第63話 争い
「 そうですか。 惑星ににげられましたか。」
宰相にとって、簡単な始末が、少し大ごとになっただけ。
なら、反乱軍を率いたのが、皇太子であったと、確定しただけ。
傀儡の王は、自分の身が宰相によって維持されており、
その、見返りが権力であった。
もはや、どんな事もできるのが、宰相であり、
王でさえ逆らう術はなかった。
「王様の勅命で、反乱軍の討伐をするだけ。」(ふははぁ。)
軍は物量だ。
相手の2倍3倍の物量で圧倒するだけ、蹂躙するだけ。
惑星1つたかが、2000万人 宇宙船は 多くて 500万隻。
こちらは、900億人 90億の船がある。
全てが従うとはならなくても、80%は抑え込める、権力構造だ。
なら、700億人と70億船が動かせる。
武器は互角でも、物量が違いすぎる。
宰相にとって、ゴミ掃除をするレベルだ。
ルミナスからのリアルな情報を整理してるが、
こんなに簡単に国は亡ぶ物なのかと唖然としている。
たった一人の野望で、帝国が変わってゆく。
天の利、地の利、それだけでここまで変わり果てるのか。
災害がなければ、宰相も賢者として帝国の行政の要として生きていただろう。
歯車がずれただけ。
銀河帝国は、これほどまでに、脆かった。
優秀な賢王と賢者で、銀河を網羅しその威光を隅々まで広げて、
帝国を築いてきた。
だが、賢王がなくなり、愚王が立つ時、賢者がいなければ、
銀河帝国4千年の歴史も、十年で潰える。
脆すぎる。
歴史の中のドラマより、脆い現実。
銀河帝国の民はこの程度なのか?。
900億の民は、特権貴族階級の駒でしかないのか?
あの災害を生き延びた、救われた生命なのに。
先住民を道具として見ている。
差別している。
いつか、その差が消えた時、差別される側になるとも知らないで。
歴史にもしもはない。
だが、思わざるをえん。
殿下が、こちらに、宰相があちらに。
地球は太陽バーストに飲まれ、消え。
天の川銀河は、銀河帝国の力にて蹂躙されてゆく。
生き残った地球人は、教育指導で、労働者階級になる。
平和な世界はなく、軍事軍拡による覇王が制覇する世界。
それは、全てを一色に染める世界だ。
悪でも善でも同じだ。
そうなった時、世界は終わる。
混沌が宇宙のバランスだ。
俺の中の何かが、目覚めると感覚がつたえる。
ダメだ、目覚めた時、宇宙は消える。
わかってしまった。
目覚める条件は、宇宙の偏りだ、これが、エネルギーだ。
理屈ではない、感覚で理解した。
偏りが、育てる。
この銀河は卵にとっては、いい環境だ。
俺が、ここにきたから育ち始めた。
そして、理解した。
この卵は、宇宙の卵。
なんで、こんなものが、俺にいるのか?
全てのピースが嵌ってゆく。
宇宙の管理者がやりすぎた種族を根絶やしにした事、
これを恐れたからでは?
一色に染める宇宙は、卵の孵化装置だ。
偏りが孵化の条件。
偏り続ける宇宙は、病気であり、排除する対象である。
したがって、新たな宇宙を作る。
新たな宇宙で古い宇宙は消える。
馬鹿げた発想だが、しっくりくる。
今は、風邪程度だろうな、成長も少し。
だが、こんなのが続けば、成長も止まらない。
俺の役目は、宇宙にバランスを作る事だ。
悪いな、俺は、ここが、この宇宙が、仲間が好きだ。
消させはしない。お前は、永遠に寝ていろ。
できれば、出て行ってくれ。
俺が死ぬ前には、引越ししてくれ。
( 気がついたら仕方ないな。
もうお前は、役目に勘付いたから、
俺の役にはたたないだろうな。
だがな、宇宙も永遠ではないんだ。
準備は必要だ。
じゃあな、さようなら、楽しかったよ。
これは、ここまで育ててくれたお礼だ。
)
生命体そのものからの、思考とは、これほど強烈なんだ。
そして、唐突に、消えた事も感じた。
理屈ではない。感覚で理解した。
これ なんだよ?
説明してから引っ越すのが礼儀だろ。
人の道理がわからん奴らだ、神は嫌いだ。




