表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】攻略対象×ヒロイン聖女=悪役令嬢  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/72

53.裏で進行する何かの気配はあるんだけど

「私の小さなお姫様! メイベルも、お邪魔するわね」


 いそいそとテーブルに近づき、運ばせた椅子に落ち着く。挨拶に訪れる貴族に微笑んで鷹揚に頷く姿は、貫禄があった。元王族だし……公爵夫人だからね。貴族の中で公爵はトップだもん。謙ったらダメなのはわかる。


「母上、予定は終わりましたか」


「ええ。だから帰りにこちらへ寄ったのよ。何でも魔女が出たらしいじゃない」


「魔女というか、悪女ですが」


 くすくす笑うママに、にぃにがさらりと訂正を入れる。魔女と悪女の違いが分からないけど、魔女の方がすごいこと出来そう。魔法が使える女性の意味だとしたら、ママも私も魔女だなぁ。


 交互に二人の顔を見る私は、相変わらずメイベルのお膝の上だ。珍しくママは抱き寄せようとしなかった。


「ママはどこへ出かけていたの?」


 用事は何か、ふと気になった。わざわざ用が済んだから来たと公言するなら、こちらの騒動に関係ある話かも。


「お片付けよ」


 やり残したことを片付けたと聞こえる。メイベルが僅かに体を揺らした。あれれ、知ってるの? 見上げると、淑女の微笑みが返ってきた。綺麗だけど、今は教える気がないって意思表示だね。


「この後、まだ大掃除があってクリフォードとキースは忙しいの。先に帰って休みましょうね」


 こくんと頷く。これは反論や質問は許されない。片付いたら教えてもらえるけど、今は無理なやつ。ということは、本当に大きな掃討作戦だったりして。


 仇の王族は処分されたし、第二王子や聖女も亡くなった。孤児院への寄付金を横領したウィルズ家も、もう終わりだよね。他にこの国で見つける悪人がいるように思えない。


 ざわざわと噂話に花を咲かせる貴族を眺め、私は早々に諦めた。頭を使うのはパパとにぃにのお仕事、権力を振り翳すのはママの役目。私は両方とも足りないから。今は年齢と背丈も足りないし、大人しく家に帰ろう。


 右手をママ、左手にメイベル。両手に花状態で、貴族に挨拶して馬車に乗り込む。揺れる馬車の中で、ママに尋ねた。


「いつ教えてくれるの?」


「屋敷に帰ったらお風呂を済ませなさい。居間で説明してあげる」


 揺れる馬車が停まり、私達は大急ぎで分かれた。早く話が聞きたい。侍女のローナに「早くね」とお願いしたのに、しっかり髪や肌を磨かれてしまった。


 早くしてって言ったのにと拗ねたら、乳母エイミーは笑う。


「お嬢様だけ早く居間へ向かわれても、誰もおられませんよ」


 ママやメイベルが早くお風呂を済ませるか。ない、それはないと断言できた。早く着いても待つことになるなら同じ。エイミーの言葉に頷き、大人しく着替えて髪を結んでもらう。


 やや早めに準備して飛び込んだ居間は、やっぱり二人ともまだ来ていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ