第1話 使命
はじめまして 梨奈 です
本作品は 非常にせまい趣向の作品です
ある女子格闘家を中心とした 戦いと 愛と 笑い に満ちた物語です
楽しで頂けたら幸いです
題名に改とあるように 本作品は改訂版です
未改訂の原版は HP 梨奈の世界 で掲載中です
もしよければ そちらも覗いてね
できるだけ 早いスピードで投稿していくつもりです 応援よろしくね
文部科学省 高等教育局 局長室
「・・・という内容なんですが お願いできますか?」大きな机に座った初老の男が白いハンカチで汗を拭きながら、かなり心配なのだろう机の前に立っている者へ阿るように尋ねる。
「はい、いいですよっ だいたい3カ月もあれば、なんとか成ると思います ああでもL1の大会には出場させてくださいね」一方机を挟んでその質問に答える声は明るく明瞭で質問者の声とはかなり対照的だ。
「えぇ それはもちろん L1は国民的な行事ですからね 我が文科省代表として是非是非頑張って頂きたいものです」その答えに大きく安心したのか、机の前に立つ回答者にちらっと眼を向ける余裕が出来た初老の男。禿の初老の男の前で、右手を腰にあてながら話を聞いているは女性。それも意志の強そうな顔立ちのすっきりした感じのかなりの美人。体格にも恵まれて一見モデルに見える様な女性だった。
そう彼女こそが氷室真由子、今年で33歳、身長168 体重55 スリーサイズは上から84、58、85のDカップという誰もが羨やむプロポーションを誇る女性だ。そしてその真由子の容貌は印象的な意志の強さを伝えるぱっちりとした二重瞼の目、頬がちょっと高く、形よくすっと通った高い鼻、整った紅い唇、尖った顎。ちょっと日本人離れしたきりりとした顔つきだ。
黒のタンクトップの短めのカットソーを着ているので、がっしと張り出した肩と、綺麗な鎖骨が浮き出ているのがはっきりと見える。肩まで伸びる黒髪、透き通るような白い肌の肩口に対照的な黒髪が映える。ぐっと張り切った乳房と、カットソーの裾からちらちらと覗く腹筋、引き締まったウエストと縦長の綺麗な臍が印象的だ。そして張りきった形のいい臀部が、白のタイトスカートをグンと盛り上げる。膝上15センチのタイトミニからすらっと伸びる生足が眩しい。ちょっと米倉涼子に似たスーパー美人だ。ただし本人曰く「米倉涼子が氷室真由子に少し似ている」のだそうだ。たいした自信だな真由子。
こんな容姿を誇る真由子だが生業は高校の教師だ、ただし一般の教師ではなく特別矯正教師(通称”特矯教師”)だ。特矯教師とは文部科学省高等教育局局長直轄の教育環境矯正特別査問委員会に所属する国家公務員だ。教育環境矯正特別査問委員会は、正常とは言えない状態の教育環境の正常化を目的に設立された、捜査問責権限に基づく公権力を持つ実力組織だ。端的に云うと強制的に不良学生を矯正することを担務とする特別矯正教師を管理・派遣する組織だ。
特別矯正教師は、特別公務員職で検事と同様に職務遂行上における、独任制と逮捕・捜査権を有している。本職に任用されるためには、教員免許及びなんらかの精神医療科系の資格と、優良な格闘技術を有することが条件とされる。特別矯正教師とはいわゆる教師とカウンセラーと警察官の融合を目標とした縦割り行政的手法とはまたっく真逆な存在と言える。一種の教育現場におけるワンマンアミー的存在といえるだろう。
真由子は、体育保健の教員免許と精神療養士の資格を持ち、JLK(日本女子キックボクシング)の現日本バンタム級チャンピオンで、昨年のL1(Ladies of No.1)World Max大会、バンタム級世界チャンピオンでもある。特別矯正教師としても一握りのSGランクに位置付けられている。なお特別矯正教師のランク付けはSG(SuperGreatness)、G(Greatness)、N(Normal)、B(Beginner)となっている。
【聖光女子学園かぁ聞いたことあるな】禿親父の云った赴任先の学校名を思い出す真由子。
聖光女子学園は、歴史ある有名な私立女子学校、幼稚部から大学院までの超一貫教育を誇る総合教育学園だ。しかしここ数年に渡り極悪な不良グループが高等部を裏から牛耳り、過去に誇った超優良高校の面影を失いつつあった。
その状況に憂慮した卒業生の父兄関係者のとある大物政治家から文科省に対し極秘裏に環境矯正の依頼があり、事務次官の目の前でこの禿親父が簡単に安請け負いをしたらしい。まずは有名な教師やら専門家が学園に派遣され、その悉くが失敗におわった。そして満を持して派遣された特矯教師もまた不良グループの前に敗北を喫している。これは極めて異例の事態だった。
政治家と事務次官からの圧力が相当厳しいのだろう。2度の失敗に禿親父はかなり厳しい立場に立たされていた。もう3度目の失敗は許されない、次の失敗は禿親父の進退問題へと発展するだろう。それが禿親父にSGランクの特矯教師の中でも掌中の玉とも云える真由子を選任させた所以だ。
「いや よかった 引き受けて貰えますか いやほんとに助かりました」今真由子の前でしきりに汗を拭きながら、そんな独り言を呟いてる禿親父こそ、文科省次期事務次官候補のレースで先頭に立っている文科省高等教育局局長だ。まぁ完全な自業自得ではあるが、禿親父の未来は今や真由子の矯正の成否にかかっていた。
真由子にして見るとそんな事情は全く関係ないが、矯正現場が有名な私立名門女子高校であることが興味を引いており、この要請ははなっから引き受けるつもりだった。なおGランク以上の特矯教師は任務への拒否権を有しており、それは局長命令いや事務次官、大臣からの命令であっても拒否可能であり、過去に何ども拒否権を発動した実績のある真由子に、今回も命令拒否されることこそが禿親父が最も恐れていた事態だったのだ。禿親父と話しながらも真由子は事前に渡されていた調査報告の内容を思い出していた。
聖光女子学園高等部 内部調査報告 H112A0004.2
現時点で存在が確認された学園内の有力不良グループは3チーム。構成員数は約30名。
なお構成員の大半は、体育系のクラブを隠れ蓑にして活動中。
またこの3チームの上位組織の存在を確認。
上位組織名は、”鬼狂姫”構成員は2名。
佐伯沙羅 16歳 2年 生徒会会長 身長155 体重75
流山柚月 16歳 2年 生徒会副会長 身長162 体重47
上記2名以外にも”鬼狂姫”直属のメンバが存在する模様。詳細は調査中。
【生徒会の会長と副会長が 裏のボスねぇ 相当しっかり組織化されてるんだろうなぁ ”鬼狂姫”ねぇ ちょっと矯正しがいがありそうね】
「現場への赴任はいつになりますか?」そう云いながらニコっと笑う真由子、口許がほころびそこから綺麗な白い歯が覗く
いかがでした 第1話 使命
基本 状況説明でしたね
2話以降 やっと物語は進んでいきます
お楽しみね~
字下げやらの修正しました 字下げは初めて実施しました
この方がやっぱ読みやすいのかなかな