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クワンティエンの夢  作者: 多谷昇太
白峰の巻き

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梅子は異常?

諌めるべきか、思い切って顔でも張ろうか、しかしやはりどちらも憚られる。心のどこかで梅子の激高のゆえをわかっている自分がいる。友として、あるいは母?…として?とにかくこのみっともないほどの梅子の様を本人に代わって忸怩とするほかはなかった。亜希子は無力げに僧侶の顔を見上げるばかり。一方亜希子とは違うがこちらも憤懣やる方ない風情なのが鳥羽で、ここでわしに仕切らせてくれれば万事さばいてみせるのに…と、不断に慈しんで来た社長としての、い、いや、会長としての裁断を示せないのが無念といった表情かおをしている。あきらかに梅子の言動は常軌を逸しているという、いわば梅子‘異常論’に完全にはまっているようだ。唇を真一文字に結んだままで無言でいた。

この2人を始め郁子や、全員の呆れ顔をそれと見取りつつ、東尋坊がやおら口を開く。しかしこちらはまったく異常論に組しないようだ。はたしてどこの誰とも知れぬ風来坊(?)に場をまかせて、取り仕切らせていいものか、だいじょうぶなのだろうか?

「ふむ、ふむ、ふむ」と3回も相槌を打って「なーるほど、感嘆の至りです、梅子さん。よくさきほどの観音にしても、このクワンティエンにしても、急所を突くものだ。さすがは特待生」とまず持ち上げてみせる。梅子は「特待生?…なんであなたがそんなことを知っているのよ」とはからずも毒気を抜かれる。確かに誰もそんなことは口にしていない、皆の視線を受けた東尋僧侶は「あ、そうでしたか?」とうそぶいて「いや、この論説、舌鋒の鋭さにさもやありなんと思ったばかりのことです。

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