聖女は恋花が好き
あまりにも暑くて解散になったが、結局まだ生徒会室にいる。
今日は天王寺商店街の夏祭りで、お寺までの間に夜店が出て、花火もある。みんなです行こうと言うことになった。
それが、一年生の香代ちゃんと里奈ちゃんに追い詰められるとは。
「燿子先輩と皇帝が並ぶとそれだけで、幸せです。」
「香代ちゃんは舞台見て生徒会に入るのを決めて、職員室に文字通り駆け込んだんですよ。」
「だって、ここ受験したのも里奈ちゃんに誘われて去年の文化祭見たからだもん。」
「去年、って御影先輩?」
「見ました。生徒会劇二つとも。」
そう、去年は御影先輩人気で学祭の舞台も文化祭で再演したのだ。御影先輩が騎士でよしくん先輩が姫の。
「皇帝と燿子先輩も良かったけど美香先輩の悪役っぷりが最高でした。」
香代ちゃんはしゃべり出したら止まらないようだ。うっとりした表情で語ってくれる。
そして、爆弾投下。
「燿子先輩って皇帝とお付き合いしているんですよね。」
微妙で謎だったことを聞いてくれる。思わず耳をダンボにして聞く。
「どうなんだろう。」
燿子先輩?真剣に悩まないでください。
「えー、でもでも、悩むってコトは燿子先輩は皇帝のコトが…ですよね。」
わぁ~。ありがとうございます。と、にまにましている香代ちゃん。
そうか、好きなんだ。と納得している燿子先輩。
同じくにまにましている美香先輩と希美ちゃん。
菜々緒先輩は彼氏さんとデートだからとさっさと帰りました。
「紗枝先輩は藤原先輩とどこまで…」
「こないだ。臣くんが…」
あぁ、里奈ちゃん振ってはいけない話題を。暫く紗枝の幸せ惚気を聞かされるね。
これまでは、遊園地とか行ってもデートではなく、子供と保護者だった二人が、あの春の日からぎこちないけどカレカノになったから。紗枝は隙あらば惚気全開で話しだす。
「で、雅先輩は?五十嵐先輩とどうなんですか。」
「何にもないよ。」
本当に何にもない。お互いの家族にはそれぞれカレカノと言われていて、お互い否定はしていないが。
好きとか言ったこともないし、言われたこともないのだから。家族の認識も最初は否定したのだが、毎回なので、もういいかとスルーしているだけ。
きっと、ドキドキしたのも、魔法だ、異世界だ、と色々あったから、吊り橋効果なだけ。
「本当に?雅先輩は好きじゃないんですか。」
「香代ちゃん、やけにつっかかってますけど…。」
「もしかして~。」
「雅先輩、私、五十嵐先輩のこと好きです。いいですか。」
「香代ちゃん、あまりお薦めできませんよ。たぶん…。」
「別に私がどうこう言うことじゃないし…。」
思った所まで進んでない、です。




