異世界に行ったのに
目の前には草原が広がっている。その奥には森が。
足元の道はアスファルトではなく、小石も落ちているでこぼこの土の道。雨でも降った後なのか、所々に泥濘がある。
その泥濘さえ、道端の雑草さえ、愛おしい。
そう、ここは異世界!
やっと来たのよ。
私が今踏みしめているのは、異世界の大地。
私の服装こそまだ制服ままだけれど。
手には魔法の杖が。
さぁ、出てこい、モンスターよ。私が狩ってやる!
念願の異世界にいるので若干テンションがおかしな事になっています。椎名雅です。
ガサッ
ガサガサッ
道の横の茂みが揺れ動いた。
杖を持つ手に力がはいる。
まずは使い慣れた風魔法で、
ズシャッ!
茂みからゴブリンが現れた瞬間に、その体は二つになった。
そして、その後ろから、プルンとスライムが、
グシャリ。
スライムは押しつぶされ、
ボゥッ
青白い炎があがり、燃え尽きた。
「何するのよ(怒)」
「条件反射?」
「だって…」
「雅は反応できてなかったから。」
ゴブリンを剣で凪払った一臣。
大型の猫科の猛獣に姿を変えていた紗枝。
無詠唱、ノンアクションで魔法を出した颯也。
「私の異世界を邪魔しないで!」
そう、何故か四人一緒に来てしまった。
「体が動くんだから仕方がないよな。」
と、元勇者さま。
人の腰の高さまである体を擦り付けて来る紗枝。
薄い藤色でライオンみたいな鬣がある大きな猫。両耳の根元から一房づつ鬣より長い毛が特徴的な大きな猫。
都合が悪くなると野生に戻って喋らないつもりらしい。
「雅が危ないことしなくても大丈夫だよ。」
とは、元異世界の皇子で元魔王さま。
「で、今回の依頼はなに?」
「向こうの森にオークの群れが住み着いたらしい。オークキングもいるかもだ。」
「この世界の冒険者たちは?」
「隣の大陸に魔王がいるから、ソッチだ。」
「それって、後日魔王退治に誰か勇者召喚になりそうだな。まぁ、その時は報酬をしっかり頂く気でしょう。」
「当たり前。ボランティアは今回だけだ。」
「雅ちゃんの初体験だからね。」
なら、邪魔するな!
結局、オークキングもいたが、私は戦いに参加させてもらえなかった。
「参加すればいいだろ。」
「私が動く前に戦いが終わってしまうのに。」
「それは実践経験の差だな。」
次は絶対に付いてくるな~!!!
★★★
っていう夢をみた。
いつか行くことがあれば、絶対アイツらとは行かない。
ここまで、お付き合いくださりありがとうございました。
後日談とか、書いたらまた、投稿するかもです。
ご縁がありましたなら…




