表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽系外からの訪問者  作者: HAL
地球
10/208

第09章 太陽バースト

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 一年半後。

 太陽は、誰も予測していなかった異常なバーストを起こした。

 後に判明したことだがこれは、

 彼らが地球に対して警告として齎した現象だった。

 地球文明は過去にも何度も太陽活動の急変により崩壊してきた。

 だが、今回の規模は桁が違った。

 大規模な磁気嵐が地球全域を襲い、通信衛星は沈黙し、

 PCや電源システムはほぼ全滅。

 大都市では金融システムが止まり、データセンターは焼き切れ、

 人々の不安は瞬時に暴動と略奪へと変わった。

 無政府状態、そして、食料供給の崩壊。

 もしこのまま続けば、地球人類は「飢餓」という、

 最も古く最も残酷な形で死を迎えるだろう。

 さらに悪いことに磁場が部分的に吹き飛ばされ、

 大気は強烈なイオン化エネルギーに晒された。

 酸素そのものが化学的に破壊されていく可能性さえあった。

 彼らの故郷の星も、かつて同じ運命を辿ったという。

 太陽の異常活動により惑星の半分が焼け、

 残る半分はゆっくりと死んでいった

 その記録は痛々しいほど克明だった。


 届いた膨大なデータを、国際連盟は100台の独立AIに解析させた。

 その結論は重く、しかし一致していた。

「論理に破綻はなし。この事象が再発する確率は90%。」

 ただし問題が一つある。

 災害の規模だけは予測できない。

 衛星通信の喪失レベルで済む。

 あるいは文明全体が消える。

 どちらの未来も排除できなかった。

 彼らはデータと同時に、

 地球のこれからの未来シミュレーションまで提示してきた。

 それは、あまりに精密で人類の気象学も天文学も凌駕していた。

 そして、理解できる範囲を超えていた。

 知識のレベルが違い過ぎるために、

 双方にとって悲しい現実(会話が成り立たない)が表面化する。


 会議室。

 国際連盟科学委員長は、固い声で問う。

「……データが正しいと、本当に判断できるのですか?」

 壁面スクリーンには、

 彼らが渡してきた太陽活動モデルが映し出されていた。

 人類の持つどのモデルとも一致しない、桁外れの精度を持つ予測。

 回答を求められたAI技術者は、低く答えた。

「判断というより……認めざるを得ません。」

「我々の持ち得る技術と知識を動員しても、理解できないと。」

「猿がスマホを理解することができますか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ