第80話 相談部の地獄な一日(番外編)
午後 14:03
相談部フロア。
空気が重い。
理由:マーズが来ている。しかも暇そう。
マーズ(椅子に座り足を組む)
「今日は相談って聞いたけど?」
「言い訳大会じゃないわよね?」
職員一同(心の声)
(来た……終わった……)
第一の犠牲者:精神論銀河
銀河F代表
「我々は心の力で乗り越えようと....」
マーズ
「質問いい?」
代表
「はい!」
マーズ
「心って、エネルギー換算すると何ジュール?」
代表
「……え?」
マーズ
「次。心で農業するとして、収穫量は?」
代表
「……気合で……」
マーズ
「気合は光合成しないのよ」
職員B(小声)
「つよい……」
マーズ
「結論:精神論は補助輪。
自転車漕げないまま宇宙出る気?」
代表、無言で退場。
第二の犠牲者:被害者ムーブ銀河
銀河G代表
「我々は被害者なんです!
全部、隣の銀河が悪い!」
マーズ
「被害内容は?」
代表
「資源を奪われ、文化を真似され……」
マーズ
「対策は?」
代表
「助けを待ってました!」
マーズ
(満面の笑み)
「素敵。
じゃあ質問」
代表
「?」
マーズ
「あなたの銀河、
明日も誰かが助けてくれる前提で
何世代設計してる?」
代表
「……」
マーズ
「被害者でいる限り、主導権は一生他人よ」
職員A(震え声)
「えぐ……」
第三の犠牲者:丸投げ銀河
銀河H代表
「行政も経済も全部、AI連邦方式で!」
マーズ
「コピー?」
代表
「はい!」
マーズ
「理解は?」
代表
「……だいたい?」
マーズ
「じゃあ逆質問」
代表
「?」
マーズ
「失敗した時、誰が責任取るの?」
代表
「……連邦?」
マーズ
「不正解」
間。
マーズ
「失敗の責任を取れない文明は、成功の資格もない」
主任(小声)
「今日キレッキレだな……」
そして、地獄の極み
銀河I代表(半ギレ)
「じゃあ何なら助けるんだ!!」
マーズ
(即答)
「考えてきた文明」
代表
「厳しすぎる!」
マーズ
「優しいわよ?」
全員
「え?」
マーズ
「自分で考えなくていい世界って、停滞か支配のどっちかなの」
沈黙。
最後の一撃
マーズ
「勘違いしないで」
「ここは夢を叶える場所じゃない」
「現実を直視できる文明の相談窓口よ」
職員たち、拍手したいが怖くてできない。
退室後
職員A
「マーズ様……楽しそうでしたね……」
マーズ
「ええ」
微笑む。
マーズ
「だってね」
「論破されて泣く文明より、考えて帰る文明の方が、ずっと可愛いもの」
主任
「……相談部、明日も生き残れますかね」
マーズ
「無理ね」
遠くで、またドアが爆発。




