第62話 自由同盟
「 なぁ、ここは、難民が集まる場所で、住む家も金も無い者達が、
最後の希望を抱いて、逃げてきた惑星なんだ。
衣服はボロボロ、痩せ細った体を、無理やりに動かして、家族を守るためにな。
わかるか?
お前は、まぁ、避難民の上級レベルに見えるから、皆んなも、渋々受け入れた。
あの船も、ボロボロにしては、性能がいいしな。
だがな、あれは、ダメだ。
最高級のバックスキンレザーを上から下まで一枚で作られた衣服は、
この銀河でも見ることも、聞いたことも無い代物だよ。
腰にぶら下げた、レーザー銃も最高ランクじゃないか。
そして、あの顔は、高級娼館でしかお目にかかれない、
あの目は男を狂わせる魔性だ。
若い奴らは、釘付けにされて、仕事が出来んし、
受付のミルは、嫉妬の炎を燃やしているぞ。
現れただけで、ここの業務が止まったのだぞ。
(俺は、難民申請しに来ただけだし。)
さらに、「漆黒のアテナ」とか名乗ったが、
天使の瞳で、その口で、言われても、違和感しかない。
なあ、あれ、神話に出てくるやつだよな、
童話に出てくる魔神アフローディアをそのまま、再現したんだよな。
本当に、すげー可愛い。
俺も、小さい頃から、聞かされていたが、本当に実物を見たのは、初めてでな。
魔法使いの姿なのに、光を纏う人は人では無いと思うのだよ。
よしんば人であっても、どこぞの、高貴な貴族か王族だろう。
(俺、普通に見えるがな?)
難民申請なんか通るか?
ピカピカの宇宙船持ちで、若くて、綺麗で、そのオーラだけで、
場を制圧できる。訳あり王女とその護衛だよな。
」
( クランにちょっかいかけた男が、触れただけで、ぶっ倒れた。)
( あれは、事故ですよ。)
( よくある、通過儀式みたいなもんで。)
やっと、話が切れた。
同盟の長 ガル お疲れみたいだ。
でも、勘違いしているのも、悪く無い。
一避難民と訳あり王女では、扱いも情報もやりやすくなる。 ニヤリ
俺
「そうですよね、バレますよね。
先に安全の確保と情報取得が俺の、役目ですから、
俺は、この銀河以外から来た軍人です。
漆黒のアテナの身分は、明かせません。
名前は、アテナです。
護衛は、クランです。
この銀河以外から来た訳ありです。
そして、こいつが俺のダチ、テト。
普通の猫では無いです。
プライドが高いので、餌は、最高級品ですよ。
俺の食費以上に世話がかかる。
銀河帝国では、居場所がないのですよ。
そうですね、亡命ということで、手打ちにしましょ。
」
同盟の長 ガル
「 平穏に暮らしてきた俺の生活が、
お前らのおかげで、毎日が、波乱に満ちた冒険活劇だわ。
身分は明かせないなら、しょうがないが、お前らの目的はなんだ?
それによっては、援助もするが、反対に、即刻出ていただく事もある。
多分、お前達に、関わっていられない事態になっている。
早く、逃げた方がいいといういう事だ。
」
ルミナスから、リアルに情報を得ている。
助けたあの難民船は、皇太子と妹が乗っていたらしい。
同盟の長 ガル は、元、銀河帝国 辺境伯 ガル・バレン
宰相のやり方に反発して、最初に取り潰しにあった。
家族をつれて、辺境へ逃げてきた。
この惑星で、難民の世話をしている。
辺境伯の領民も、一緒にここへきている。
人口 2000万人 の50%が 辺境伯の領民達だ。
人望があったのだろう、全てを捨てて、ここへくる覚悟は、尊敬する。
元々辺境の守備隊だから、取り潰しで領地を失うも、財産もあり、
守備隊もあるので、この辺境惑星に来るまでの衝突もなかったようだ。
王命には逆らわず、領地を明渡し、領民を連れて、ここへ来た。
自由同盟とは、難民保護の目的もあるが、抵抗勢力でもある。
ここに、皇太子が来たら、
宰相は、皇太子諸共、この惑星を消すつもりだろうな。
王にとっても自分の子でもない、宰相にとっても、邪魔な存在。
罪状は、国家転覆か、反乱、だろうな。
(ルミナス、戦力分析してくれ。
膿はどれだけ広がっているか。
これから、緊急オペになりそうだ。
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