表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聖女召喚されましたが、一足遅く皆ゾンビになっていました。

作者: 冬原光


この国は100年前に奇妙な疫病が流行った。



病の収束が見込めず、神頼みしかなくなった王族は、ついに伝説にあやかって聖女を召還した。けれど、それはあくまで伝説でまやかしだったようだ。

何も起こらず、やがて人間の適応能力でなんとかなってしまった。


国を治める王族達がその疫病に迎合したのだ。王族は血縁関係が近いため、特有の遺伝子と相性がよかったのかもしれない。

やがて、その疫病を取り込んだものは不死の力を手に入れた。


王族以外は適合出来ず、病によって短命となった。不死の王族とその他の者達。

これによって、権力格差がより大きくなることになる。


時を超えて知識と経験を蓄え続ける王族達の権力はより強固になり、また戦いにおいても負け知らずでどんどんと国を侵略していった。


だが、盤石な権力を手にいれた者は傲慢になっていく。

より自分たちの富を増やそうと国民には無理な税収を課した。


さらに、王族の勝手な判断で見目麗しい平民や貴族は城に召集されて二度と戻ってくることは無かった。

城の中の王族しか立ち入れないエリアに行った者の悲鳴を聞いたという城の使用人の証言もある。

国がよくない方向に向かっていくのは、誰もが分かっていた。


そんな城に、名ばかりの役職である歴史学者として召集された、トマスという平民がいた。

歴史に関する書物を管理する者が就く仕事だ。

後世に正しい歴史を伝える者、または統治者にとって都合のいいものを伝える役割を課せられた者。

それが、この国の歴史学者だ。



けれど、歴史学者の存在は不要となりつつあった。

歴史を伝える口は、不死となった統治者達本人が出来るからということだ。


城に仕える歴史学者はもはや名ばかりとなった。

今までは名のある貴族の子息が務めていたが、その地位がどんどん下がっていくに連れて名乗りをあげる貴族の家がなくなり、今の代では平民であるトマスが勤務めていた。

平民ということもあり、周りの城に仕える貴族の者達からは雑用を頼まれ、こき使われていた。


けれど、本人はその状況に特に不満を持っていなかった。

歴史オタクだった彼は、城に眠る貴重な歴史書を読めるだけでよかったのだ。今では誰も寄りつかない書物庫に隙を見ては出向き、夜遅くまでむさぼり読んだ。


だが、その平和な日々は急に終わりを告げた。


突然、城の庭に大規模な魔法陣が出現したのだ。

城の者達があわてて飛び出してきて、騎士達がその魔法陣に向かって剣を構える。

稲光とともに、その中心に現れたのは奇妙な服を着た女だった。





それから三日。


「こちら今日の食事です」


トマスは持ってきたものを檻の下から差し入れる。

檻の中の人は、こちらに向かって歩いてきて尋ねた。


「あの……この状況よくわかっていなくて。今、私なんで檻の中に入れられてるんですか?というか、ここどこ?」


食事を受け取りつつ、彼女はトマスに涙目を向ける。


トマスはちらりと地下牢の入り口を見た。

護衛の騎士達はこちらを見ているが、決してトマス達に寄ろうとはしない。

怖いのだ。


彼女が入れられた牢は一番奥で、彼らから距離はあるから話し声は聞こえない。

トマスは雑用として彼女の食事の供給係を仰せつかっていた。

城の使用人も全員拒否し、『困ったときの』平民トマスが任命されたというわけだ。

とにかく食事を差し入れるだけでいいから、と言われていた。

学者の末席なのだから、何か分かったら教えろとも。


突然現れた摩訶不思議な存在の世話を押しつけられたのだ。


恐ろしがるところだろうが、目の前の彼女が震えながらこちらを見ている姿は哀れで、同情心が芽生えてしまう。

大騒ぎの中ここにぶち込まれたようで、ひとまず状況を説明することにした。


「ここはユニカという国で、あなたが現れたのは王城の庭。あなたが現れた途端、王族の者が大けがを負って、あなたはその犯人ではないかと疑われているのです」


「は、犯人!?というか、私はここに突然来ちゃって訳分からず……そういえば、誰か大声で叫んでましたね!?」


彼女は混乱しながらも記憶を呼び起こしているようだった。


「魔法陣の中心に出現していましたが、あなたは魔法使いではないのですか?」


「魔法使い!?え!ここファンタジーの世界ってこと!?」


「ファンタジー……?」


二人揃って混乱しながら会話をしていく。


「これってもしかして異世界転生ってやつ……?誰かに召還されちゃったとか?」


混乱しながら呟いた彼女の言葉に、トマスの頭の中であることが思い浮かぶ。

昔の疫病が蔓延したときに、神官達が国を掬う聖女を召還しようとしていたことを。

その時の書物には、かつては城の中に教会があり、その中心で儀式を行ったと。


もしかすると、彼女は。


トマスは絞り出すように言った。


「そう……かもしれません」


「え!誰に私は召還されたの!?」


「もうその時の者は誰もいません……おそらく、100年前の聖女召還の儀式が作動したのかと」


「ひゃ、100年前?」


彼女は呆然として、牢に備え付けていたベットにへたり込んだ。

トマスは続ける。


「けれどおかしいですね。なぜ今更?儀式は完遂されたはずだが、結局何も起こらなかったと書いてあったはずだ……あ」


トマスのつぶやきに、彼女は反応した。


「何?」


「他の書物でも、召還のことが書いてありました。伝説に出てくる聖遺物を召還しようとしたら、10年後に現れたという……もしかしたら、召還するものに応じて時差があるのかもしれません」


物より人、召還されたものがいた世界との距離。それに応じて召還に必要なエネルギーが必要で、実際に現れるまでに時間がかかるのだとしたら。


「じゃあ、私は100年の時差で現れちゃったってこと?」


彼女のつぶやきに、二人で見つめ合ってポカンとしてしまった。

暫く無言の時間が続いたが、初めに気を取り直したのは彼女だった。


「とりあえず、この世界とか国のこと話してくれない?」


彼女は座り込んでトマスの話を聞いた。

聖女がなぜ呼ばれたか、そして今の国の状況。


「それつまり、もう聖女は必要ないってこと?」


「まぁ……そうですね。今疫病には困ってませんし」


「無駄召還かい。じゃあ私どうやって戻るの?」


「それは……わかりません。もしかしたら王族所有の書物には書いてるかもしれませんが」


「王族所有の書物?」


書物庫にはいくつか欠けた書籍がある。

紛失したものか、破棄されてしまったものかはわからない。けれど、聖女召喚という特異な出来事に関する書籍が一つも無いのはおかしい。

なら、歴史学者のトマスですら閲覧出来ない場所にある可能性がある。


「絶対的な権力を得た王族に怖い物は無い。けれど、今は無くなってしまった教会に関することは王族の管轄外だ。その情報を秘匿し、自分達だけのものにしている可能性があると思いまして」


知識は力になる。それが限定されていれば価値も跳ね上がるのだ。


彼女はうなずいた。


「なるほどね……じゃあ、元の世界に帰る手がかりはもしかしたらあるかも知れないって訳だ。あと、私がこの牢に入れられたのって王族を怪我させたとかってことだったけど、そんな暴力振るったりはしてないけど」


「あなたは直接暴力振るっていません。おそらく、あなたの召還の際に使われたエネルギーが影響したのではないかと」


「それって私のせいじゃないってことか。無駄に牢に入れられてるってことかい!」


トマスと話すうちに、彼女の口調はだいぶ砕けていた。

彼女は頭を抱えてのけぞったが、ふと気がついて口にした。


「でも周りのみんなは大丈夫だったんでしょ?怪我したのは王族だけ?」


「そういえばそうですね。王族より前に出ていた騎士達は無傷でした」


「なんで?」


「なんででしょう」


二人で無言で宙に目線を向ける。すると彼女が呟いた。


「この国で疫病が流行って、王族がその疫病を取り込んだ的なこと言ってたよね?そして不死になった。……つまりそれってゾンビになった的な感じなんじゃ」


「ゾンビとは?」


「あ、この世界はないのか。生きたまま死んだ状態になるようなものなんだけど」


彼女はトマスにざっと説明した。

トマスは聞きながらうなずいた。


「たしかに……似てますね。あ、怪我したという王族は90年近く生きている方です」


90歳以上だが、青年のような姿をしている。時が止まっているようだった。

彼女は考え込み、口を開いた。


「これは異世界転生してきた人間のゲームとマンガの知識で推測するから、間違ってるかもしれないんだけど。王族の人たちゾンビになっちゃってて、聖女の聖なるパワー?で怪我しちゃったってことない?」


「ゲームやマンガというのがよくわからないですが……『ゾンビというものが悪しき者だとするなら、聖なる力を持つ聖女様の力で怪我をした』。その推測、一理ある気がします」


トマスはうなずいた。その時。


「あの女はどこにいる!」


大声が地下牢に響きわたる。トマスがその方向に目を向けると、そこには腕に包帯を巻いた王族のリシャールが立っていた。


「王族を怪我させたんだ。牢になど入れず、すぐに首を切り落とせ!」


彼はそばにいた騎士の剣をうばい、二人の元にズンズンと歩いてくる。トマスはあわてて立ちふさがった。


「リシャール様!今、彼女がどのような存在なのか有識者が集まって会議をしているはずです!この場で彼女を罰することは問題が!」


平民であるトマスが王族の前に立ちふさがるのは、その場で切り捨てられても文句は言えない不遜な行動だろう。


「そこをどけ!」


リシャールは邪魔なものをどかすように、トマスに向かって剣を振り上げた。

トマスは目をつぶって自分の死を待ったが、彼の背中からものすごい光があふれて彼を包み込んだ。


「ギャァアアアアアア!!!」


光の洪水の中でトマスの前から断末魔が響く。

薄目で見れば、リシャールが光に溶かされるように消えていく。その光景が恐ろしく、トマスは再び目を強くつむった。

瞼ごしにようやく地下牢の暗さを感じ、恐る恐る瞼を開いた。


そこには、人間の骨が転がっているのみだった。

その光景を目にして、リシャールの後ろにいた騎士達は失神してその場に倒れる者もいれば、叫び声をあげながら地下牢から逃げていく。


呆然として目の前の光景を見ていると、背後の彼女が言った。


「なんか……成功したわ。聖女の力って気合いなんだな……」


「え、今何をしたんですか?」


「分からないけど、あなたを害する者から守りたいって願ったら力が出た。……聖女の力はゾンビに通用するみたいね」


彼女はふむふむとうなずいていた。

やがて。階上が騒がしくなる。おそらく、逃げた騎士達が報告したのだろう。


彼女が叫んだ。

「やばい。人が来る前にここから出なきゃ。あの倒れた騎士たち牢の鍵持ってないかな。ゲームならこういう時あるはず……お願い!ここから出して!」


トマスはうろたえた。

彼女を助ければ、自分は反逆罪でともに処刑されるだろう。

けれど、ここで自分が助けなければ彼女は王族を殺害した罪ですぐにでも処刑されてしまう。

悩む必要なんてないはずなのに……。

振り返れば、彼女が牢の鉄格子にしがみついて、こっちをまっすぐ見て言った。


「100年遅れちゃったけど、私がゾンビ倒してあげるから!」


その言葉を聞いてから、トマスははじかれたように走り出した。倒れた騎士に向かっていき、彼の体をまさぐって鍵を探す。


動きながらも、脳の中では焦っていた。


何をやってるんだ。こんな事は身の破滅だ。


けれど、一方で違う思考も展開していた。

今、この国は破滅に向かっている。王族は自分たちのことしか考えていない。彼女の話が本当なら、消えたと噂されている者達は彼らに食われたのだろう。

そんなやつらが支配している国で生きていける人はいなくなる。

自分の目の前に、最悪な未来をひっくせるかもしれない返すジョーカーが現れた。


なら、使わなければ損じゃないか?


幸いと言っていいのかわからないが、トマスは孤児で迷惑をかけるような家族もいない。同僚だって自分を雑用係としか見ていない。


つまり、なんだって出来る身軽な存在ってことだ。

騎士の腰に鍵束がかかっていたので、それを取って彼女のいる牢に走る。


彼女は飛び上がって喜んだ。


「ありがとう!恩に着る!」


鍵を開けて、鉄格子がない状態で彼女と向き合ってトマスは言った。


「私も連れて行ってください」


「え?」


「あなたはこの世界に来たばかりで、よくわからないでしょう。一人で行動するのは大変なはず。先導役が必要です」


「でも、私は王族を殺した人間だから、ついてきたらあなたの立場が悪くなるんじゃ……あ、もう悪くなってるか。でもこれ以上状況を悪化させる必要も」


彼女の言うことを遮って、トマスは言った。


「歴史の転換点に立ち会いたいのです」


「転換点?」


「100年前の聖女召還で実際に喚ばれたというのも驚きですし、この国の中枢がすでに悪に染まっているとしたら、あなたの力でそれが書き換わるかもしれない。歴史が大きく動くときに、その最前線に立ち会える。それはきちんと書き残さなければ」


「責任感?」


「いいえ、自分の名前が後世に残るかもしれないという野望に近いです。それに、王族を滅ぼせば、彼らが隠していた書物も見つかるかもしれない。その中には、消えた歴史や、もしかしたら聖女召還の詳細がわかるかも。そこには」


「私が元の世界に戻る方法も載っているかも?」


「そうです」


彼女は少し考えて、そしてニッと笑った。


「わかった。これからよろしくね」


「えぇ」


二人、手をだして握手を交わす。


「そういえば名乗っていなかったですね。私はトマス」


「私は桜井美沙。よろしくね」


まずはここからの脱出だ。

もうすぐ異変を察した者達がここに来るだろう。


二人は騎士達の服を拝借して脱出することにした。

彼らの衣服をはがして身につけ、本体の方は空いている牢に放り込んでおく。


「さぁ行くよ!」


聖女と共に、歴史学者は一歩を踏み出した。






二人はそこから抜け出して、近隣の村まで逃げることが出来た。


「なんとかここまで来ましたね」


一息つくトマスに、美沙が答える。


「ようやく生きた心地するわ。現代日本人は牢屋とか慣れてないのよ」


「げ、んだい?にほん?……では、この後はどうしましょう?聖女の力を使うのに王族に近づかなければなりませんが……」


リシャールを滅ぼした時、光は牢屋の端までしか届いていないようだった。

王族は騎士達から厳重に守られていて、めったに城からも出ない。


美沙は考えながら言った。


「私に一つ考えがある。ゲームの定石だと、今の私は魔法を使いたて……つまり、レベル1の状態ってこと。そういう場合は単体回復しか出来ないはず」


「れ、レベル?」


「レベルを上げれば、全体魔法が使えるようになる。きっと魔法の射程範囲も増えるはず!つまり、安全違いでゾンビを滅ぼせるって訳よ!」


「もう……話が理解出来ないので付いていきます……」


そこから、美沙はRPGゲームのように動いていった。


まずは回復魔法のターゲットが必要だ。

その村の村長が腰が痛いというので回復魔法の練習台になってもらった。

村中の病気の人を治し、病人がいなくなったので、次の村に移っていった。

距離を練習するために、定期的に初めの村の村長も治した。


国中の街や村を渡り歩き、すべての病人を回復するころには国中に聖女伝説が広まっていた。


距離を稼げるようになったかを確認するために始めの村へと戻る。


回復魔法を掛けすぎて、もはや菩薩のようになった美沙が呟いた。


「国全体魔法がかけられるくらいにはレベル上がったみたいね」


共に旅して、歴戦の勇者のようになったトマスが返す。


「村長は順調に回復しているようで……そして回復しすぎたようですね」


初めの村に戻って、美青年が二人を笑顔で歓迎した。

親しい口調でこちらに話しかけたが美沙とトマスは「誰だ?」とばかりに顔を見合わせる。

そして村長です、と返されて腰を抜かした。


美沙が呆然と言った。

「回復する病が無いと若返るのか……現代に持っててエステ店開業してウハウハしたい」


「もうエステがなんなのかは聞きません」




そして、美沙とトマスはありったけの回復魔法を放った。

半日経つと、城の方で騒ぎになり、一息してから乗り込むと王族は全員消滅していた。


美沙は満足げに言う。

「ゾンビ全滅!!!これで帰れるぞ!トマス!後は任せた!!!」


トマスはそこから、城中の資料を読みあさった。

生涯をかけて見たかった歴史書に埋もれ、至福の時間を味わった。


ようやく美沙が帰る方法を見つけた時は、一ヶ月以上過ぎていた。


帰る前のついで、とばかりに新たに国を立て直すにあたって使えそうな現代日本の知識を教えていた美沙は、呆れながらトマスに言う。


「完全に私が帰る方法探すの忘れてたでしょ?」


「そんなことは……あります」


「素直でいっそいいわ。で、無事に帰れそう?」


「えぇ!お任せください!」


そこから、国中の魔術関係者を集め、100年前の召喚の儀の逆再生をする。

美沙は笑顔で手を振りながら帰って行った。




そこから、王族がいなくなった後の国の運営ははじめの村の村長がすることになった。

国の中枢で長く働いてた人間で、隠居をかねて近くのんびり村長ライフを送っていた人物だったのだ。

若返って戻った活気と長年の知識、そして美沙が授けた保険や公共事業の導入などを村長……もとい首相は取り入れて、国はかつて無いほど栄えることになった。


一年後、美沙から手紙が届いた。


召喚の際に、もし不足のことが起きたらと、小さい物質なら送ることが出来る召喚装置をもって帰ったのだ。

幸い、帰った世界は美沙が召喚された時から時間経過もさほど経っていなかったらしくすぐに順応したらしい。

そして、『ゲンダイニホン』には無い物質を持って行ったことで、『ナサ』という研究施設と取引をして、大金を得ることが出来たのだとか。


召喚されたユニカで怪我や病に苦しむ人々を救ってくれた彼女が、正当な利益を得られたことにほっとしていた。


今、彼女は悠々自適な生活を送り、与えられた資金を運用したりその利益で新たな人助けをしているのだという。


『別の空の下だけど、お互い幸せになろうね!』


こちらの世界にいたときに覚えた、ユニカの公用語で綴られたつたない文字。手紙からは美沙らしさがあふれていた。

そして、最後の一文を読んで、トマスは泣き笑いをした。


『私の手を取ってくれてありがとう。そして二人はそれぞれ幸せに暮らしましたとさ!めでたしめでたし!」


「私こそ、ありがとう。必ずハッピーエンドにしましょうね」


トマスはその手紙を生涯の宝物にした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ