表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/86

におい道、ふたたび。~嗅覚マイスター修行録~

落選の翌日。教室の空気は、妙に静かだった。


滝川凌は、いつもどおり窓側の席で、いつもどおり教科書に鼻を近づけていた。

だが、心の中は――燃えていた。


「……くっ。足りなかった。修行が。」


3票しか入らなかったのは、誰も“におい”の真価に気づけなかったせいではない。

自分の嗅覚が、まだ未熟だったから。


そう結論づけた凌は、におい強化修行をスタートさせる。


昼休み、体育倉庫にて。


「……これは……バスケ部の靴下……塩分濃度高め、昨日の3セットゲームの証……!」


午後、トイレ横の廊下にて。


「男子便所の芳香剤の匂いの奥に、昨日の焼きそばパンの残り香……購買の田村先輩だな」


放課後、部室。


「女子更衣室の床マット。ここ、真帆がトランペット練習で踏んでた……間違いない、ラバーソールとあのマウスピースの香りが共鳴している!」


そんなある日、彼の机の中に一通のメモが。


《嗅ぎすぎ注意報発令中。鼻、大事にね。 ―誰か》


一瞬ドキッとするも、すぐに持ち上げて鼻を近づける。


「……これは……汗のミネラル系+ほんのり桜のボディシート……たぶん早矢……?」


鼻のトップランナー、今日も元気に嗅覚暴走中。


彼はまだ知らない。


このあと “におい探偵事件簿” と呼ばれる新章が始まることを――。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ