表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/86

「13.6、成長。そしてヨシ(悪意あり)」

 ――ここは、理科準備室。

 薄暗く、静かで、どこか冷たい。


「え……またここ……?」


 滝川凌は気づいた。自分が動けない。


「滝川、観念しな。測るから。」


 背後から、低く落ち着いた声。

 佐々木早矢――鋼鉄乙女が、がっちりと大の字に羽交い締め。

 その大胸筋が凌の背中にむにゅりと押し当たる。


「や、やめてくれっ……!変なとこ当たってる……っ!」

「気にすんな。どうせ測られるんだ」


 そして――正面から、チラリと光る。


「正確な測定には、スチールメジャーが最適です。」

 メガネをクイッと上げる三ツ石真帆。

 笑顔。だが、目が笑っていない。


「では、測定開始」


【測定中:体感、異常数値へ】

「な、なんか……ムクムクして……あっ……」

 背中の早矢の圧がトリガーになって、“13.6の聖剣”が自律成長を始める。


「こ、このままだとっ……っ!!」

「測定に支障が出るので静かにしてくださーい」

 真帆、すっとメジャーを伸ばす。


「……15.2?」

「記録更新だな」

「や、やめろぉおおお!!恥ずかしい!!」


【その時】

 真帆「では――ヨシ。」


 カチャ。


 測定を終えた真帆が、なぜか指をふっと離す。


 バチィィィィィンッ!!!


 金属メジャー、フルスピードで巻き戻り。

 その先端が――


 “15.2の神話”に、直撃。


「がああああああああああああああああああああ!!!!!!!もげた!もげた!絶対もげた!!」


【現実】

 凌「うぶあああああああ!!」


 布団の中でのたうちまわりながら起き上がる。

 体は熱い。喉は渇いてる。

 そして――


「……なんか、出てる……」


 下腹部がほんのり湿っていた。


「うそだろ……?夢で……?」




 エピローグ:

 翌日、教室の黒板にはこう書かれていた。


『記録更新:15.2凌(参考値)』

 ※測定協力:S・H(羽交い締め担当)/M・M(メジャー事故犯)




 あとがき:

 青春とは、成長するものだ。

 ときに、15センチを超えて――夢の中で。


 それが測られたか、愛されたか、笑われたかは、

 本人の心だけが知っている。


 だが、真帆の“ヨシ”には確実に悪意があった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ