ファンタジージャンルの剣
ファンタジージャンルの剣だ。
私が持っているのは、そういう剣だ。
この世界をホラージャンルとか、SFジャンルとか、ディストピアジャンルにしないための道具だ。
私が生きているこの世界は、いくつもの分岐がある。
たくさんの人たちが住む豊かな世界なんだけど、統治者に全ての管理を丸投げすると、ディストピアジャンルの世界になる。
他の世界から科学者を招いて、さらに発展しようとすると、SFジャンルになる。
そして、自分達が慢心して、すごいんだという気持ちに溺れ、同じ世界に住む人たちに優劣をつけて迫害しはじめると、ホラージャンルになる。
どの世界も、待っているのは最終的な破滅だ。
しかし、ファンタジージャンルの世界に分岐すれば、魔王を倒すために一致団結して、皆ハッピーエンドに終わるのだ。
だから、この剣はファンタジー専用の剣。
私は、手にいれた武器の設計図から、錬金術で剣を作成していた。
この武器の選択でこれからこの世界を待ち受けている未来が変わる。
魔王との闘いはそりゃもう大変でしょうがないだろうけれど、バッドエンドしかまってない他の分岐よりはましだ。
どれだけ過酷でも、ハッピーエンドに至る道があるのだから。