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クワンティエンの夢  作者: 多谷昇太
クワンティエンの伝説

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いまさらダダイストでもあるまいし

しかしそう云う彼の目はいたって寂しげな、年に似つかわしくない、あたかも放り捨てられた子供のような目をしている。すれば一同すぐに彼における真実のあたりを見抜いてしまうのだった。おおむね彼に同情しながらも、取って付けたような、あまりにもわざとらしいその天衣無縫ぶりに吹き出しもしてしまう。いかに行雲流水をよそおうとも、またいまさら時代遅れのダダイストでもあるまいし、能力やスキル、また容姿や性格本位の、生き行くに実にせこい世の中であると、疾うに自覚順応している現代っ子の娘たちにとっては、決して受け入れられるような男の実態ではなかった。あまりにもなさけなく、弱すぎた。なにごとにも辛辣な恵美が「お、こ、じ、き」とやんわりながら無遠慮に決めつけてみせる。「止しなさいよ」匡子が諌めるがその実本人もまた眼前の男を僧形をしただけの住所不定の輩とでも認識しているようだ。梅子ではないがなぜこんな男をと、めずらしく亜希子を責める気持ちにもなっている。そしてそれは亜希子をのぞくほとんど全員の気持ちだった。それを察して『ほーれ、見なはれ』とばかり鳥羽がほくそ笑むのだがしかしもちろんその亜希子さえ翻意してくれるなら、こんな男なぞいつでも追っ払って見せるつもりだった。いま亜希子のやや興ざめしたような表情を確かめつつ、やおら鳥羽が始末をつけようと口火を切ろうとした刹那、思いも寄らぬ人物から待てが入った。梅子だった。

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