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俺は俺を知らない  作者: 僕は僕を知らない
2/3

優等生は一緒にいてほしいのだ

朝食を終え、三人は学校に向かう準備をしていた。

「今日から二年生か…」

海斗は部屋に戻り教科書をカバンに詰めながら考えていた。

そう、高校二年は大体ラノベの基本設定としてよく使われがちである。

その基本設定と同じ年齢になった今、一人のオタク高校生としては夢を見ずにはいられない。

「美少女転校生が来るということを!」

海斗は制服を勢いよく着ながら言った。

階段から降りると美夜と結がテレビを見ていた。

「何見てるんだ?」

海斗は二人に聞いた。

「占いだよ」

美夜が嬉しそうに答えてた。

「もしかしてよかったのか?」

「うん!2位だったの!」

海斗の質問に美夜はピースをしながら答えた。

反対に結の顔は少ししかめっ面になりながら答えた。

「私は7位だったわよ、せめて半分より上であってほしかったなぁ」

結のリアクションに苦笑しながらも海斗は聞いた。

「俺、いて座だけど何位だったかわかる?」

「まだ出てないよ」

海斗の質問に美夜が首を振りながら答えた。

とその時テレビの方が大きく盛り上がっていた。

「残るは、1位と12位になりましたー!」

「あんたまだ出てないわよね?」

期限を直した結が海斗を見ながら言った。

「ら…らしいな」

結の言葉に海斗は同様しながら答えた。

三人ともその結果に注目している

「それでは発表しましょう!結果は…」

ドラムロールがなり、緊張をあおる…

生唾を飲み、テレビを凝視する…

そして…

「結果はこうなりました!」

「1位は牡牛座の人おめでとうございます!」

「そして、残念…12位はいて座の人となりましたー!」

海斗は結果を知りその場で崩れ落ちた。

「そ…そんな…」

その様子に美夜と結は苦笑した。

「アハハ…ドンマイ兄さん」

「まぁ…時の運というやつよ」

海斗は崩れた落ちた体を起き上がらせながら再びテレビを見た。

「なぜ、12位なんだ?」

そこにはいて座の解説をされていた。

「いて座のあなたは要注意!大切なことをいろいろ忘れてるかもだから気を付けて!」

海斗はテレビの言葉をかみしめるようにつぶやいた。

「大切なもの?なんだろ…」

うーんとしていると美夜から声をかけられた。

「兄さん、とりあえずもう時間だから学校行こ?」

「それもそうだな」

美夜の言葉は最もなのでひとまず考えるのをやめて俺たち三人は学校に向かうことにした。

学校につくと周りからひっきり無しに挨拶をされる。

しかし、そこには当然目的が存在する。

今回の場合は、萩原 結である。

特に男子の連中からの挨拶が熱い。中にはもう一回すれ違ってくるやつもいる。

「萩原さんおはようございます!」

「萩原さんおはよう!」

それに対して結は、優等生の淑女のような雰囲気を醸し出し丁寧に一つずつ返している。

「おはようございます。」

「おはよう」

「もう一回挨拶に来てくれてありがとう」

結は学校では優等生として知れ渡っている。

故にそのイメージを崩さないように日ごろから気を張っている。

その様子を見て海斗はあきれながら言った。

「よくやるな」

その言葉に結を眉をピクっとしあきれながら返した。

「自分でもそう思うわ…」

結の様子に苦笑しながらもその時海斗の耳にある声が聞こえてきた。

「ねぇ、何で萩原さんと青木が一緒にいるわけ?」

「知らねえよ、そんなの」

「うける!不釣り合いって言葉知らないのかな?」

「ばかっ!きこえるだろw」

海斗たちを見ながら耳打ちしている生徒がいた。

それを見た海斗はやっぱりといった様子で再度結に言った。

「なぁ、やっぱり登下校別にした方がいんじゃねぇか?」

「それはない」

海斗の言葉に結は即答で否定した。

そして海斗をにらみながら続けて言った。

「私のこと知ってる数少ない人を逃がしてたまるもんですか」

「誰が何と言おうと私が楽しんだから一緒にいてよね」

その言葉に海斗は驚きながらも苦笑した。

「へいへい、精々サンドバックになりますよ」

結はその言葉を聞いて期限が治ったかのように笑いながら答えた。

「それでいいのよ」

そうした会話をしながら海斗たちは校舎中に入っていった。




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