思い出(仮)
夢みがちな毎日を過ごしてる…
ハッキリと言えるのはそれだけ…毎日の日常生活の中で唯一の楽しみがアニメ鑑賞。
でも、そんな僕の日常が変わるとは夢にも思わなかった。
僕の仕事は一応占い師の仕事をしている。アニメを見ていたら陰陽師って職業があったから、調べている内に占いに興味が湧き趣味と実益が合わさった幸せな職業と言える。
まぁ、案外食べて行ける位の稼ぎになっている上に自分の好きな時に来て好きな時に帰宅するシステムになっているから僕に合っているのかも知れない。それでも僕はなるべく自分で決めた時間には出て来る様にしている。
「今日は…ヒマかなぁ…」
「外の天気が悪いからねぇ…」
誰も居ないと思っていた所から声がしたため僕が驚いて振り返ってみるとそこに同時期に入社した楠美玲が立っていた。
「やぁ美玲さん、、、おはようございます」
僕は楠美玲へ振り向いて頭を少し垂れた。
「おはよ、ヒーちゃん」
そんな僕に楠美玲は、弟を見る様な優しい表情で挨拶を返して来た。
「ヒーちゃんいつもボーッとして外を眺めて居ても忙しくならないよ」
「そうですね…」
僕は座り直し溜め息混じりに答えた。
お店の前の通りをまばらに人が通り過ぎて行く中、その通り過ぎて行く人々の表情を見ているのが僕は楽しくも会った。
そんな何気ない日常生活の中、ゆっくりと流れるのを感じるのが僕の好きな事なのかも知れない。
ボーッと外を眺めていると女性の顔が突然視界に入って来た。
「何だお前か」
「何だは無いでしょ~、最愛のダーリンのの顔が見たくて来てあげたのよ」
「はいはい」
適当に相槌を打って、また視線を外に向けた…
ここ最近見る夢が気になっているからなんだけど。その夢が現実的でふと記憶を思い出す様な錯覚を覚えてしまう。
その夢はまぁ、中二病な人達が見る様な夢だったから妄想程度にしか思って居なかった。
「ちょっと!聖!」
パン!と音が鳴ってハッと我に返ったら、目の前に橘弥生が居た。彼女曰わく僕の彼女何だそうだ。もう小学5年からの付き合いで11年位になる。腐れ縁とは言ったものだと僕は思って居た。彼女には僕がどんな夢を見ているのか話している為、また夢を見ていたの?と首を傾げながら心配そうに顔を見ていた。