表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽系外からの訪問者  作者: HAL
偽装商船団
159/208

第36話 仕事は神様(ボケ老人)

 ムル 

「ボケ爺さん、宇宙にもいるのね。」

「宇宙で徘徊する宇宙ボケ爺さん。」


「笑える うふ ふ わはは く くるしい。」


「でもいいんか? 神罰だろメテオ。 」

「さっき 啓示でお布施を稼いでいるといったよな。」

「1000年毎なら問題ないの?」

「詐欺師だよな、それも問題じゃない?」

「じゃ、なんで神罰受けたのよ?」



「呼んだか」 唐突に光と共に現れた。 


 爺さんは、くつくつと笑った。


「宇宙ボケはなぁ……重力より強いんじゃよ。」


 ムル

「高度なボケは要りません。」


 爺さんは肩をすくめる。


「神罰、神罰と簡単に言うがの。

 メテオが落ちたのは、神様かどうかもわからん。

 強大な力だとわかっているだけ。」


 ムル

「じゃあ何よ。」


 老人

「さあ、ここからは推理ゲームだ」


 ムルの眉が、ぴくりと動く。


 老人

「啓示で金を稼いでおったのは本当じゃ。

 千年ごとき? 可愛いもんじゃろ。

 やりすぎても、有り難みがなくなるからの、結構気を使うのよ。

 銀河毎の性格あるし、大変だよ、

 何処も、仕事になると、適当にはできないし。

 お客様、あっての神様家業だし。

 」


(最後、愚痴だよな。)

 ムル

「詐欺じゃん。」


「詐欺じゃな。

 だが」


 爺さんは、指を一本立てた。


「90%じゃ、当たるのよ。」


 ムル

「……は?」


「作物の不作。

 疫病の年。

 争いが起きる場所。

 隕石が通る軌道。


 こんなの、観測データがあれば、予測確率で見えるのよ。

 そんなに大事ではないぞ。


 できないのは、 

 蓄積した観測データ以外の事象、ランダムの揺らぎ。

 これも、確率で0.1%で起こる。

 だから、外れる事もある。

 昔の仲間の記録も残っているからな、

 賭けなら100%勝てる。胴元破産だな。

 

 どうだ、勝負するか?

 トランプ、双六、バカラ、なんでもいいぞ。

 掛け金は、この装置でどうだ。

 

 」


「賭けません。博士に怒られます。」


 爺さんの目が、ほんの一瞬だけ、人のものではない深さになる。

 さっきまでは、知性がみえたが、今は欲が丸出し。


 コロコロ変わる。


 唐突に切り替わる。

 

 人格が色々いる感じだ。


「さっきも、ゆうたろ。次元の実験で、並行宇宙を観測した。」


「1万年な。」


「文明はまちまち。」


「それを観測した結果から、この場合はこうなる確率が高い。とな。」


「観測データ無限にあるからの。」


「よく似た銀河の文明とか、物理の相似星 を 当てはめたら、

 近い未来、1秒、10秒、1分 と だんだん伸ばして、

 要するに、最適化と近似したわけだ。」


 ムル

「それで神罰?」



「ワシも、そう思ったが、そうなると、変だ。」

「メテオは、100億年前、

 ワシは、今も、詐欺をしておるが、メテオはない。

 だから、ワシは犯人ではない。

 真犯人は、昔の仲間がしでかした、次元観測で

 並行宇宙が確定したこと、遺伝子をばら撒いたこと。

 な、(ドヤ顔)」


 沈黙。


「まあ……詐欺師は詐欺師じゃな。」


 ムル

「笑って言うな。」


 爺さんは、天井を見る。


「宇宙を、観測した罰じゃな。」


 ムル

「……じゃあ今は?」


「今は?」


 爺さんは、にやりと笑った。


「変わらんよ、神様を商売にな。」


 ムル

「……ほんとにボケてないよね。」


「ボケとるよ。」


 爺さん

「わざと。」


 その瞬間、

 装置の非観測域に、微かな反応が走った。


 相互観測フラグ:未確定

  介入リスク:回避中


 爺さんは、立ち上がる。


「ほれ。

 これ以上は、若いもんの仕事じゃ。」


 ムル

「どこ行くのよ。」


「忘れ物を、忘れに行く。」


 そして、振り返らずに言った。


「ムル。

 観測は、優しさじゃない。

 気をつけなさい。」


 光が、ふっと消えた。


 ムルは、しばらくその場から動けなかった。


「……宇宙、笑えない冗談ばっかり。」


 爺さんの話は、考えるほど、恐ろしさが募る。

 

 この観測で未来を決めるのかも。

 

 並行宇宙の観測は、危険なのかも。


 だから、来た。

 

 同じような生命体がいるだけだぞ。

 

 1万年かけても終わらんぞ。


 これ暗に、やめろというアドバイスかも。


 俺、これからどうなるの?。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ