調律者ハニエル(神様のムチャ振り事件簿)
昔のそのまた昔まだ神様や悪魔や天使、あやかしや獣達が同じ世界で暮らしていた時代のお話です…
私はとってもキュートで可愛い天使
神様が作ったものが愛を育む為のお手伝いをするために私を作ったの
私の仕事は、神様から指令が来たらその種同士で仲良く出来る様にお手伝いをするのよ。
あと新しい生き物を創造し作るのも私の
お仕事なの
後調律者と言う面倒なこともやらされてるわ。
この前はユニコーンやペガサスも私が
頑張って作ったのすごいでしょ!
どうやってお手伝いをするかって?
それは私がとっても得意な魔法を駆使して
こっそりひっそりやるのよ
後は企業ヒミツなの
あっまた神様から手紙と指示書が届いたの
今度の任務は難易度 五つ星一番難しい任務の指示書が届いたの
内容は、長男の悪魔ルシファーと
次男ミカエルを仲直りさせて欲しい
ハニエルちゃんなら必ず出来る。
(頑張ってチョ !bye神)
私は指示書をグシャと握り締めて
「それはあんたがやりなさいよ~‼️」
と腹の底から怒りの叫びが出る。
その声は遠くまで木霊の様に響いていた……
次の日の朝
私はどうやったら天使と悪魔の争いが止まるのかを考えていた
「はぁ~。」ため息が止まらない
しょうがない本当は嫌だけど調律者の力を
持つアイツに、相談してみるか
一人だけでは難しいと思い協力してくれる
仲間を集める事にした…
今、私は呪文で悪魔に変装して地獄と天国の
狭間にいるケルベロスに空の方舟に乗り
会いにいく。
ケルベロスは天国と地獄の門番でもあり
私達天使や悪魔達の相談役でもある。
今日もケルベロスの前に将来の自分達に悩む
彷徨う者達が並んでいた。
私も仕方なくその列に並ぶとつぶらな瞳で
可愛い子供の天使が
「今日のご相談はここまで!あとの方は明日で来て下さい、おねがいします。」と
小さな看板を持ち列に並ぶ者達に
叫んでいた。
するとそれが気に入らないと天使の一人が「おいふざけんなよ!俺たちだって困ってんだ!お前みたいなガキじゃ話しにならねぇ、ケルベロス呼んでこい‼️」
と子供の天使に詰め寄る。
他の悪魔や天使達もその言葉に賛同して早く呼んでこいという怒号か至る所で飛び交っていた。
子供の天使が彼らの激しい怒りの声に驚き
涙目になって困っている。
子供の天使が怖い気持ちを抑え
「ケルベロスが明日には皆さんの悩みを聴いてくれるので今日はお帰り下さい。」
と必死で怒っている者達に伝えていた。
すると一人の悪魔が勇気を必死に振り絞り
大人達をなだめようとしている
幼い子供の天使の胸ぐらを掴み
「良いから早くケルベロスを呼んでこい!」
と睨みつける。
私も流石にこれはヤバいと思い子供を
助けるために胸ぐらを掴む悪魔に金縛りの
呪文をかける。
痺れた悪魔はその場に倒れ動けなくなっていた。
すると列の先頭から空間が歪む程の重圧共にけたたましい咆哮が聞こえ声の方を見ると…。
黒い閃光が走り子供の天使を脅していた者達の前に立ちはだかる。
浅黒い肌に柔軟な筋肉が全身を覆いまるで
ロダンの彫刻の様に美しく鍛え上げられていた。
私はちょっとイケメンだと
思いながら
美しい肉体を持つ一人の男の姿を眺めていると…
「汝達が悩み苦しんでいるのは分かる。」
「我も汝達が苦しみ傷付き、悩んでいるのは知っている。」
「しかし罪もない子供に怒りをぶつけては
ならん!」
「我も汝達の苦しみを少しでも拭える様に
努力する。」
「今日は家に帰りまた明日来てもらえぬだろうか?」
と怒り狂う者達に頭を下げて頼んでいた。
するとさっきまで怒り狂った者達が
「ケルベロスさん、こっちこそすまねぇ…
こんな子供に八つ当たりしてもしょうがねぇよな…」
そういうと涙目になっていた子供の方に腰を屈めて
「おじさん達が怖い事をいってごめんな。」
「俺達も天使と悪魔の戦争が続いて家族を
異世界に逃がしたくて必死だったんだよ。」
「また明日来るな。」
と言って天使の子供の頭を軽く撫でると
各々が自分達の居場所に帰って行く。
その姿を見てケルベロスが深くため息をして天使の子供に優しい声で
「ツクミ怪我ないか?」と
心配そうに声をかけると
ツクミはにっこり笑うと
「僕は大丈夫だよ!パパはお仕事に戻って早く他の人達を救って上げて。」
とケルベロスに伝えるとツクミを抱き締めて
ケルベロスは仕事に戻って行く。
ツクミは私の姿を見付けるとこちらに小さな羽根を羽ばたかせながら走って来る。
「先程は助けてくれてありがとうございました。」
「もしあの時僕が怪我をしたら父が怒り
大変なことになっていました。」
「失礼ですがお名前をお聞きしても宜しいですか?」
と丁寧に会釈をする。
私はあまりに礼儀正しく言われて恥ずかしくなり「名乗る程ではないので失礼します。」とその子から逃げる。
ケルベロスて言えば、時空間を守る門番で
神様から特別な力をもらっていて
本気を出せば
ルシファーやミカエルより強いという噂なの
現にある悪魔がケルベロスの逆鱗に触れ
神の力を解放したらその力のせいで地球に
氷河期が訪れ
恐竜達が絶滅したという伝説がある。
ケルベロス、めっちゃ怖くない?
でも本当はとても優しいダディなのね
私の神とは大違い!
今度ケルベロス様のつめの垢でも煎じた
お茶飲ませよっと。
しかし次元の狭間は地獄の火山にある。
火口近くが入り口だからめっちゃ暑い!
汗で服が濡れて皮膚に張り付き
超気持ち悪い!
今回の指令が終わったら神から休みもらって今度カスピ海で泳いで来よっと。
そんな事を考えていたらケルベロスが相談を終えて次に呼ばれるのが私の番になっている。
さっきの子供がいきなり目の前に現れて
私の手をとり「こっちです。」と引っ張る。
すると溶岩と砂漠だらけの場所から一面綺麗な花畑が広がり静かな風 が心地よく吹き
疲れた体を癒していく。
ケルベロスが中央にある大きな切り株に
腕を組み「お次の方どうぞ!」と私を待っている。
ツクミが「こちらにお座り下さい」といって透明な椅子を取り出した。
私はその椅子に座るとタプンと水の音がして冷たくて気持ち良い。
かなりレベルが高い精霊を使役していないと使えない物質凝固の魔法だと気付く。
多分水神クラスの精霊と契約してるわね
だって水をそのまま座れる様にするには分子レベルで操れないと無理なの。
何言ってるかわからないて思ってるわね。
考えてもみなさいよ!水に座ったら服とか
体が濡れるでしょ!それなのに一切濡れずに掴めて座れて冷たい感覚があるのは大変なことなのよ!
まぁ普通じゃんとか思ってたら
やってみなさいよ!
超難しいんだから!
まぁ私ならもっと凄いの作れるけどね。
それよりお仕事しないと…
「ケルベロスさんここに来たのはあるお願いがあって来ました。」
「黄泉の国にいる罪を裁く王がいると聞きました。」
「名前は、"閻魔大王"その方をこっちの世界に連れて来て欲しいのです。」
ケルベロスがそれを聞くと
「申し訳ないが今は異界から住民を連れて来てはいけないのです。」
「確かに我なら黄泉の国にいってその者を連れてこれるが、最近はルシファーとミカエルの戦いのせいで時空の歪みが酷い。」
「下手をすれば連れてきた住人が時空の叫びに割かれて消滅しかねないのです。」
「息子を救って頂いたのに力になれず申し訳ない。」
と申し訳なさそうに言うので私は
「私はあなたと同じ神から(フヘンノチカラ)を託されています。」
「私なら時空の叫びから守れる結界を張れるので気にせず黄泉の国から閻魔大王を連れて来て下さい。」
とケルベロス伝えるとわかったと頷き
連れて来る理由も聞かずに黄泉の国へ飛んで行く。
これを見てるあなたも私が何をしたいか
わからないでしょ!
まぁ見てなさい!ルシファーとミカエルの
戦争を止める為の秘策が私にはあるのよ。
さてと私も急いで準備しないといけないから行ってきます。
それから数日後…
あるチラシが世界中にばらまかれる
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ルシファーがなぜ天界を抜け地獄の王と
なったのか!
ミカエルがルシファーを討たなければ
いけないのは何故なのか!
真実を知りたい、誰が正義で悪なのか?
あなたも自分の目と耳で確かめてどちらが
正しいのかを…
地道天界最高裁判所で開かれる世界の命運を
かけた権力者達が出す魂の叫びを聞くのだ!
場所、時空の狭間裁判所前
裁判官、閻魔大王
主席証言者
魔王ルシファー、大天使長ミカエル
証言者、人間代表アダム、イヴ
悪魔側弁護人ベルゼブブ
天使側弁護人ガブリエル
観客料、無料
お食事はお近くにある
食事処喫茶ハニエルでお取り下さい。
総合最高責任者兼食事処喫茶
(ハニエルheart)店長
ハニエル,ミールジャルミ
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これを見た天界と地獄の者達が各々の意見を言い合っている。
「どっちが正義なのかだと!俺達に決まっているだろ!」
と天使達が怒鳴っている。
「考えてみたら俺達のボスて天使だったよな何で天使達と戦ってるんだろ?」
と悪魔達が話している。
天界と地獄がこの話題で持ちきりになる。
すると必然的に
魔王ルシファーと大天使長ミカエルの耳に
入る。
するとお互いの軍の指揮が下がり悩んでいた。
私は喫茶ハミエルで待っていると
カランコロンと赤銅色のベルがなり
二人の人物が店内に入って来る。
私はフリフリのエプロンをつけて可愛く
「いらっしゃいませ!ご主人様。」
と言って二人のお客様に挨拶をすると
一人の六つの漆黒の翼を持つ悪魔が
「そんなのはどうでも良い!貴様の目的はなんだ?」と私に憤怒の形相で詰め寄る。
するともう一人の六つの純白の羽を持つ天使が「ルシファー!やめるんだ!」と
悪魔を止めようとするが
悪魔は「離せミカエル!お前が俺に指図するな!」と天使の手を払う。
私は、悪魔に強く肩を掴まれ赤くなった肩をさすりながら、
「まずはお互いに名前を名乗るのが礼儀ではないかしら?」
「私は創造の調律者ハニエルミールジャルミ。」
「今回、神の命を受けて天界と地獄の争いを収めに来ました。」
と二人に伝える。
すると金色に輝く長い髪を後ろに手でかきあげながら
「私は天使長ミカエル、カームアルヌスと言います。」
「現在の天界を治めております。」
と伝えると今度は悪魔が威圧的に
「俺は大魔王ルシファー、カームアルヌスだ!」
「今は地獄と魔界を治めているがゆくゆくはこの世界を支配する。」
と話した。
私の考えた作戦、第一段階成功である。
お互いに自己紹介しただけだって
思ったでしょ。
人間界ではそうなのかも知れないけど
私達の様な魔力や霊力を持つ者の世界では
自己紹介は一種の契約なの。
最初に自分の素性を全て相手に伝え
相手も同じ様に真実の自分を
教えなければならない。
それを破ると恐ろしい罰が与えられるのよ。
この世界から消滅するとか魔力を失う等
色々なのよ。
私も一回だけ契約を破って嘘を相手に
話したら一月程魔力が使えなくなって
超焦った。
まぁ何にしてもこれでルシファーとミカエルと私はお互いに
嘘がつけなくなったていう事なのよ。
私は
「ここでは他のお客様に聞こえるので奥でお話しましょう。」と
二人に伝えお店の奥の方へ案内する。
ルシファーとミカエルは黙って私の後を
ついて歩く。
さぁここからが本番ね頑張ろうっと。
白い扉の前に着くと私は扉を開けて
ルシファーとミカエルに部屋の奥に進む様に伝える。
私は後から行くからと言うと二人は
廊下の奥へと進んで行った…
二人が歩いて行くと廊下の奥から話し声が
聞こえる。
廊下を抜けると広い部屋にたどり着く
二人は周りの状況を見て驚いていた。
目の前にある巨大な扉を二人がくぐると
凄まじい歓声が二人を包む。
古代コロッセオの様な建物にいる
沢山の天使と悪魔達が観客席でお互いの主である名前を叫んでいた。
「俺達の魔王ルシファー様だ!」
「キャー!大天使長ミカエル様よ!」
するとコロッセオの奥で巨大な机に
座る者が威厳のある声で木槌を叩きながら
「静粛に!ここは神聖な裁判を行う場所です。」
「被告人魔王ルシファー、大天使長ミカエルあなた達のお話をお聞かせください。」
と閻魔大王が二人を見下ろし睨みをつける。
魔王ルシファーが自分に命令する閻魔大王を睨み返して
「俺を見下ろし睨みつけるとは良い度胸だ!」
「地獄の炎で焼き尽くしてやろう!」
と言うと右手から全てを焼き払う黒炎の炎を生み出して閻魔大王に向けて放とうとするが
閻魔大王が
「喝!」と凄まじい霊力を解き放つと
ルシファーが力を奪われて地面に膝をつく。
自分の身に何が起きたのかルシファーは
理解出来ずにいる。
ミカエルは冷静に何が起きているのかを
分析していたがルシファーと同じく何故
力を封じられたのか分からず呆然としていた。
するとミカエルとルシファーの前に
先程までフリフリのエプロンをつけていた
ハニエル、ミールジャルミが二人の前に
現れる。
「閻魔大王様は、神から調律者の資格である(フヘンノチカラ)を授かっているからあなた達の力でも太刀打ち出来ないわよ!」
その事をミカエル達に伝える。
すると閻魔大王が
「左様、この裁判所では一切の暴力による
訴えは出来ない。」
「この場所ではお互いが真実を語る事により己を見つめより良い未来に向けて歩き出す。」
「その為の場所である。ここでは力ではなく
魂の叫びが勝敗を決める。」
そう言うと木槌を三回叩くとルシファーと
ミカエルは左右にある被告人席へと移動していた。
魔王ルシファーと大天使長ミカエルが
赤子の様に手も足も出ない様子を見ていた
ケルベロスの息子ツクミが眉間にシワを寄せて父親に
「パパ、さっきハニエルさんが言っていた、フヘンノチカラて何ですか?」
とケルベロスに尋ねるのでケルベロスは
ツクミの頭を軽くポンと撫でながら答える。
ケルベロス
「ツクミ、フヘンノチカラとは神ですら
その力に干渉が出来ないと言われている力のことだよ。」
ツクミ
「何で神様はそんな力を他の人に与えたの?」
ケルベロス
「私もその事を疑問に思っていたが一つだけ分かる事がある。」
ケルベロス
「神も万能ではない、故にいつか間違いをおかした時に誰かに止めて欲しい。」
ケルベロス
「私にフヘンノチカラを授ける時にその様な事を神は言っていた。」
ケルベロス
「神は自分が行っている事が正しいのか常に悩み苦しんでいた。」
ツクミ
「ふーん神様でも自分のことを不安に思う事があるんだね。」
ケルベロス
「だから我々、調律者達が神を支えねばならないのだよ。」
そう言うとツクミの方を見て笑っていた。
閻魔大王が
「これから天魔大戦に関する裁判を始める。」
「最初に被告人魔王ルシファーの話しを聞きたい。」
「魔王ルシファー、何故天使である貴方が、天界と戦争をしているのですか?」
「証言者前に!」と木槌を叩く。
するとルシファーが裁判所中央にある
証言台に一瞬で移動する。
ルシファーは魔王である自分が私にはめられて情けないとイラつきながら何故天界と敵対したのかを話し始める。
「俺が兄弟達や仲間と敵対する理由は、ただ一つ!神が人間という粗悪な生き物を守れと
俺達に命令したからだ!」
「人間は同族同士で殺し合い家族とて平気で騙し奪い合い大地を汚す汚く愚かな生き物だ!」
「俺の大切なものを奪ったのも人間だ!」
「そんな者の為に何人の同士が犠牲となったか…」
とルシファーが話し終えると閻魔大王が
「うむ、では大天使長ミカエルの話しを聞きたい。」
「何故兄ルシファーと話し合いではなく戦争という愚かな手段を取ったのかを聞きたい。」
「では証言者を変える。次はミカエル証言台ヘ!」と言いまた
木槌を叩くとルシファーが被告人席に戻り、ミカエルが証言台に移動する。
ルシファーの言い分を聞いて少し悩みながら
ミカエルは何故ルシファーと戦争になったのかを話し始める。
「戦争という愚かな行為に及んでしまった事は私の力不足に他ならないです。」
「確かに兄ルシファーの言い分も分かります。」
「人間は愚かな生き物だと言うのも否定は、出来ません。」
「しかし神が生み出した人間達の全てが悪だとは思えない。」
「人間の中にも弱者を守り自然を愛する者達がいます。」
「我等はその者達を慈しみ守る事に誇りにすら思っている。」
「そして兄ルシファーが愛するものを人間に
奪われたので人間を憎むのも理解出来ます。」
「しかしそれと関係のない者達を巻き込むのは間違っている!」
「我々は神に命じられ人間達を守り慈しむ様に言われてきました。」
「私達は神を尊敬し愛しています。」
「兄ルシファーも神を愛し尊敬していた。」
「それ故に人間を慈しむ神を許せず人間を
堕落させ人間の魂を使い悪魔達を生み出したのです!」
「兄ルシファーの魂を私は救いたい!」
「私は例え愛する兄に憎まれようとも、兄を止める為にこの剣を携え戦う決心をしたのです。」
自分に酔いしれながら、まるで舞台俳優の
様に裁判所にいる全ての種族に向けて話すと
苦悶に満ちた表情でうつむいていた。
その姿を見て傍聴人達の天使達と悪魔達が
「ミカエル様、頑張って私達も応援してるわ!」
「ルシファー様も人間に大切な者を奪われたなら怒るのも無理ないよな…」
「ルシファー様!俺達も大切な仲間や家族を人間によって奪われた事がある。」
「気持ちが分かるぞー!」
「ミカエル様の悩める姿も美しい!」
二人に向かい様々な声で応援と慰める声が
飛んでくる。
すると傍聴人達から
「結局一番、悪いのは人間じゃないか!」
「私達が争う意味なんてないのでは?」
「人間を滅ぼせ!人間を殺せ!」
と人間に対する憎悪の言葉が裁判所内に
駆け巡る。
閻魔大王が木槌を叩き傍聴人達に向かい
「皆さん静粛に!」
「ここは真実を導く神聖な場所です。」
「不用意な発言は慎んでいただきたい!」
その圧倒的な威圧感と共に発せられる言葉で
傍聴人席が静かになる。
閻魔大王が
「魔王ルシファーと大天使長ミカエルの意見長述を聞きました。」
「しかし貴方達が話したのは全てではない!」
「私には聴こえる。まだ魂が全てを話してはいないと叫んでいる。」
するとルシファー側の
弁護人悪魔ベルゼブブが閻魔大王に
「ルシファー様とミカエル様が話したのは、真実でありそれが全てです。」
「我々が争う理由等、本来はなく全て人間がきっかけでこのような戦争が繰り返し行われているのです。」
「閻魔大王様!我々は間違っていた。」
「敵は天使や悪魔ではなく人間だったのだと!」
「今こそ我々は共に手をとり人間達を滅ぼそうではないか!」
するとミカエル側の弁護人ガブリエルが
立ち上がり
「それは違うと思うぜ!」
「さっきもミカエル様が話したが全ての人間が悪では無いと。」
「それに俺達もそうだかお前ら悪魔達も
俺らの家族や大切な仲間を殺したよな!」
「その落し前はどうすんだよ!」
とベルゼブブに向かって言い放つ。
裁判所内は突如現れた二人の悪魔と天使に
ざわついていた…
私は魔力で裁判所全体に聴こえる様に
「この二人は証言者達の弁護をする弁護者です。」
「弁護者は自分の証言者が上手く話せない事を代わりに皆さんに伝えてより真実に近づく為のお手伝いをします。」
「ルシファー様には悪魔ベルゼブブが
ミカエル様には天使ガブリエルが弁護者として私がお呼びしました。」
「なので彼らの言葉は証言者の言葉でもあるので宜しくお願いします。」
と説明を終えた。
沢山の傍聴人に対して話すのは
内心ドキドキしてちょっぴり緊張したわ。
少し喉が渇いちゃたからなんか飲もっと!
閻魔大王が
「双方の言い分は理解した。」
「新たな証言者を呼びたいと思う。」
「戦争のきっかけと呼ばれている人間達の
代表アダムとイヴをこれから証人として召還したい。」
「準備が出来るまで一旦休廷とする。」
と言って木槌を叩く。
私はここまで考えた通りに物事が進むので
自分でも驚いていた。
やっぱり私って天才なのね!
さてと私は、お店の様子でも見てきますか。
私がお店に着くとズラーと長い行列が
出来ていた。
慌てて店内を覗くと私が召還した精霊達が
大忙しではたらいていた。
厨房で働く火の精霊と目が合うと
「エル!早く手伝って!」
「スゴいお客さんで、てんやわんやなの!」
というと風の精霊が私にエプロンをつけて「行ってらしゃい。」と手を振っていた。
すると火の精霊が私に
「ヘイ!ラーメン炒飯セット上がったよ二番テーブルに持って行って!」
と出来立ての料理を渡した。
働くのが嫌なのにと、精霊達の方を見ると
早く動けとスゴい目で睨まれた。
喫茶店を開いたのは失敗だったかもと
反省しながら作られた料理をひたすらに
運ぶ。
やっとお客さんがいなくなったと
精霊達と共に疲れて倒れていると
私を心配して様子を見に来てくれた
ケルベロス様が倒れている私に
「ハニエルさん大丈夫ですか?」
と言いながら抱き抱え介抱してくれた。
思わず心の中で"ウッシャー"と喜んでいた
すると聞き覚えのない優しい女性の声で
「貴方が私達の子供を助けてくれた、ハニエル様ですね。」
「家の旦那と息子が御世話になってます。」
「妻のウリエルと言います。」
と喜んでいた私の顔を見て優しく微笑むが
少し敵意を感じた。
私は奥さんがいたのかよ!と思いチッと
心の中で舌打ちして
「いえいえこちらこそケルベロス様とツクミ君には助けられてます。」
「良い旦那様とお子様がいらっしゃって羨ましい限りですわ。」
と愛想笑いで返すと
ウリエルが上品に微笑みながら
「ええ!本当に私は幸せ者です。」
「ハニエル様は今お付き合いされている方はいるのかしら?」
と私に喧嘩を売ってきた。
私は、売られた喧嘩は買う主義だ!
なので
「今は大切な仕事があってあんまり時間がないのでそういう相手はいなくて…」
「奥様もお家の事でお忙しいから大変ですわね。」
そう言うとウリエルが
「そうよね。私は愛する旦那様と息子の御世話だけしていれば良いけど…」
「ハニエル様はそういう訳にはいかないわよね。」
「やっぱり仕事で輝いている人は格好良くて羨ましいですわ。」
「でも女性は愛する人の側にいると自ずと
輝ける者なのよ。」
「ハニエル様にも良い人が見つかる様に祈っていますわ!」
=(;゜;Д;゜;;)⇒グサッ!!
と言い放ちケルベロス様とツクミを引き連れ去って行った…
何故か太刀打ち出来ず、私は完全に敗北していた。ρ(тωт`) イジイジ
さてと気を取り直して裁判所に向かいますか
◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼
裁判所に着くともうルシファーやミカエルが左右にある証言者席に座っていた。
そしてお互いを睨み合うベルゼブブと
ガブリエルの姿も見える。
閻魔大王が一番奥の扉から出て来て
15m程の大きな裁判官席に座る。
すると威厳のある声で閻魔大王が
「これから第二回天魔大戦の裁判を始める。」
「証言者、証言台へ!」
そう言うと木槌を二回叩くと二人の人間が
証言台に現れる。
一人は男性で沢山の傍聴人達から発せられる自分達への敵意を感じて女性の方を心配そうに見ている。
もう一人の女性の方は男性の事を信頼して
いるのだろうか、男性の方を見て大丈夫と
ほほ笑み返し閻魔大王の方を見ていた。
閻魔大王は
「証言者、まず名前を言って下さい。」と
二人に伝える。
すると男性の方が
「私の名前はアダム、そして妻の名前はイヴと言います。」
「今回天魔大戦に関して人間代表の証言者として呼ばれました。」
と閻魔大王にむけて伝えると
閻魔大王が
「では人間アダムとイヴ、貴方達が住んでいたエデンの園についてお話しをお願いします。」
というと二人がエデンについて話し出す。
アダム
「私達は神に作られエデンという場所で
住む様に言われました。」
アダム
「エデンは常に温かく雨も雪も降らず様々な植物が育てられているとても美しい場所でした。」
イヴ
「ですが私達はある罪を犯し神からエデンを追放されました。」
閻魔大王
「その罪とは何ですか?」
イヴ
「エデンの園には様々な植物が育てられていますが神様やその家族の作物もそこには育てられていました。」
イヴ
「私達は神様が決して食べてはいけないと
言われたのに善悪の果実を、約束を破り食べてしまいました。」
閻魔大王
「何故、神が食べてはいけない伝えたのにも関わらず食べてしまったのですか?」
すると閻魔大王の質疑応答を遮り
魔王ルシファーは怒りをぶつける。
「そうだ!俺が神の誕生日に渡そうと大切に育てていた愛するピューちゃんを何故食べた!」
「後もう少しで収穫出来たのに…」
とイヴに向かっていうと膝から崩れ落ち床にに座る。
ルシファーの落ち込む姿を見て
アダムが
「ルシファー様申し訳ありません!」
「ですが私達にも言い分があります。」
「実はある方に食べても良いと言われて
善悪の果実を食べてしまいました。」
というと閻魔大王が
「善悪の果実を食べて良いと言ったのは誰か教えていただけますか?」
とアダムとイヴに尋ねる。
すると二人は頷き声を揃えて
「その方はミカエル様です。」
「ミカエル様が私達に神様から許しをもらっているから食べて良いと善悪の果実を渡しました。」
裁判所内がアダムとイヴの発言により
ざわつきルシファーがミカエルの方を
睨みつける。
閻魔大王は木槌を叩きながら
「皆さん静粛に!」
「アダム、そしてイヴ、先程の発言に嘘はないですね?」
と聞かれアダムとイヴは「ハイ」と頷く。
閻魔大王は二人の魂を見透かす様に見つめる。
すると閻魔大王は
「確かに二人は嘘をついていません。」
「ミカエル、先程の証言に対して何か弁明はありますか?」
とミカエル側に尋ねる。
ミカエルは笑いながら
「兄ルシファーが神の為にと不器用なくせに顔に似合わず善悪の果実を大事そうに育てていた。」
「その果実が失くなったら兄ルシファーは、どんな顔をするだろうと思い面白半分で目の前にいたイヴに善悪の果実を渡しました。」
「昔私が大切にしていた黄泉の青い花をむしりとられた仕返しもしたかったので…」
そう言うとミカエルは慌てて自分の口を抑えるがルシファーの眉間に青筋を浮かび
怒りが肌で感じられた。
閻魔大王が
「ミカエル側の弁護者何か弁明はありますか?」
と言うとガブリエルは頭を抱え
「何もありません。」
と答える。
閻魔大王は
「証言者アダムとイヴお疲れ様でした。」
「貴方達の話しは聞けたのでお帰り下さい。」
と言い木槌を三回叩くと二人はどこかに消えて行った。
閻魔大王は
「では次にルシファー改めて聞きます。何故天界と争い人間達を憎むのですか?」
とルシファーに尋ねる。
ルシファーは、
「俺が天界と争い人間を憎む理由は神が人間ばかり大切にして俺の事をないがしろにするからだ!」
「だが一番憎むべき者は、俺の愛していた
ピューちゃんを奪ったミカエルだ!」
「天界もろともミカエルを滅ぼしてやる!」
そう言うと拳から血が滲む。
そして裁判所の傍聴人席から天使と悪魔達が
ざわめき初め
「俺達が戦争をしていた理由はたかだか一つの果実が原因だったのか…」
「そんな事の為に私達は殺し合いをしていたの…」
「信じられない…」
「何が大天使長ミカエルだ!」
「魔王ルシファーがたかだか一つの果実で
天界と戦争してたのか…」
「兄弟喧嘩だったら他所でやれよー!」
と怒りと不満を爆発させていた。
閻魔大王が木槌を叩きながら凄まじい霊力を放ち「静粛に!裁判はまだ続いている!」
というと裁判所が静まる。
閻魔大王はルシファーとミカエルの方を見て
「判決を言い渡す。両方自分勝手な言い分で多大な被害をだし計り知れない程の者達がこの戦争の被害者となり失ったものは大きい!」
「よってルシファーとミカエル双方に直ちに終戦と平和を築く様に命じる!」
「この判決に不服があればいつでも再審を
受け付けよう。」
「だかそれをすればお主達を慕う者達がいなくなるであろう!」
「これにて天魔大戦の裁判を終わりにする。」
と言って木槌を4回叩くと黄泉の国に戻って行った。
裁判が終わりルシファーとミカエルに
凄まじい罵声が浴びせられる。
恐らく天魔大戦は本当に終結に向かうだろう…
これで神の指令をこなした私は
一仕事を終えた自分へのご褒美にと喫茶店に
寄り精霊達と一緒に仕事の打ち上げパーティーをする事にした。
何か味気ないって声が聞こえるけど
とりあえず終わったんだからそれでよしなのよ!
一晩中大騒ぎをしてお酒を飲みすぎた私は時空間の狭間にある朝日を見てボーとしていた。
すると小さな子供がこっちに走って来る。
ツクミだ!
近くにケルベロス様がいるかもと思い急いで魔法で身なりを整えると
両手一杯に白い天界の花を持って息を切らしているツクミが
「ハニエルお姉ちゃん、天魔大戦を止めてくれてありがとうございます!」
「僕はいつかハニエルお姉ちゃんの様に
立派な天使になって皆の助けになりたいと思います。」
「そうなったらハニエルお姉ちゃん僕と結婚してくれますか?」
と天界の花の花束を私に
渡すと頬を赤らめて真剣な眼差しで私を見つめる。
ちなみに天界の花の花言葉は"永遠の愛を誓う"という意味で天使達はプロポーズをする時この花を渡す。
ここはちゃんと大人の対応をしなきゃ!
( ^ω^ )
と思いツクミと同じ目線になるよう屈んで
「ありがとう嬉しいわ!」
「だけどねこの花は受け取れないの。」
「ツクミ君が大きくなってもまだ同じ気持ちでいたら会いに来てね。」
そう言うとツクミの頭を軽く撫でる。
ツクミはしょんぼりしてうつむいているので
「お姉ちゃんと一緒にお菓子を作らない?」
「とっても美味しいから病みつきになるのよ!」
と話すとツクミは「うん!一緒に作る!」
と言ってお店に入る。
するとツクミの母親のウリエルが
「ハニエル様、朝早くにお休みのところ申し訳ありません!」
というので私は
「いえいえ、ツクミ君が沢山のフロリアミノリを持って来てくれたのでそれを使って紅茶とお菓子を作ろうかと思いますが一緒に作りませんか?」
とウリエルに聞くと
「是非にご一緒させて下さい!」と
笑顔で言うので少しウリエルの事を勘違い
していたのかもと思い一緒にお菓子作りの
準備を始めたが…
ウリエルが小さな声で
「息子をこんなアバズレに惚れる何て信じられない…」と言うとまた上品な笑顔で
「ハニエル様はお料理も上手なのですね!」
と言ってきた。
私の本当の戦いはこれからなのかも知れないと感じ弱肉強食の理を持ってウリエルとの
戦いに挑む事にした…
あっ神への報告書は後で書こうっと!
d=(^o^)=b
じゃあまたね




