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エピローグの2、ふたりの夏休み

図書館の隅、本棚のあいだにはクーラーの音とないしょの話


「ねぇ、ふみちゃん」

「ん?」

「キス、いい?」

「今、勉強中」

「…ごめん」

「わたしも、我慢してるんだから」

「あー、いっしょだねぇ」

「…帰ったらね」

「…うん」




あなたの書く「み」の字が好きなのその「み」にはきっと魔法がかけてあるのね


「紗、字上手いよね」

「えへへ、よく言われるー」

「ふーん」

「でも、ふみちゃんに言われるの、一番嬉しいな」

「…」

「ふみちゃんに言われるのが一番嬉しい、って言われるのが一番嬉しいよ、って思った?」

「…うん、思った」

「ふみちゃん、たまに急に素直になるけど」

「ん?」

「それ、すごい好き…」




証明を解いてる貴女の横顔が知的で素敵でカッコ良すぎて


「ふみちゃん、本当にカッコいいなぁ」

「…紗、どしたの?」

「なんでもない、また惚れ直してるの」

「ん、そう」

「ふみちゃんは、私に惚れ直す事ある?」

「…言っておくけど、私の方が大好きだからね」

「…え」




ひっそりと机の下で繋いだ手 窓の外には陽炎が揺れ


「こういうの、ドキドキするね」

「そう?」

「もしかしたら、後ろの人から見えちゃうかな」

「別にいいんじゃない?」

「えー、恥ずかしくない?」

「恥ずかしくない、自慢の彼女だから」

「…ふみちゃん」

「なに?」

「ごめん、大好き」

「私も、紗のこと好き」




「帰ったら」なんて約束 夏空に放り投げたら貴女とキスを


「ごめん、ふみちゃん、我慢出来なかった」

「…」

「本当にごめん、怒った?」

「…あのね」

「うん」

「怒りたいけど、なんか、嬉しくて、怒れない」

「…良かった」

「良くない」

「ふみちゃんが嬉しいなら、私も嬉しい。」



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