表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と異形の話  作者: 一般通過おじさん第1号
〜影を救おうとする者達〜編
3/6

第3話 君は誰なんだ?

声をかけるがその声に反応する事はできなかった


篠山「!?」


その時、斎藤が滑り込む形で篠山を庇う。

その一撃は庇った事によって位置がずれ、斎藤の肩に少し当たる程度で済んだ。


斎藤「ヴッッ!!」


篠山「化け物...!?」


蒼城は駆け足で落ちている懐中電灯を拾った


蒼城「今だ!」


懐中電灯を化け物に向け、スイッチを押し、光を当てる。

化け物は苦しみ出した様にドロドロと崩壊していき、黒いインクの様に溶け出した。


蒼城「はぁ〜心臓止まるかと思った。」


篠山「ごめん油断した。斎藤すまん大丈夫か?」


斎藤「ああ!問題ない少し切れただけだ!」


黒崎「....」


蒼城「復活するのも時間の問題だ。保健室に戻ろう。」


篠山「お、おう。そうだな。」


4人は走り保健室の前まで来り、ドアを開ける。

中にはスマートフォンとタブレットで何かに集中しているザ•オタクの様な人がいた。


蒼城「...神崎くん!?」


保健室に入り、その人物を見つけると開口一番声をかける


神崎「ん?....蒼城殿?!」


蒼城「神崎くん!生きてたんだね!!」


神崎「驚きましたぞ!!まさか斎藤殿の次に出会うのが、蒼城殿だなんて!」


黒崎「2人ってこんな仲よかったか?」


篠山「...そうだろ?コイツらゲーム廃人だからな。」


蒼城「ここから生きて出られたら、24時間ぶっ続けでゲーム耐久をしよう!昨日良いのを見つけたんだよ!!」


神崎「それは良いですな!!小成(しょうせい)も知らないゲームとは中々に興味深いですなぁ。

ですが、蒼城殿「ここから生きて出られたら...」なんてアニメでは死亡フラグですぞ〜!」


蒼城「しまった...僕とした事が凡ミスを...」


斎藤「2人とも!そのゲーム耐久とやらには俺も参加して良いのか!?」


蒼城「良いよ!ゲームは皆んなでやったほうが盛り上がるし!!」


神崎「そうですぞ!小成(しょうせい)達の信条は"来る者拒まず去る者ちょっと追う"ですから!」


篠山「追うなや...」


蒼城「それに...」


黒崎「すまないが...そろそろ話しても良いか?」


態度にこそ出さない物のその声には怒りがこもっている


蒼城と神崎「あっ...すみません。」


黒崎「その手の話は出てからしてもらおうか...色々聞きたい事はあるだろ?」


蒼城「そうだね。まず一つ"僕たちが職員室に行ってから"何があったの?


少し言いずらい様に神崎が言い始める


神崎「御三方(おさんかた)が職質室に行かれてから、5分と経たない間にクラスメイトの田中殿の体から黒いヘドロの様な黒い物が出てきて、それが人型になり、化け物となったのです。

皆んな逃げようとするんですが、半分以上の生徒がバラバラにやられ、数人だけ廊下に出る事ができたのです。

ですが、化け物は素早くこのままでは廊下に逃げた皆んなもやられる筈だったのですが、相澤殿が皆を守ろうと1人で戦い。小成(しょうせい)達は相澤殿のおかげで逃げる事ができ、今に至るという訳でして。」


黒崎「なるほどな。相澤だけ死んでたのはそういう...それにしても、そんな状況で1人で立ち向かうとか...」


篠山「体から!?た、田中はどうなったんだよ!?」


神崎「田中殿はバタリと地面に倒れてしまわれて...死んでいるのか、体が腐敗していましたぞ。」


篠山「...は?嘘だろ。そんなん逃げらんねぇーじゃねぇーかよ?!」


黒崎「テレポート+即死か...恐ろしいな。固まんのは危険か?」


蒼城「いや、多分その能力には、結構厳しい制約がある。そうじゃなかったら、もう使ってると思うし。」


黒崎「なるほどな。だとしたら、その制約とやらに引っかからない様にしなきゃな。」


神崎「とは言え。能力に関して何も情報がない今、対策はできませんね〜」


篠山「急に出てきたらどうするだよ?」


黒崎「それは、詰みだな。もう諦めだ。」


神崎「そうでござるな〜」


篠山「お前らバカかよ。最後まで足掻けや。」


黒崎「何も情報がねぇー今、そんなこと考えるのは時間の無駄だ。例えるなら、巨大隕石が10秒以内に日本に落ちる時と同じ、何考えても逃げらんねぇんだから別の事に頭使え。」


篠山「お、おう。そうだな...」


蒼城は神崎の話に疑問も持つ


蒼城「ん?」


神崎「...どうしました蒼城殿?」


蒼城「化け物は生徒達を攻撃した...床を破壊したんじゃなくて?」


神崎「まぁ〜攻撃の過程で机やら椅子やらを壊していましたが、そこまで大規模な事はしていませんねぇ。」


蒼城「おかしい。僕たちがついた時には、教室の床が3階から1階まで破壊されていて、人...だった残骸が瓦礫に埋れていていたんだ。」


神崎「化け物は生徒を虐殺した後に教室を粉々に破壊した ...確かにおかしいですね。」


智樹「そうか?誰か生きてるかもだから、トドメを刺す為にぶっ壊したんじゃないん?」


蒼城「あの化け物見た感じ、知性がある感じがしないんだよね。目に映る物をただひたすらに壊す獣みたいに、暴走してる感じ。」


神崎「確かに小成(しょうせい)が見た化け物も自分に近い者と言うより、動き回っている者に飛びついて破壊する様な暴君に見えましたな。」


蒼城「...そこまでするかな?するとしても、最初にした方が良いような...」


黒崎「そういや、神崎...お前何で学校にパソコンとスマホあるんだよ。」


神崎「それは、いついかなる時も最新のアニメやゲームの情報を逃さなぬ為ですぞ。まぁ今はそんな事言ってられませんからね。脱出のための鍵を探していますぞ!」


神崎「ですが、外に連絡できないようでして、ここは圏外となってしまう様なのです。」


黒崎「どっか、出れそうな場所あったか?」


神崎「ないでござるね〜玄関や窓も開けられないどころか無理矢理壊すのもできない様でしたよ。斎藤殿の力で思いっきり殴ってもらったのですが、ビクとも...」


篠山「そう言えばよ。他の奴らはどうしたんだよ?逃げ出したんだろ?」


斎藤「すみません。逃げるで精一杯で誰が逃げたか...何人だったかも、あやふやでして。」


黒崎「いたのは確かなんだよな?」


斎藤「はい。それは確かですぞ!2人〜いや、3人?まぁ、その位はいたと思われます!」


黒崎「2、3人ね〜」


そう言って話していると日が暮れてきている事に気づく


篠山「もう夕方か。」


蒼城「...何か早くない?」


黒崎「あれだけの事があると時間の流れも早く感じるな」


神崎「....現在時刻、10月21日6時15分。」


蒼城「6時か...」


何かを考えているかの様に呟く


篠山「何だよ蒼城?何か気になんのか?」


蒼城「...うんうん。ゲームのやり過ぎで時間感覚がおかしくなったかもww」


黒崎「まぁ殆ど徹夜してたら体内時計も狂うわな。」


斎藤「そう言えばここで寝るのか?」


蒼城「そうだね。ベッドもあるし丁度いいし。」


神崎「それについてなのですが、夜はどうするのですか?化け物は神出鬼没...一体どこから来るかも...」


蒼城「それは大丈夫。全員交代交代で2時間ごとに見張ろう。起きている人が懐中電灯を持って、化け物が来たらみんなを起こして逃げる。」


神崎「化け物は光が弱点なのですか?」


蒼城「うん。現状わかってる情報だと強い光を浴びせれば一時的にだけど、倒せる。」


神崎「一時的と言う事はその後に復活するのですか...」


蒼城「光を浴びせたら、直ぐにその場所から離れて。」


神崎「わかりました。」


斎藤「よし!その作戦なら何とか出来そうだな!」


そして5人は互いの情報や作戦で話し合い、夜を迎えた。


蒼城「じゃあ、皆んなおやすみ。」


黒崎「夜は頼んだぞ。」


蒼城は保健室の電気を落とした。その時、保健室の外からの視線には誰も気づかなかった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ