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クワンティエンの夢  作者: 多谷昇太
吉野の桜

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スザンナと老人

「安全って、あのお年寄りが私たち9人にどうしたって云うのよ。むしろ恵美なんかの方があの人にとって危険なんじゃないの?みんなの安全より、あの人の安全をはからねばならない義務を感じているわ、私は」「部長、そりゃないっすよ」「じゃ、じゃあ、みんなの決を取りなさいよ、決を。何だってあなたはいつもいつも一人で決めてしまうんだから。あたしはねえ…うっ」恵美も梅子もさえぎって「いいから、いいから。ほら遠くにバスが見えて来た。急ぎましょ、バス停へ。それから織枝と絹子、2人でクスクス笑ってないで、こっち、こっち」と亜希子が先頭に立って動き、その織枝と絹子、郁子と匡子に慶子が従った。梅子一派は渋々とその後に付いて行く。奈良交通バスの白い車体がコトコトと吉野道を上がって来てバス停で止まる。いかにも連携の取れた9人は次々と車上の人となっていった。



脚注:ここのエピソード名は1556年にヴェネツィア派のティントレットによって描かれた『スザンナと長老たち』から取って来たものです。それとこの小説全体への着想は万葉集の巻十六(三七九四)の歌から得ました。前ページにある「はしきやし翁の歌におほほしき九の児らやかまけて居らむ」ですね。スザンナの長老の方は好色で姦計を弄する怪しからん老人たちですが、はしきやし…の方は老い身を笑う9人の娘たちに「お前たちだっていずれは白髪が生えて年を取るのだ。その時に私と同じように若い娘たちから悪口を言われるだろうさ」とやり返しているのです。で、この小説における鳥羽老人はいったいどちらに当たるのかですが、実は両面を備えているのです。例の、有名な鳥羽上皇と待賢門璋子の逸話、そして白河上皇と待賢門璋子の逸話をお調べになれば自明なのですが、まあ調べずともこの小説を読み進めればもっとくだけた形でお分かりいただけるかと思います(それどころかプラスαも)。それではどうぞ次ページへとお進みください。

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