第60話 銀河帝国 闇
帝国宰相 ドノバン
次元断層の災害を利用したのだ。
彼に取り、これは千載一遇である。
第3皇女殿下ニアがいない。
皇太后カエ が死亡。
実質この二人が、銀河帝国を指揮していた。
女王だった カエ が、銀河帝国直系であり、
不思議な力を宿すと言われている。
死亡により皇太后 カエとなる。
帝国宰相 ドノバン は 王族の末端であるが、
実力で成り上がり、今の地位を得た。
彼に取り、権力は使うのが当たり前、権謀術中も当たり前。
幼い頃より、権力を使う貴族を見てきて、
その手法を両親に叩き込まれた。
帝王 ガルシニア
女王 カエ がいなくなる事で、
帝王の権力を誇示できる喜びを味わう。
それは、宰相が策略を用い、貴族を分断させて、
力をそぎ、王権を強化した。
王の命令は銀河の隅々まで威光を示す。
宰相の献策を考えもせず、採用してゆく。
宰相の手の内に転がされる。王である。
女王 カエに任せっぱなしが、ここで吹き出る。
銀河を知らない、民の生活もしらない。
遊んで暮らした、無知なる王。
優しい王。
平和な時は、これでよかった、周りが賢人であれば。
今は、賢人が排除されている。
威光に逆らうものは、貴族も臣民も先住民も全て、中央から弾き出される。
王の周りは、イエスマンだけになる、そのように宰相が指揮した。
宰相は、己が権力を振るえる事に、酔いしれている。
傀儡にはもってこいの王。
第1皇太子 ドルス
第2皇女 フル
どちらも、帝王 ガルシニアの子ではない。
先王の子、若くしてなくなった。
宰相の勧めで、帝国の体裁と貴族の権力争いで、
無難な、王を選択した。
女王がいるから、凡庸で血筋と権力争いの結果だった。
司令官 パレーン・パホネネ
先王の血筋であるが、能力はない。
血筋だけで、司令官になっただけ。
第1皇太子 ドルス
優しいお兄さんである。
皇太子の教養は身につけているが、実践ができていない。
遅すぎた、災害がなければ、順当に次の王位についたであろう。
第3皇女ニアが、仕切っているのを、眺めていた。
彼自身も、反省はしているが、全ての、権力は
実質 宰相へ流れて、打つてもない。
経験値がまるで違う。
太刀打ちできないのだ。
第2皇女 フル
優しいお姉さんである。
こちらも、皇女の教養はあるが、政治は触れていない。
綺麗な花である事を求められ、それでよしとしている。
こちらも、王の器ではない。
第3皇女ニアが、仕切っているのを、眺めていた。
無駄な事をしているとしか感じられなかった。
自分の身の回りが次第に狭まる事を感じた事で、
初めて、危険を察知したが、遅すぎた。
お嬢様教育は、宰相の裏工作。
おだてて、お茶会をさせて、政治から遠ざける。
気がついた時は、全てが終わっている。
こちらも、凡庸なのだろう。
宰相にとって、先王の血筋と女王にの血筋は、じゃまでしかない。
能力も無い、血筋だけの盆暗だが、血筋が事ある毎に、光出す。
盆暗でいるうちに始末する事を、今回の族取り逃し事件で捏ち上げる。
造作もない、証拠の羅列。
これで、全てがチェックメイトだ。
宰相の最終手が司令を出す。
パレーンに賊を逃した責任を取らせる、メイドも、護衛も全て島流。
牢番も、その日見た者全てを辺境惑星への移動命令。
三年で戻れるから、それまで辛抱せよと。
彼らを載せた宇宙船は、護衛艦1隻と共に、辺境へ出発する。
まもなく、護衛艦と輸送船は、宇宙の藻屑となる。
運が悪い事に、海賊に襲われた。
最後の通信が、「 助けて。」であった。
海賊が、通告もなく攻撃してきた。
「お前らが、俺の家族を殺したから、仇を討つ」と記録に残っている。
海賊も、無事ではすまない。
自殺攻撃船だったのだ。
爆弾抱えて、船に体当たりしていた。
事件の知らせを受けた直後、
皇太子 ドルス は、王都を脱出する。
妹には、事前に、王宮の避難経路を知らせておいた。
王族しか知らない経路。
帝王もしらない。
「お兄様、本当にこんな所歩くのですか。」
「生命が惜しく無いなら、戻るといい。」
「いやです。それほど切迫しているのですか。」
王宮の秘密の扉、ある言葉でしか開かない扉、普段は壁だ。
軽装に着替えた二人は、ドブの川を歩いている。
「それにしても、臭いですね」
暗闇を歩き、1時間後、古い屋敷の壁が動き、2人が出てきた。
待ち合わせした、人と共に、
三台の馬車が暗闇の王都からそれぞれ出てゆく。
馬糞の馬車が門番に追われるように王都からでる。
闇に紛れた二人は、馬車から下り、さらに別のコンテナの中へ入る。
輸送船が宇宙港から出る。
輸送船からおり、小型貨物船で辺境へ。
商売なら普通の航路を通る。
皇太子の避難計画は充分に検討されていたが、最後の目的地が
辺境惑星 レモク 自由同盟を目指したことが、失敗だった。
宰相は、それだけを考えて、待ち伏せさせていた。
海賊という 私兵を 航路に置いていた。
最後に逃げる場所はここしか無い。と判断していた。
罠にかかる皇太子、順当に始末できたはずだった。
あんな船がいなければ。
体当たり攻撃する、ガンマンでは、私兵は割りに合わない。
給金が安すぎると手を引いた。
私兵は金で繋がるだけだ。忠誠はない。
鞍替えするか、ジョブチェンジして海賊になるだけ。
キムは、誰を助けたか知らない。
一番怖いのは、人であった。




