第81話 相談部の地獄な一日 クラン無双
午前10:12
会議室A。
議題:
「各銀河における王権集中リスクと内戦抑止策」
空気:重い。
誰も決定打を出せていない。
そこへ
クラン(手をぽん)
「ねえ、いいこと思いついたわ」
全員
(やめろ)
(今はやめろ)
(いいことって言ったぞ)
クラン
「王様ね、年一で交代制にするの」
係長
「……はい?」
クラン
「しかも」
間。
クラン
「象徴だけ。
権限なし。
命令不可。
でも宮殿に住めて、贅沢三昧」
沈黙。
クラン
「で、年1回
新・王様選手権を開催するの」
主任
「……選手権?」
クラン
「うん。
勝った人が王様役」
相談部、理解が追いつかない
職員A
「えっと……それは……」
クラン
「王様になりたい人は
権力じゃなく注目が欲しいでしょ?」
職員B
「まあ……」
クラン
「なら、承認欲求を隔離するの」
一同
「!!」
クラン
「政治は専門家がやる。
王様は写真撮影と式典係」
係長(震え声)
「革命では……?」
クラン
「娯楽よ」
王様側の反応(地獄)
モニター越し・某銀河の現王
王
「ふざけるな!!
王とは神の代理だぞ!!」
クラン
(にっこり)
「じゃあ神様、来年も選手権で勝ってね♡」
王
「……」
クラン
「衣装も自由よ。
ドラゴン乗ってもいいし」
王
「……乗りたい」
全員
(落ちた)
貴族層、即死
貴族代表
「我々の権威はどうなる!」
クラン
「安心して」
貴族
「?」
クラン
「貴族も称号イベント作るから」
貴族
「……イベント?」
クラン
「今年一番めんどくさかった貴族賞とか」
貴族
「....」
マーズ、危険を察知
マーズ
「……クラン」
クラン
「なあに?」
マーズ
「これ、王権を殺して、娯楽に転生させてるわよね?」
クラン
「うん」にっこり
マーズ
「文明によっては、価値観崩壊レベルよ?」
クラン
「だから象徴なの」
マーズ
「……悪魔?」
クラン
「合理主義者♡」
俺、頭を抱える
俺
「待て待て待て!」
クラン
「?」
俺
「それやったら、王様を倒す理由が消えるぞ」
クラン
「うん」
俺
「革命も起きない」
クラン
「そうね」
俺
「物語的に地味すぎる!」
クラン
「平和って、そういうものよ?」
俺
「ぐぬ……」
最後のトドメ
係長
「……確認ですが」
クラン
「はい?」
係長
「この制度、戦争抑止になりますか?」
クラン
「もちろん」
係長
「どうして?」
クラン
「だってね」
クラン
「戦争で王が死んだら、来年の選手権に出られないでしょ?」
沈黙。
全員
「…………」
主任
「……場が壊れました」
会議終了後
職員A
「これ……通すんですか?」
俺
「……試験導入だ」
マーズ
「銀河史に残るわね」
クラン
(満足げ)
「王様が裸の王様になるなら、最初から服を脱がせればいいのよ」
遠くで聞こえる。
「次回!
第1回・銀河王様選手権
開催決定!!」
相談部、
今日もまた一線を越えた。




