走れ変態犬 inspired by 太宰治
滝川凌は走っていた。いや、四つん這いで疾走していた。
なぜかって?女子3人からの命令を同時に受けてしまったからである。
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任務その1:早矢のスパイクシューズを取りに倉庫へ。
→ 途中、泥水の水たまりに顔面ダイブ。「顔洗ってきたら?」と言われ泣きながら続行。
任務その2:真帆の仁丹を購買部でゲット。
→ なぜかミント味が売り切れで「間違えたらトランペットで耳吹っ飛ばすからね」と脅される。
任務その3:澪の竹刀袋を体育館から回収。
→ バールが見えた瞬間、命の危機を感じて前足(手)に全力を込めて猛ダッシュ。
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「三人からのミッション…同時にやりきってこそ、真の忠犬ッ…!」
途中、物理室で骨格模型に衝突しながらも、凌は走った。四つ足で、心も身体も犬そのものに変貌しながら。
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そして遂に――任務を果たし、女子3人の前に正座(いや、犬座?)で帰還した。
「ワンッ……ご主人様方、ご命令の品、持ち帰りました……!」
真帆がくすっと笑った。「バカじゃないの。でも、えらい。」
早矢がちょっとだけ目を細めた。「……あんた、やっぱアホね。」
澪は無言でうなずき、竹刀袋を受け取った。
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そして、三人はしゃがんで、凌の頭を撫でてくれた――その瞬間だった。
しゃがみ込んだ女子たちの股間と、犬スタイルの凌の顔面が同じ高さに到達。
(な……なんという神配置……ッ!!)
(お、おれ……この瞬間のために走ってきたのかもしれない……ッ!!)
つい、鼻が反応してしまった。
スンスン……
「っ……あっ、澪先輩って今日……」
ドガッ!!バキッ!!トランペットのベルでフルスイングッ!!
バールが火を吹き、安全靴が飛ぶ!!
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結果、凌はその場で三途の川スレスレまでワープした。
川岸にいた仁丹の神様に「もうやめとけ」と言われた気がした。
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それでも、青春は、においとともにある。
そして凌はまた、四つん這いで走るのだ。
smell you later――次回、走れ変態犬2、開幕。
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