第79話 相談部の地獄な一日
朝 08:59
相談部フロア。
壁一面に並ぶ電子掲示板。
本日の相談予約数:
正規申請 3件
未提出突撃相談 417件
「とりあえず来ました」 89件
泣き落とし 62件
逆ギレ 41件
相談部職員A(入庁3ヶ月)
「……今日、平和ですよね?」
相談部主任(隈が銀河系)
「そのセリフ、死亡フラグだからやめろ」
09:01 ドアが吹き飛ぶ
銀河A代表(筋肉7割)
「助けてくれ!!
隣の銀河が文明レベル上げすぎて俺たち詰んだ!!」
職員B
「提案書は?」
代表
「ない!! でも情熱はある!!」
主任
「はい、門前払い①」
代表
「冷たい!!」
主任
「それが宇宙です」
09:07 号泣系来訪
銀河B代表(触手)
「うちの星、干上がって…資源もなくて…もう…」
職員A(情が湧く)
「ワンチャンス案件ですか?」
主任
「財務データは?」
代表
「ないです!! 感情しかないです!!」
主任
「感情は燃料にならん。門前払い②」
代表
「ぎゃああああああ!!」
床がぬめる。
09:23 成功者コピー銀河
銀河C代表
「隣の銀河が AI連邦式なんとかモデル で成功したので、
完全コピーしました!」
職員B
「文化・重力・寿命差は?」
代表
「無視しました!」
主任
「失敗理由、提出済みですね。門前払い③」
代表
「まだ結果出てない!!」
主任
「それ、爆発音が未来から聞こえてる案件です」
10:11 逆ギレ勢
銀河D代表
「なんで助けない!? お前ら神だろ!!」
主任
「違います。 相談部 です」
代表
「救済しろ!!」
主任
「救済しないって最初に言いましたよね?」
代表
「聞いてない!!」
主任
「それが問題です」
門前払い④
ドア、再び吹き飛ぶ。
昼 12:00
職員A
「……俺たち、悪役じゃないですか?」
主任
「違う」
職員B
「じゃあ何ですか?」
主任
「考える気がある文明だけを相手にする地雷原だ」
13:42 奇跡の提案書
銀河E代表
「失敗計画書と、改善案と、住民合意率73%です」
職員一同
「……え?」
主任(姿勢を正す)
「相談、受理します」
掲示板が光る。
本日の希望件数:1
職員A(小声)
「今日、生きててよかった……」
退勤後 22:17
床は焦げ、壁は穴だらけ。
しかし、相談部は静か。
主任
「結局な」
職員B
「はい」
主任
「救われる文明は、最初から歩こうとしてる」
職員A
「……明日も地獄ですね」
主任
「当然だ」
遠くで、またドアが爆発する音。




