複雑に絡みあい、
颯也視点の続きです。
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僕の死と転生は予定調和の予定外ではなく、全くの想定外だった。
僕は、白麟皇子は、全開で魔術を使い、王宮の一部と共にあの場の人達は全て、消し去る。そしてまっ黒に染まって、砂漠は東のみならず、西側の国々をも攻め滅ぼす。所謂魔王になる予定だった、らしい。
白麟皇子はあの世界の神である西の森の魔女の孫だった。だから並外れた力があった。
魔女は僕が魔王になることを止めるために努力して、でも、僕のあの世界での命を諦めた。いずれあの世界で魔王討伐されただろうし。
代わりにこの世界に無理して僕を転生させた。
雅は、魔王に、僕に、差し出される生贄聖女になる予定だったらしい。聖女の努力によって、魔王の心の闇は晴れていく、みたいなストーリーらしい。ただ、それまでに犠牲になるものは甚大で、魔女は僕を諦めることで世界を救ったのだ。代わりに僕を聖女の元に転生させて。
今、蘭皇国は次兄が皇帝として、戦線を縮小して、頑張っているらしい。それがわかって安心した。僕が死んだことを良かったと思えた。次兄が生きていていれたから。
いつの間にか、手にタオルを握っていた。
両目から溢れる涙を拭う。
「ごめんね。辛いよね。白麟皇子は魔王になるような人ではなかったし…。魔女は貴方が幸せになるように願って、努力していたよ。本当だよ、簡単に貴方を諦めた訳ではないよ。」
「違うのです。僕のことはいいんです。確かに幸せでしたし。兄が、藍虎兄上が生きているってわかって、嬉しいのです。それが心残りで、あの傷ではとも思っていたから。」
「貴方が珠角に渡した回復魔法を封じた魔法石がね、藍虎皇子を助けたのだよ。珠角は白麟皇子がくれた魔法石をもったいなくて使えなかったから、ずっと持っていたのですよ。貴方の力が、思いが兄上の運命をかえたのですよ。」
すっと心に優しい言葉が染み込んでくる。
「今、この世界は貴方が転生した世界と別の世界になりつつあります。この世界流に言うなら、バグった。でしょうか。」
「元々の世界は、最初の神が最初に創った世界で特別なのです。だから、私たちはその世界から人を得ようとする。でも、その世界には厳しい番人がいてね。魔女の孫で、魔女の頼みで数少ない異世界からの転生者として貴方が受け入れられたのです。でも、貴方は魔女の血が濃く、この世界でも桁外れの力を持ってしまった。番人はかなり焦ったみたいですね。貴方が力を使う度に、世界のどこかがバグっていったのです。大きな力を使うと番人すらもバグって。そこで番人はバグった世界を切り離し新しい世界にしようとしています。後は新しい世界に神を置けば切り離せます。番人も力を取り戻してきたようですしね。」
「ただ残る問題は貴方なのです。魔女、神の血がある魔王ですから、新しい世界の神に、なれますよ。」
「神さま、ですか?」
「まぁ、神と言っても世界毎に色々いますから。世界の外から見て時々干渉するとか、がっつりその世界を繰り返し生きているとか、永遠に生きているとか、完全放置とか、本当に色々いますから。中にはよその世界の住人でありながら異世界の神とかね。」
「元の世界とこのバグった世界を切り離すタイミングですが、貴方が聖女を手に入れてから、ですね。今のままなら、この世界で貴方が魔王になる可能性が大きくて、番人の世界では魔王にはなれませんから安心です。」
だから、頑張って
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「颯也?今の電車に乗らなかったの?」
頬に涙の後?白いタオルなんて持っていたのか。
過去の話をしてくれたり、今日の颯也はどこかヘン?




