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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
偽装商船団
154/208

第31話 ピンホールカメラ

 ムル・カース

 博士の助手に収まった。

 案の定ということだった。


 博士

「ムル、次はこの試験をしてくれ。」


「ムル、コーヒー。」


「ムル、肩揉め。」


「ムル、次はこの試験をまとめろ。」


「ムル、お茶。」


「ムル、肩揉め。」


 なんでムルはニコニコなのだ?

 召使か奴隷じゃん。


「ムル、博士に文句言ったら?

 召使じゃないって。」


「博士の実験とても楽しいし、理論から実験まで全て教えてくれる。

 この前は、時空に穴を開けて、並行宇宙の風景を見せてくれました。

 まだ、声までは、届かないのですが、ピンホールカメラの応用と

 言ってました。 

 面白いですね。」


 .......


「聞かなきゃよかった。

 なぁ、ムル。 

 その実験は、超最高機密事項になるのだよ。

 この太陽系でそれを知り得た段階で。

 お前は、もう逃げれない。

 目を離すと、これだ。

 また、仕事が増えそうだ。 

 」  

(ムルにはすまない。 

 博士は気にしないが、

 これでムルの一生は監視されることになるから。)


 翌日。

 博士の研究室の前に、見慣れない警備が三重に張られていた。


 ムル

「博士、今日は入り口が賑やかですね?」

 博士

「気のせいだ。」

 ムル

「昨日までは、ここ、扉一枚でしたよね?」

 博士

「気のせいだ。」

 ムル

「それと、廊下に

『バイオハザード:

 これより先、関係者以外、立ち入り禁止』

 って貼ってあります。」

 博士

「気のせいだ。」


 俺


 まずは、実験は2人だけで行った。

 資料は、ここ以外ない。

 メイドは守秘義務命令で封じ込める。

 後は、2人をなんとかする。


 俺

「ムル すまないが、お前も、血の契約が必要になった。」

「殿下、お願いします。」


 殿下

 直ぐに、転移してきた。

 そして、いつもの如く、軽いノリでムルの契約をすませ、さっさと帰る。

「忙しいから、後は任せる。」


 ........


 俺

「丸投げかよ。」(はぁ)


 気を取り直して。


 俺

「博士、事前に知らせて欲しかったです。

 次元に穴を開けたという事ですが、

 ピンホールレベルであるとは、分かりました。

 簡単に言えば、

 こちらとあちらが繋がっているのですよね。

 小さな穴=トンネルですか?

 」

 博士

「そうだ。

 お前の資料が、次元潜航したデータが役に立った。

 次元を畳めばいいのだなと、閃いたのだ。

 並行宇宙の座標は、こちらの座標と並行しているから、

 こちらの宇宙で移動して、この装置で次元を畳めば、

 どこでも並行宇宙の観測ができる。

 今は、1mmの穴しか維持できないがな。

 」

 俺

「それは、並行宇宙の時空とこちらの時空が1mmの穴で繋がる。

 つまり、1mm以下の物質は交互に移動可能ですよね。

 細菌も?」


 博士

「だから、実験室のこの装置内は、完全気密にしてある。

 原子一個も通りはしない。

 で、実験後の装置内の分子、原子の異常値は観測されない。

 そこは、穴を開ける前に、空気の分子を測定しておるよ。


 空気のサンプルも取ってある。

 分析したが、空中の分子分布は、地球とよく似ている。

 そしてだな、化学物質がほとんど検知されなかった。

 つまり、16世紀〜20世紀前ではないかと推測される。

 」

 俺

「実験した映像はなんでした?」

 博士

「それが、な。 」

「前に、並行宇宙へ行った時には、星が見えたろ。」

「今回は、風景なんだ。」


 俺

「はぁ、そんな事あるの?」

「博士、ここで実験したら、風景が見えたと?」

 博士

「そうだ。」 

「記録してあるからみるか?」

 俺

「はい。見たい。」


 

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