表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と異形の話  作者: 一般通過おじさん第1号
〜影を救おうとする者達〜編
6/6

第6話 突如君は現れた


その時、黒い空間が歪み出す。


町田「何だ!!何だよ!!!」


真っ黒な空間から1人の少女が出てくる。


少女「....ギリギリ間に合った。ごめんなさい、ここは私に任せて!」


その少女は15才程度の中学生に見える


篠山「誰だ....」


黒崎「ウチの生徒じゃない。」


少女「......やっぱり異形か、」


化け物は少女に襲い掛かる。少女は化け物に向かって空に指で円を描いた。

一同は円の軌跡に残像が見えた様な気がした。

そうすると化け物の周囲の空間はありえないほど振動し、化け物は頭を抱える。


少女「.....」


化け物は影に吸い込まれるでもなく、ドロドロに溶け出すのでもなく、初めから何もなかったかの様に目の前から消滅する。


神崎「ば、化け物が、」


蒼城「消えた....」


黒崎「.....」


少女「何で....」


少女は不思議そうに呟いた事を蒼城は聞いた


黒崎「お前....何者だ?何が目的だ?!」


黒崎は珍しく動揺する


少女「....ここじゃ何だから、場所を変えよう。」


全員は保健室に向かう



----保健室----


篠山「.....」


蒼城「まず貴方は何者?さっき呟いていた"異形"ってあの化け物の事?」


少女「私は"紫李(しおり)妖霊師(ようれいし)をしている人間だよ。

さっきのは、異形って言う怪物....君たちからすると妖怪って言う方がわかりやすいかな?」


蒼城「妖霊師(ようれいし).....」


黒崎「まぁ、化け物もいるんだし、あり得ない話じゃないか。」


町田「あの化け物を退散させたのは妖術的な力なのか?」


少女「うん。私の術で消そうとしたけど、直前で逃げられちゃったみたい。」


篠山「お前の目的は何だよ。」


紫李「目的は生存者の救助と異形の討伐。だけど、事態はかなり入り組んでいて複雑だったみたい。」


町田「入り組んでる?」


紫李「まず、この学校と現在起こっている事態について、話すね。」


紫李は少しの間を置いて話しだす


紫李「"君達がいるここは現実じゃない"」


蒼城「え?」


神崎「何ですと!?」


町田「どう言う事だ?」


紫李「君達はあの異形に精神を取り込まれたんだ。」


蒼城「精神?」


黒崎「ダメだ。話についていけん。」


紫李「簡単に説明するね。知っての通り、あの異形の体は黒い影みたいな見た目でしょ?

あの異形の体に触れると、精神がこの異形の支配空間に吸い込まれて肉体と精神が強制的に分離させられるみたいだね。」


蒼城「ここは一種のバーチャル世界ってこと?」


黒崎「バーチャル世界....」


紫李「まぁ、そんな感じ。どちらかと言うと影の中っていう感じかな。

異形が認識した範囲の世界を自身の影の中に構築してそこに相手を取り込む能力....っておばあちゃんは言っていたよ。」


黒崎「じゃあ、今の俺たちの体は精神の具現化....で良いんだよな。俺もこの手の話は詳しくはわからんが。」


紫李「実態がある様に感じるけど、ただの映像みたいな物だから物理的に存在はしてない。

夢の中の自分みたいな物と考えてくれたらわかりやすいかも....」


蒼城「夢の世界か.....」


神崎「現実の体はどうなってるんですか?」


紫李「あの異形の体の黒い影の様な物に覆われてる。

体は寝てる様な状態だけど、意識は戻らない。」


篠山「夢の世界みたいなとこなんだろ?ここで死ぬとどうなる?」


紫李「.....現実の肉体も死ぬ。精神に直接ダメージを受ける訳だから、ここでの死は心が壊れるのと同じ。二度と目は覚めないし、その体は抜け殻になる。」


篠山「......そっか。」


蒼城「智樹.....」


黒崎「あ〜そうだ。あの玄関の先にあったあの黒いのは、何なんだ?」


紫李「あれはその先の空間がないためにできたエラーだよ。

異形の支配空間も無限じゃなくて、この異形は精密にこの学校を再現した幻を作れる代わりに構築した物を完全に維持するには校庭にまで範囲を広げられなかったみたい。

だがらこそ、その先に世界が存在していないから壁や床なんかは物理的に壊れない仕組みになってたんだよ。」


蒼城「僕の憶測とは少し違ったけど、異形がここを破壊できるって言うのは間違ってなかったのか。」


紫李「あれは君の考えたら作戦?」


蒼城「うん。そうだけど....」


紫李「そうなんだ。凄いね、この状況下で作戦まで立てて冷静に行動できるなんて。」


蒼城「いや、そんな凄いことじゃないよ。ただ謎解きゲームが好きなだけだよ。」


町田「じゃああれ(黒い歪み)は出口か?」


紫李「あれはどちらかと言うと入り口....進入はできるけど出る事はできない。妖霊師なら開けられるけど、基本一方通行だね。」


黒崎「なるほどな....来てくれた事はありがたいが、さらに絶望が増したな。」


神崎「では、貴方でもここをどうすることもできないと言う事ですか?」


紫李「いや、出る方法はある。異形の支配空間内でアイツを倒せば、現実の異形も消し去れる。」


神崎「質問ですがこの様な場合、仮想空間を操る主が消滅すると、この支配空間とやらにいる我々も消えてしまうのでは?」


紫李「それは大丈夫。私たちは支配空間が無くなって追い出されるだけだよ。」












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ