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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
偽装商船団
156/208

第33話 第7宇宙

 開口径、10mm。

 維持時間、60秒。


 装置中央に、糸を通す針穴のような歪みが生じた。

 光は吸い込まれもせず、反射もせず、ただ「抜けている」。


 博士

「第7層到達、安定している。

 次元応力、想定値内。」


 俺

「ドローン、投入。」


 虫型ドローン10機。

 翅をたたみ、順に滑り込む。


 1機、2機……10機。


 俺

「閉じてください。」


 博士

「閉鎖。」


 歪みは、音もなく消えた。


 沈黙。


 3分間。


 ストップウォッチ開始。


 1、2、3.........


 待ち時間は長い。


 全機無事帰ってくれ。


 .......179,180


 俺

「回収開始」


 博士 

「第7層到達、安定。

 次元応力、想定値内。」


 開口径、10mm。

 維持時間、60秒。


 開口と同時に、ドローンが次々と戻ってきた。

 1機、2機……10機。 


 俺

「閉じてください。」


 .......


 ドローンデータを取り出し、解析装置へ入れる。


 基地の100インチモニターに、ドローン視界が次々と展開される。


 畑。

 土道。

 水車小屋。


 高度差、風向、重力加速度。

 大気組成は地球と誤差0.3%以内。


 博士

「重力は……0.92G。

 なるほど、ワイバーンが飛べるわけだ。」


 俺

「文明レベルは?」


 博士

「石橋、農地、治水。

 中世初期……いや、封建前夜だな。」


 全映像を3Dに加工した。


 ぐるりと見てみると、

 3分間でも、データは充分取れた。

 地図は、限定されるが、全周が取れている。

 距離は視差・速度から計算。

 お城、城壁、街並みが30km先にある。

 のどかな田園だ。

 高度は50mほど。


 日の影から夕方らしい。

 荷馬車が城壁に向かっている。

 前後に護衛らしき人々。


 部族の権力争い時代だな。


 方向は決まった。距離もわかった。高度もわかった。

 あの城に潜入する。

 こちらの座標そのまま、移動させる。

 城壁外の あの木がポイント、あの中にトンネルを作る。

 木なら隠れ蓑にできる。

 虫だし、違和感はないだろう。

 城壁近くの木だから、移動も見つけにくいはず。


 こちらの位置は、30Km 176度 と、地図で線を引き、

 30Kmの円の交点。


 荒野になった。


 ここへ、艦を移動させる。


 実験機は、そのまま載せる。

 エネルギーは博士のシステムを使う。


 俺

「計算ではこのポイントだが、飛ばしてみないとわからない。」

 博士

「では、開始する。」


 装置が起動し、次元の穴が開いた。

 10mmの穴。


 虫ドローンを1匹とばす。

 今回は、リアルに観測するから、穴は、維持する。

 虫は、穴に入り。

 向こうの映像をリアルにモニタへだす。

 大木の10m高度から見た、直近の城だ。


 とりあえず、塔のある場所で、光がさす所を目指す。


 城壁内は、もう、グチャグチャだ、

 荷馬車、馬小屋、物売り、粗末な衣服、

 男も女も形で判断できるレベルだ。

 でも、人々はけたたましく怒鳴り声で話している。

 これだけ、人がいると、大きな声出ないと伝わらないのだろう。


 高度をあげ、灯りの窓へ。

 窓枠から内部を観察。

 それほど明るくもない、城の中でも上位の住む部屋だろう。

 ランプがある。

 円卓がある。


 汚い格好の親父みたいなやつ。

 中世のゴテゴテした衣装の男、これが主人っぽい。

 話はわからない。

 城内は、農家だ、鶏、豚、馬、が人と同居している。

 この場所でも、ちょっとましな、部屋である。


 俺たちからすれば、商売する相手ではなさそうだ。


 博士

「そろそろ、切れるから終わりにしよう。」


 俺

「では、戻ります。」


 窓から木まで飛び、トンネルへ。


 リアルは流石にエネルギーを食らいすぎた。


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