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誰かこの謎を解き明かして  作者: 平石匠
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部の創設 II

「あれって…」「うん。四条玖遠。私の幼馴染」「四条君て確かあの四条グループの会長の息子だよね。そんな人が入ってくれるの?」「大丈夫。任せて!」梓紗はそう言うと彼の元へと歩いて行った。私たちもついていく。「おーい玖遠、起きてー」梓紗が耳元でそう言うと、彼はピクっと体を揺らして目を覚ました。「ん…梓紗か。何?」「ちょっと相談があるんだけど。」「?」「こちらは私のクラスメイトの伊藤愛璃と黒田知奈。」私たちはぺこりと頭を下げた。彼も同じように頭を下げる。「今ね、私たちで文学部をつくろうとしてるんだけど、部員が5人以上にならないと承認されないらしくてあと2人必要なの。玖遠は本好きでしょ?よかったら入ってくれない?」「……んー、いいけどあと1人は?」「まだ決まってないけど…」「じゃあ、あいつでいいじゃん」そう言う彼の視線の先には、学校一の問題児の姿があった。


「はぁ?文学部?やんねーよ面倒くせえ」私たちの相談をあっさりと断った彼の名は、駆堂来貴。学校一の問題児であり、梓紗と四条君の幼馴染。去年クラスが一緒だったけど、とにかくサボりが多い。服装も校則を全く守っていないし、まさに不良生徒だ。ちなみに四条君は四条グループの会長の息子で、成績は超優秀。スポーツは何やらせてもピカイチな上にかなりの美少年だから、男女問わず人気は圧倒的。駆堂と四条君はイメージでは間逆だ。そんな四条君が意外にもあっさりと部に入ってくれたことに、私はかなり驚いていた。

「えー、このままだと男子1人になる予感しかないんだよね。来貴が入ってくれたら僕も楽しいんだけど。」「ぜってーいやだ!」「なーんだ。あとでめっちゃでかいシュークリームご馳走しようと思ったのに。タダではあげられないなー。」「……………わかった。入るから、約束守れよ。」「お、さすが来貴。入ってくれると思ってたよ。」四条君は、彼の扱いに慣れているようで、そのおかげで、5人集まった。駆堂が単純であることに感謝しよう。

「ありがとう!駆堂。」「クッソ。面倒なのに入っちまった。」「これで5人集まったね。」「うん。あとは先生に報告だね。」「じゃあ、放課後2ー1に集合ね。四条君と駆堂、OK?」「ん。」「了解。」

「よーし、放課後に申請書書いたら、玖遠の家でミーティング!」「えっ何でうちなの?」梓紗の突然の提案に、四条君は少し戸惑う。「いいじゃん広いし」「えー、でも……」「親睦を深めるんだよ。玖遠は2人と話すの初めてでしょ?」そう、私たち4人は去年クラスが一緒だったけれど、四条君は違う。私と知奈は今日が初めましてだ。「……まあいいけど。僕の家でよければ。」「えっいいの?何か、警備とかすごいんじゃない?私と愛璃も行って大丈夫?」「私もそう思うんだけど…いいの?」「大丈夫だよ。僕がいるのは四条の中でも末端の末端だから。警備とかないし、結構普通の家だよ。うちは色々あってね〜。」「そんなんだ…。じゃあ、放課後お邪魔するね。」「うん。またあとで。」

キーンコーンカーンコーン…丁度昼休み終了のチャイムが鳴り、駆堂と四条君と別れて私たちは教室へと戻った。それからの私は、授業など全く耳に入らず、無事に部をつくれる安堵感とこれからの日々のことでいっぱいだった。


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