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魅惑のラインに惹かれて
三人が通っている学校は
結とは別の学年であるため別れた。
海斗と結は靴を履き替えるために下駄箱を開けた。
すると海斗の下駄箱の中には手紙が入っていた。
(なっ…なんだと…)
海斗は思わず動揺した。それも当然だ。
これまで17年間生きてきてこのようなラブコメイベントは発生したことがない。
オタク高校生にとってこれは儚き夢の事象であった。
その全て遠き理想郷的<アヴァロン>な出来事が今目の前に存在している。
これを逃すのはオタクの風上にも置けない。そう海斗は考えた。
(ふっ…俺にもついに…春が来たようだな…)
海斗はすべてを悟ったかのように天を仰いだ。そして手紙の封を開けた。
中身を見た瞬間海斗は数秒間フリーズした。
そして目立たぬよう気配遮断を行いながら、音速の速さである場所に向かった。