世界は複雑に
話の時間が戻っています。
18話の続きです。
視点は颯也です。
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雅が夕食を一緒に食べて、母さんのおしゃべりに付き合って帰りが遅くなった。
こんな日に兄さんは仕事で車を出してもらえない。
転移で移動するには行ったことがないから使えない。
仕方ないから電車で送る。
「別に一人で大丈夫だよ。」
雅は一人で帰ろうとするけど、無理やりついて行く。雅の家には行ったことが無かったからちょうどいい、家の人にも挨拶しとこう。
自分の気持ちを自覚したら、止まらない。かなり本気で手に入れたい。何度か試しに告白したりもしたが、上手くいかない。
手に入れたと思っても、かえって関係がぎこちなくなり逃げられる。
雅の心は丸見えでわかりやすいはずなのに。人の心は複雑だ。
とりあえず、今回は外堀から埋めていって逃げれなくすればいいかと思っている。
だから、家まで送る。
ホームに流れる電子音のメロディーが電車の到着を知らせる。
視界の端に何かが引っかかった。
思わず二度見した。雅の背後に魔法陣が輝いて、文字通り人の腕が生えてきた。そして、
トーン。
背中を押された雅が、ホームから線路に、電車の目の前にとんだ。
ぷぁ~。
僕の前を先頭車両が走り去る。
電車がホームに止まり、人が降りて、乗って。
「まもなく扉が閉まります。ご乗車の方はお急ぎください。」
プッシュ~。
扉が閉まり、電車がホームから走り去る。
ホームに僕と雅を残して。
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「やっ。」
片手を上げて、子供がやってくる。
ここは何度目かの真っ白い世界。
「はじめまして、五十嵐颯也くん、いや、白麟皇子。」
にっこりと笑った人とは、確かに初対面だ。
いつもの神さまではなかった。
いつもの神さま。
最初はスーツの似合う紳士、予定外と言われた。
二度目は、可愛い少女、12年の時間移動の後。
三度目は、元気な少年、異世界から一臣を召還。
四度目は、また紳士、雅の異世界転生を阻止できたとき。
この世界の神を名乗っていた。
目の前の子供は何者だろう。
「私はこの世界以外の世界の代表かな。私たちにとってこの世界は特別な世界なの。転生者や召喚した人、全てがそれぞれの世界での特別になれるから。」
真っ白い世界に白い椅子とテーブルが現れた。
座れということらしい。
「そう、そんな特別な人達だけど、勝手に異世界に連れては行けない。この世界の神が認めなければダメなんだ。」
僕が椅子に座ると続きを話し始めた。
「でも、君がその世界を壊してくれた。おかけで私たちは助かるよ。」
夜に続きをもう一話更新出来る予定です。




