ナオとセナ
最近はやけに暑いけど、2人がめずらしく一緒に眠らなかったのは暑さのせいじゃない。
昨日のケンカはナオが放った一言から始まった。その言葉にセナは大きく衝撃を受けた様子だったけれどすぐいつものようにナオの話を聞こうと穏やかな様子に戻った。でも2人の話し合いはいつものようにすぐには終わらなくて、むしろ空気は重くなる一方でナオも、セナもずっと泣いていた。
しばらくして、セナがもう遅いからまた明日話そうとナオを寝室へと促し2人で寝室に入ったかと思うと少ししてセナはリビングに戻り1人静かに泣きながらソファで眠りについたのだった―――
翌朝、セナはいつもより早く起きて2人分の朝食を作ると片方を1人で黙々と食べさっさと身支度を済ますとナオが起きてくる前に仕事へと出かけて行ってしまった。
それから1時間してナオが起きてくると机に残された書き置きを見るなりポロポロと泣き出し、そのまま冷蔵庫に向かい朝食を取り出すといつもより時間をかけて食べきる。
その後ナオはいつも通りパソコンとにらめっこを始め休憩を挟みつつも気付けば日が落ち始めていた。
パソコンを閉じたナオはとても疲れたような顔をしていたが雨は降り洗濯物を取り込む。すべて畳んで片付けてカフェオレを飲んでから晩御飯を作り始めてしばらく経つと、「ただいまー」とセナが帰ってきた。その姿はケンカする前と変わらない様に見える。けどナオは少し悲しそうな微笑みでおかえりと迎えて、たった今出来たご飯を盛り付け2人でご飯を食べる。いつもなら仕事の愚痴や、たわいのない話で明るい食卓は今日は静まり返っている。
それからいつものようにお風呂に入ったり歯磨きを済ませたりして互いが座ったのを見計らってか重い空気の中セナが口を開く―――
今日は昨日のように長引くことはなかった。むしろ呆気ないほどすぐに終わった。ナオはずっと泣いていたがセナはすべてを優しく受け止め、ナオが泣き止むまで寄り添い背中を撫でていた。
そうしてナオが泣き止んだ後2人は共にお酒を飲みしばらく和やかに談笑していたと思ったら気付くとそのまま肩を寄せ合い眠っていた。
―――その後はあっという間だった。あんなにたくさん物があった部屋はほとんどがダンボールへと仕舞われこざっぱりとしている。引越しの日は外には雨が降っていた。ナオは今まで過ごした思い出を振り返りながら一通り部屋を見渡し傍に立つセナの目を見るといままでありがとうと告げて部屋を去った。
新しい家に着いてボクは窓際へと移される。いつでも窓際はボクの特等席だ。ナオは引越し業者とのやり取りを終えると一息ついてダンボールを片っ端から片付けていく。
全て終わる頃にはもう外は夕焼けでナオはボクに雨を降らせてからカフェオレを飲んで、にこりとボクに笑いかけてくれた。
気まぐれで書き殴りました。
気が向けば続きを書く予定です…。正直文字の引き算と足し算のバランスが全然分からない……………