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クワンティエンの夢  作者: 多谷昇太
白峰の巻き

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65/80

カ、カミナリが、落ちたーっ!

そのあたりが正解と皆も暗黙の了を示したようだが、ところがそれが梅子の急所を衝いたらしい。「梅子、もういい…ああ、もう!…」 

遅かった。いままでがカミナリのドロドロドロだっとするとついにピカッ、ガラガラガラと来てしまったのだった。

「こら、郁子、聞いたような口を利くんじゃない!未熟な後輩に諭されるほど私は鈍っちゃいないよ!だいたい今あんたが云ったことからして建前の、一般論なんだよ。日本人のお得意わざで、自分の本音は隠しておいて、い、いや、そもそも本音を自分でも自覚できないでいて、建前を自分の意見と錯覚するほどに日本人は毒されているのよ。本音と建前が日本人の精神構造そのものだ。差別意識そのものだ。矛盾を矛盾のままにしておける愚かさ、それに拘泥しないでいられる無知傲慢さ。これを正しく糾弾する者がかえって排斥されるこの世の中の…そ、その代表づらして、ものを云うんじゃないよ!」

「わ、わたしは何もそんなことまで…梅子さん、なんでそんなに怒るんですか?本音だの建前だの、思ってもみないことです」

梅子と郁子のこのやりとりは当然ながら梅子が非常識と断ずるほかのない皆の様子だった。なぜこれほど激高するのか、しなければならないのか、梅子はおかしいのではないか、と思うのが普通の見方というもの。さきほど来のこの梅子の様子にすっかり心を痛めているのが‘責任者’亜希子である。ふだんから同じような性癖を示すのはよくよくわかっていたが、ここ吉野に来てから、就中鳥羽や東尋僧侶に会ってからこの方、その荒れ方が尋常ではない。

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