しだれ柳の花の下
今日の三話目です。
みんなでアクセサリー屋さんとおしゃべりして、暗くなったからとお兄さんは店じまいして帰って行った。
こんな場所では、お客さんも来なかっただろうに、オマケまでして。お兄さんは作るのが趣味だからいいんだよ。って笑って帰って行きました。帽子を取って綺麗なお辞儀をして。
どーん、どどーん。
音だけの花火が上がった。花火大会の合図だ。
本当は皇帝と一臣のお祖父さんの家で見せてもらおうかと言っていたが、アクセサリー屋さんとの時間が楽しくて、移動する時間がなくなった。
ここからだと少し見えにくいけど、みんなでくっついて見える場所からワイワイと見る花火は綺麗でテンションが上がりまくっていた。
「五十嵐先輩、みてみて、綺麗ですよ。」
「うん、見えてるよ。ちょっとごめんね。」
べったりと引っ付いていた香代ちゃんの手を外して、
「雅、何か言いたいことある?さっきからよく目が合うから。」
どうしたの?と颯也が隣に来た。
★★★★★ ☆☆☆☆☆ ★★★★★
「雅。僕にしときなよ。」
「雅、愛しているよ。」
「いっそのこと、壊して閉じ込めてしまいたい。」
「僕だけを見て。」
「僕以外全部、忘れてしまえばいいのに。」
何度、君に伝えただろう。
君は覚えていないけど。
毎回、君は自分の気持ちを認めなくて、
★★★★★ ☆☆☆☆☆ ★★★★★
「雅先輩、最後のおっきなのがあがりますよ。一緒に見ましょうよ。」
狭川くんが人なっこい笑顔が呼びに来た。
私が言葉を返そうとした時、颯也が私の腕を捕まえた。
「大丈夫だよ。最後のは大きいから、此処からでも見えるよ。」
颯也が睨むように狭川くんを見て言う。
ひゅ~、ひゅるるるる~。
パチパチパチパチ。はじけるような花火が夜空を流れて行く。
「雅。」
颯也につかまれた手の指に指輪が嵌められた。
ストラップと同じ桜色の花がついた可愛い指輪。
驚いて、颯也を見つめる。
どーん、どどーん。
ひゅ~ひゅ~るるるる~~~。
「いい加減に認めてよ。雅は僕のことが好きでしょ?」
ッパパパパーン、パパパーン。
夜空が明るくなって、空一面に光の雨が降り注ぐ。
光の雨を背景に颯也の顔が目の前に来て、
どどどどーん、どどーん
「僕は雅が好きだよ。」
どどどどーん
と。
視界が颯也で覆われ、唇を塞がれた。
きっと、みんなは空を彩る花火に夢中で。
今、私の世界は颯也と二人だけ。
しだれ柳は冠菊という名前の花火をイメージしています。話の最後の花火はその冠菊をイメージしてもらえると嬉しいです。
ベタベタの恋愛の話はたぶんこれで一段落かな。
苦手な方にはごめんなさいでした。




