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太陽系外からの訪問者  作者: HAL
辺境監視基地 
121/208

第55話 健康診断

 管理番号付き被検体


 001

 氏名:ニア・エド・マク・ルード

 肩書き:元銀河帝国第3皇女

 役割:広告塔

 能力:銀河を俯瞰する能力

(巫女因子、覚醒進行中)


 004(表には出さない)

 氏名:ニア・カーター

 肩書き:—

 役割:巫女/思念の感応

 能力:古代銀河文明の子孫

 備考:多次元生物の標的


 005

 氏名:朝霞 香織

 肩書き:太陽族辺境監視第0艦隊 大佐

 役割:第0艦隊 特殊任務

 能力:未知の戦闘力


 007

 氏名:キム・ワーレン

 肩書き:太陽族辺境監視第0艦隊 少佐

 役割:第0艦隊 特殊任務

 能力:未知の戦闘力


 以上4名が、健康診断を受ける。


 巫女が二人。

 宇宙の鍵なのか。


 大佐と俺は……

 未知の戦闘力、かな。


 転移


 ルイから連絡が入った。

 転移場所の指定座標。


 次の瞬間、俺たちは揃って転移する。


 部屋


 広い。

 だが、相変わらず、無駄がない。


 白く、平滑で、装飾ゼロ。

 部屋の中央に、人が入れるカプセルが四つ。


 見るからに、嫌な予感しかしない。


 ルイが、淡々と説明を始める。


 ルイ

「調査にご協力いただき、感謝いたします」

「この部屋は、特別に作りました」

「巫女のお二人が同じ場所にいても、

 共鳴波が発生した場合、反対位相で打ち消します」

「宇宙から、見えません」


 皇女と巫女が、同時に一瞬だけ目を合わせる。


 なるほど。

 隠す部屋だ。


「これからは、ここをお使いください」


 カプセル


「カプセルは四つあります」

「それぞれ、IDと接続しています」

「最適化された生体記録装置です」

「怪我をした際、緊急転移してこのカプセルに入れば

 自動で、記録から再生されます」


 俺の脳裏に、某異世界魔法がよぎる。

(……エクストラ・ヒール?)


「ただし」

「現状、脳までは再生できません」


 ……ですよね。


 調査内容


「調査時間は、10分」

「生体細胞への最適エネルギー配分を調べます」

「若返りは、単にエネルギーの最適化です」

「脳の記憶最適化は、生体全体を最適化します」


 嫌な言葉が、連続で出てくる。


「能力の源を調べるため、

 脳の記憶倉庫を全スキャンします」

「その際、倉庫のインデックスを整頓します」

「ネットワークの線を太くするだけです」

「欠損部分は、再接続されます」

「痛みはありません」


 余計に怖い。


「副作用は、反応速度です」

「少し、早くなります」

「1を聞いて10を知る」

「考えたら、答えが出る」

「攻守の判断が、いつもより2倍早くなる」

「同時に別処理が可能になります」

「たとえば」

「音楽を聴きながら、本を読む」


 俺は小さく呟いた。

「……それ、もうやってる」


「大したことはありません」


 俺

「大有りだわ」

「大佐の目を見てみろ」

「爛々と輝いている」

「獲物を見つけた目だ」



 俺は一歩、距離を取る。

「……いつもだけど」

「今回は特に感じる」

「俺たち、モルモットじゃないよな?」


 ルイ、即答。


「未知の戦闘能力を調べるだけです」


 全然、否定してない。


 皇女

「脳を最適化したら、体も最適化される」

「老化した細胞は資源になり」

「新陳代謝が上がり」

「結果、最高の状態を保つ」

「そういう理解でいいの?」


 ルイ

「当然です」

「脳の反応に応える体幹になりますから」


 皇女

(ムフ……ムフ)


 完全に顔が緩んでいる。


 俺

(笑いを抑える顔って、これか)


 巫女

「……私、嫌よ」

「今さら、20代なんて」


 ルイ

「それも、問題ありません」

「脳の最適化をしても、主人の思考に合わせます」

「外見は変わらずと思えば、最適化は内部で行われます」


 巫女

「それ、人間なの?」


 ルイ

「ここにいる方々は、すでに人間の分類には入りません」

「強いて言えば」

「ニュータイプの10世紀未来系ですが?」


 俺

「……ディスってないか、それ」


 ルイ

「我々と同じですから、ディスではないでしょう」


 話が、どんどん逸れていく。


 健康診断が、人間かどうかの議論になっている。


(俺は人間だ)

(普通の家庭がほしい)

(スーパーマンなんて、嫌だ)


 皇女・大佐

(お前は大丈夫)

(煩悩の塊だから、充分人間側だ)


 ……酷い。




 うだうだ言っているうちに、調査は始まった。


 カプセルが静かに閉じる。


 宇宙の鍵か。

 未知の戦闘力か。

 それともただのモルモットか。


 10分後、

 誰が、何に分類されるのか。

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