第15話 銀河交易 皇女の未来予知
後日談
皇女殿下
「早速問題勃発か。
あの論文通りだな。
次は、物量問題だね。」
マーズ
「そうです。
現在 銀河では信用取引はまだできていません。
ここで、信用回復へのステップとして、立ち上げませんか。
完全防衛システムのあの場所に宇宙インフラを立ち上げたら、
それに、殿下の銀河の知名度は未だに健在ですし。
あの場所の鍵は、巫女二人のみ。
あの、銀河さえ滅亡させる、兵器は、管理者さえ近寄れないでしょ。
ほんと、100億年前の管理者は失礼ですがバカとしか言えません。
ご先祖様ですよね。」
皇女殿下
「言わないで、呆れているのは確かだけど、
使い方を誤るとこんな未来になると、警告したのかも
と、良い方に解釈している所なんだから。」
「どこまでも、
現実的な未来を論理で構築されていて、ほんと怖い。
悪人さえ、経済システムのコマでしかないとは。
私たちは、盤上のコマ。
文明を壊さない理論が現実になって私たちに突きつけている。」
「地球人には、まだ修行が足りないわ。
準備はするけど、
それには、銀河連邦を立ち上げないといけないし、
銀河銀行が必要で、どちらも簡単には行かないわ。」
「銀河連邦は、同盟関係だが、1番のつながりは商売の保護。
連邦の権力構造で、海賊を抑える。
太陽系が他の銀河へ海賊を引き渡せと言っても無理でしょ。」
「でも、二十年以内に連邦にしないと、
古代文明が悪い方へ行けば、銀河の戦争が待ち受ける。
だから、連邦は必須、銀行も経済を守るために必須。」
「古代文明、腐っても鯛。
立ち直れば、太刀打ち出来ない程の力が眠っている。
正しい力の使い方であることを願うばかり。
ほんと、神がいるなら、この命と引き換えに、
宇宙の安寧を願うわ。」
その言葉のあと、部屋にはしばらく沈黙が落ちた。
マーズは何も言わなかった。
否定もしない。慰めもしない。
ただ、皇女の背後に広がる星図を静かに見つめていた。
「殿下」
ようやく口を開く。
「その願いは、すでに等価交換になっていません」
皇女はわずかに眉を上げる。
「あなたは命を差し出す側ではなく、選択を残す側です。
銀河は犠牲では安定しない。
仕組みでしか、続かない。」
皇女は小さく息を吐いた。
笑ったようにも、諦めたようにも見えた。
星図の一点が、淡く点滅する。
巫女しか触れない鍵。
誰も近づけない兵器。
そして、まだ名もない未来の金融中枢。
それらはまだ可能性でしかない。
だが、可能性は選ばれた瞬間に現実になる。
皇女は背を正した。
「なら、やりましょう。
連邦も、銀行も。
誰も英雄にならない形で」
マーズは静かに頷く。
盤上のコマは、まだ自分の位置を知らない。
だが盤そのものは、すでに組み上がりつつあった。
1人の商売人の事件を予測した経済モデル理論。
皇女の責務に重くのしかかる。
誰も知らない、未来を見通せるその血筋故。




