65.約束
私とランの様子を少し離れて見守ってくれていたらしい、カティールさんとリコルさんを見つけその心配そうな顔に、微笑みを返す。
「大丈夫?」
小走りで近づいてきたリコルさんに心配され、「大丈夫」と笑顔で答える。
「この試合が終われば……」
試合が終わったとき、なにが起きるのか、まだわからない。
この後の、未来を私は何一つわからない。だけど、ただひとつだけ、勝たねばならない事だけはわかる。
「試合が終わったら! 一緒にケーキを食べに行きましょう! つい最近、美味しいお店を開拓したの! だから、みんなで、一緒に行こうねっ」
リコルさんは両手で私の右手を掴んで、満面の笑みでそう言う。
「みんなバラバラのにしようね、そうすれば、色んなのを味見できるでしょ?」
「もう、リコルさんったら。食い気ばかりなんだから」
そう言いながらカティールさんが、そっと両手で私の左手を包む。
小刻みに震えている私の手が、二人の手のひらに温められる。
「だって、色んな種類があるんだもん」
「それなら、何回だって行けばいいでしょ? 卒業したからって、それで最後じゃないのですもの」
二人の優しい視線と温もりが、緊張していた私を優しく癒やしてくれて、私は心からの笑顔を二人に向けた。
「ふふっ、とても楽しみだわ。何度だって行きましょうね」
私は震えが止まった手で二人の手を握り返して、力強く、未来の約束をした。




