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プロローグ
星を追っていた。まるで無邪気な子供のように。
目の前にある、星が消えないように。
ただ、ひたすら追い続けた。
けれど、星は溶けて消えてしまった。
ありがとう。また逢おうね
『一番星』と言うタイトルの1枚の写真が世界的に有名となった。
写真にはタイトルにある"星"は写っておらず、そこにへ代わりに天気雨の中、肩を組みながら満面の笑みを浮かべている4人の少年少女が写っていた。
けれど、4人の瞳には朝日が反射して煌めきを放っている涙の雫が頬にかけて流れていた。
きっと、もうすぐ消えて無くなってしまうかのような儚さが人々の瞳に留まったのだろう。
この写真を撮ったのは中3の少年だそうだ。
ある有名人がこの少年とコンタクトを取り、実際に『何故、君のような素人がこのように素敵な写真を撮ることが出来たのか?』と質問をしたようだ。
問いかけに対しての回答は意外にも『生きてたから』と簡潔なものだったらしい。