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クワンティエンの夢  作者: 多谷昇太
この道や行く人なしに秋の暮れ

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あれですう、お坊様

僧が「ホーホケキョ」と真似て「鶯が鳴き始めましたね。私の時代は…い、いや、いにしえにはウーグイスと鳴いていたのですが時代につれて、人の恣意につれて、鳴き声は変わるものですね、ハハハ」と話をふって聞き手たちに一服をすすめるようだ。

「ほう、ウグイスという名が昔の鳴き声だっとは知らなんだ。云われてみればむべなるかな、ですな。ハハハ」お茶を飲みながら鳥羽が鷹揚に笑い、「憂くず、とそれを歌でもじってもいるのよ。漢字をのけて仮名がはやり出したころの話だけど」と部長亜希子が和歌の博学ぶりを披露しながら「ほら、梅子、口角泡を飛ばして、干ずってばかりいないで、お茶でも召し上がれ」と梅子のたかぶりを鎮めようとする。心配もしているのだ。また自分のジャスミンティーを僧にすすめるが「いやいや」とばかり手をふって僧は自分の水筒に口をつける。山中での水分は貴重なものと充分に自覚しているようだ。また亜希子の勧めを「ふん」と一蹴しながらでもお茶に口をつけた梅子が「こころから花のしづくにそぼちつつ憂く干ずとのみ鳥の鳴くらん(訳:自分から望んで花の雫に濡れておきながら‘ああ乾かない’とばかり鳥が鳴くのはどういうことだ)、古今和歌集の藤原敏行の歌でしょ、それって。ウグイスが昔の鳴き声だったという、いい証拠の歌よね。旅の雲水さんが知っていて、新歌人会の会長さんが知らないとはどういうことよ」となおも鳥羽をおとしめ、亜希子に負けじ魂を発揮するのはご愛嬌。「あれですう、お坊様。負けず嫌いのお方。サンドイッチもっと召し上がりませんか?まだありますよ」

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