~プロローグ~
プロローグ
この世界、この社会は間違っている。
強者と弱者、陽キャと陰キャ。
人はすぐに2つに分ける。
何故、強者の間違いは肯定されるのだろうか?
何故、弱者は全て否定されるのか?
人は平等だと思えない。
だが、すぐに平等平等と言い出す。
だからこの世界、この社会は間違っている。
視界が突然真っ暗になった。
手足を拘束され目隠しを着けられている。
俺は少しの間、気絶していたようだ。
「いったいなんだ?」
突然の出来事に戸惑いを隠せずにいると後ろから数人の笑い声が聞こえた。
すると、数人持ち上げられ何処かに連れて行かれた。
「ど、どこに連れて行くんだ?」
しかし、返答は無く笑い声が聞こえるだけだ。
そして、足が止まった。
「は、離せ……こ、此処は何処なんだ?」
だが、やはり笑い声だけが聞こえる。
「ふ、ふざけんな!俺が何をしたんだよ!」
ただ、笑い声だけが聞こえる。
徐々に苛立ちと恐怖心が増してきた。
「離せ、ふざけるな!」
俺は、一心不乱に暴れた。
突然暴れだしたので、俺を持っていた奴らの手が緩んだ。
地面に叩きつけられたがそんなことも気にせず無我夢中で転がった。
「よっしゃー上手く逃げれたな。我ながら感心するぜ」
だが、目隠しを着けているため今何処にいるか分からない。
すると、数人の走る音が聞こえた。
「てめぇ、ふざけんじゃねえぞ。」
リーダー格が怒鳴り散らす。
「死ねっ!!!」
その瞬間、腹部に思いっきり蹴りを入れられた。
「ぐぅぼふっ……ぐわっ」
俺は情けない声と共に吹っ飛ばせれた。
次は俺を持ち上げた。
「じゃーな、負け犬」
そう言い俺を投げ飛ばした。
「大丈夫ですか?」
声の聞こえた方に顔を向けた。
何故かさっきまでの記憶が途切れ途切れしか思い出せない。
「あ…あれ?お…俺は…さっきまで……」
目隠し、手足を拘束していた縄が無い……
「てか、此処は何処なんだ?」
「大丈夫のようですね。」
そこには、思わず見惚れてしまう美貌で美しい銀色がかった白髪の女性が立っている。
「あの…あなたは?」
「私は、女神ミラー。時を司る女神です。」
「あ、あの此処は何処ですか?」
「ここは天界です。突然ですが貴方は階段から落とされ、亡くなってしまったのです。」
お、俺が死んだだと?
階段から落ちて……あ、俺はアイツに投げ飛ばせれて……
「当然、驚かれる思いますが…」
「あの、俺はこれからどうなるんですか?」
「はい、貴方には3つ選択肢があります。1つ目は他世界で一から人生をやり直す、
2つ目はまたあの生活をやり直し、お辛い思いをすること、3つ目は天国に行き、何もせずに過ごすか」
おい、選択肢が3つもあるのに俺からしたら一択じゃねーか。
「他世界で一から人生をやり直したいです。その時に記憶は無くなってしまいますよね?」
「はい、無くなってしまいますよ。では、どのような世界がよろしいでしょうか?」
「特ににはありません」
「でしたら、ある世界で人間と魔族が対立しているのですが、そこで救世主になりませんか?」
あんま目立ちたくねーからな。
「いえ、普通の生活がしたいです。」
「で、ですが天界でもこれは問題になってるんですよぉ~」
女神様は突然取り乱した。
「と、突然どうしたんですか?」
あまりの可愛さに動揺が隠し切れない。
「す、すいません、でしたらランダムに決めさせていただきます。」
「はい、それでお願いします。」
「それでは、貴方を異世界に送ります。」
そして、俺は異世界に転生した。