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異世界転生失敗談  作者: ゆゆ
はじまり
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新しい世界で

 月曜日の朝、世界は輝いていた。


 そう、月曜日です。

 金曜日にトラックとの事故?があり、土曜日を病室で過ごして、日曜日の午後には自宅に戻った。事故でないのに、入院したこと、丸一日眠りこけていたことに、兄と父には笑われて、母にはしっかりと叱られて。日曜日の夕食は退院祝いというか、無事で良かったと、外食に行った。

 普段は仕事優先だった両親も、事故と紗枝から連絡があり、慌てて病院に来てくれていたらしい。母は土曜日の仕事も休みをとって、付き添ってくれていた。兄までも何度も病室に来てくれていたのが、驚きだった。

 別に仲が悪いわけではないが、小さい頃みたいに家族で出掛けることもなくなり、同じ家にいても個々の部屋でばらばらで過ごしていた。そんな、たぶんありふれた家族だったのだ。愛されてないとは思っていなかったが、思っていた以上に愛されていたのだと、こそばゆいような温かい気持ちになった。

 予定外らしいが、この世界で生きていて良かったと、死ななくて良かったと、心から五十嵐くんに感謝した。


 朝、母にはもう一日家でゆっくりとすることを勧められたが。母は今日も仕事を休みにしたみたいで、嬉しいけどちょっと鬱陶しくもあり、今日から学校に行くことにした。

 行くことにしたと、言っても週末の出来事で別段学校を休んでいたわけでもなく、寧ろ私の週末を知っている人の方が少ない、はず。


 自宅から電車で三駅の御洞駅。

 昔々、政権争いに敗れた帝が流浪中にこの地の洞で雨露をしこいだとされている。その洞の側に建てられた寺が天王寺。その隣にある学校が天王寺学園、因みに、聖女の隣には川があり、聖川と言う。創立者のネーミングセンスはいかがか。

 まあこの御洞駅が学校の最寄り駅で、東口から天王寺商店街を通って天王寺学園に。西口から御洞通りを横切って住宅街を抜けて聖川女子学園に、行く。つまりは、隣同士でも通学路が違うということ。

 後、南側に南口と呼ばれる中央出口がある。こちら側はオフィス街で更に南に行くと工業団地がある。

 そんな御洞駅で紗枝と待ち合わせて、学校まで歩く。

 緑の多い、高そうな大きな邸宅が多い住宅街を通り抜けて。


「紗枝、なんでラノベの主人公が両親がいなかったり、見放されてたりで、異世界に行くのか分かったわ。」


 朝から何を言い出すのか、こいつは、と冷たい視線を受けつつも、


「金曜日の事故でさ、皆に心配かけたなって思ってね。小説読んで憧れるけど、やっぱり私は異世界には行けないや。」

「雅~。現実みようね。だから残念なんだよ。」


 紗枝には、理解されないけど、いいや。

 今朝から周りの景色に色がついたみたいに、風の匂いまでも心地よい、そんな気持ちで、私の世界は新しくなった。

 ここまで、お付き合いくださりありがとうございます。

 一応ここまでがプロローグかなと思っています。

異世界には行かなかったけど、異世界チートはもらった雅のこれからの非日常になる日常を書いていきたいです。よろしければ、まだまだお付き合いくださいませ。

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