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6月13日・昼休み

昼休みは嫌いだ。

・・・いや、昼休みに留まらず休み時間自体が嫌いなのかもしれない。

休み時間中は各々が自由に行動する。

次の授業の用意をして机に座る者、複数人のグループで固まり雑談をする者。


そして・・・虐められる者。


僕が虐められ始めたのは確か、始業式の次の日だろうか。

始業式の日は2時限と通常より早く帰ることが出来た。

その日は新作のゲームをいち早くプレイするべくチャイムと同時に教室を飛び出した。

そして帰路に着き、いつもよりも早めに歩く。

その途中に見てしまった。

幼なじみである琴音ユキが水をかけられ複数人で囲まれている場面を。

その場面を見て直ぐに悟った。


───琴音ユキは人知れず虐められている。と、


普段なら見て見ぬふりをするはずだったがその時ばかりは被害者が悪すぎた。

関わりのない者、関わりの浅い者はまだしも文字通り幼い頃からの知り合いであるユキが被害者であったから。

気がつけば、水をユキにかけたクソ野郎共を殴っていた。

その日から虐めの標的は僕に移り変わった────。

その時の僕は何を考えていたのだろうか。何をしたかったのだろうか?

そんなことは当時の僕にしか分からない。

けれど、あの時の僕には"助けなきゃ"という柄にも無く、下らない正義感があったのだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あの時、殴った奴らが僕の席に近づいてくる音が聞こえ始めた。

嗚呼、今日も殴られる。

もう、殴られるのには慣れた。

今の僕にあるのはユキが助かったという確かな事実による優越感だけだった。

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