 論外。

 全員、同じ腕輪が与えられた。


 技術職=ホワイトカラー

 作業員=ブルーカラー


 地球側からクレームが来たが、マーズは完全に無視した。


 技術者200名、作業員100万人。

 計画は順調だった。

 だが、ここで予想外の問題が発生した。

「……労働力が足りませんね」

 異星文明のAIですら、見積もりをミスることがあるらしい。

 即座に判断し、

 マーズは新たに「工業ロボット工場」を建設する。

 場所はアステロイドベルト。

 原料は無限。

 ロボットがロボットを作る。

 人間は入れない。むしろ邪魔。

 24時間体制で、無限増殖の生産ラインが始まった。


 地球の政府と企業は激怒したが完全無視

 地球は連日、抗議声明を出し続けた。

「勝手に転移装置を設置するな」

「採用基準を明示せよ」

「地球人の主権を尊重しろ」


 皇女は、一言で切り捨てる。

 皇女

「聞いてる暇はない。さっさと仕事をしろ。」


 地球でのエリートの意味は変わった、腕輪=エリート。

 腕輪持ちは誰とでも通信でき、

 安全も保障され、上位は転移すら可能。

 そして技術は一切、地球に渡さない。


 皇女

「まだ持ってる技術の一割も見せていない。

 信用しない相手に、こちらが信用を与える必要はないでしょう?」



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