恋花はまだ咲きません
いつも以上に短いです。
「日が落ちてもまだ暑いですね。」
「本当ね。」
天王寺商店街に向かって聖女を出て、王国の前で颯也たちを見つけた。
「臣くーん♡」
紗枝はパタパタと走って行って、一臣の腕にくっついた。以前は走っていった紗枝の額を押さえて遊んでいたのに。
「先輩たちも商店街の夏祭りですか。一緒に行っていいですか。」
香代ちゃんが颯也の横で並んで歩いている。
「雅ちゃん?どうしたの。」
希美ちゃんと話していたのに、話が聞こえてなかった。
「ごめんね。なに?」
「別に大した話じゃないからいいですけど、香代ちゃんのこと気になります?」
「えー、違う違う。紗枝と一臣がね。」
「最近仲良しですものね。」
「うん。紗枝、良かったなって思ってね。」
「羨ましい?」
「えー、紗枝が一臣に引っ付いているのは昔からだもん。」
「ふーん。なんか寂しそうだよ、今日の雅ちゃん。」
「何?雅先輩寂しいの。じゃあ、オレと付き合ってよ。」
「えっ!」
「オレ、金魚すくいもヨーヨー釣りも得意だから楽しいですよ。」
あぁ、夜店ね。
確かこの子は王国の一年生の。
「大和くん?」
「違いますよー。オレは狭川凌平。大和はあっち。」
名前を間違えたのにケラケラ笑って、里奈ちゃんや美香先輩達と一緒にいる男の子を指差した。
身長の高い坊主頭の爽やかな子だ。
狭川くんは、人なっこいわんこ系だね。
「ね、全然違うから。大和は野球部で生徒会も絶対無理って断っていたのに、野球部の先輩が野球部の部費確保の為に生徒会と両立しろ。って言ったらしいですよ。あっ、オレはサッカー部のユーレー部員です。雅先輩は?部活とかしないんですか?先輩がマネージャーだったらオレ毎日部活出るのにな。」
よくしゃべるわんこだ。
なんか歩く速度かな。前に一臣と颯也、紗枝、香代ちゃん。離れて、私と狭川くん。ちょっと後ろに尚哉先輩と希美ちゃんと山田くん。また離れて美香先輩とよしくん先輩、里奈ちゃんと大和くん。一番後ろに皇帝、皇輝先輩と燿子先輩。
なんか離れてしまたったな。
「雅~!遅いよぉ~!早く~。」
前を歩いていた紗枝が立ち止まって、手を振って私を呼ぶ。
颯也と香代ちゃんも立ち止まって、
二人で並んで、
「雅先輩。」
はい、って狭川くんが手を出して、私の手を持って、繋いで紗枝たちの所に一緒に走って行く。
「ちょっと、サッカー部早い!」
「あはは、雅先輩、見かけと違って足遅い。」
今日は頑張って、あと2話書きます。




