それでも貧乳はすてぇたすである。
「終わったか…」
全てが暗闇の世界で男はそう言った。
「でも幸せだった…」
小さく、儚く、そして尊いものが確かに自分の中にあることに気づいた。
認識するのに大分時間が必要だったがそれでも最後に気づいたことに意味はあったと男は確信した。
時は遡って…
場所は現代日本
男は真っ暗な部屋でモニターを見ながら不敵な笑みを浮かべていた。
「ふふふ…最高だ…」
モニターには全裸の銀髪少女が潤んだ瞳がモニター越しにおねだりしていた。
「ご主人様…早く…来てください…」
男のテンションは最高潮に達していた。
「俺…もう我慢できないよ…」
男は汗を垂らしながら自分の服を脱ごうとしたその時…
「兄さん、起きて…」
可愛らしい少女が戸を開けた。
「「あ…」」
瞬間目があった。二人はフリーズした。
先に言葉を開いたのは男だった。
「おはよう!朝ごはんか?」
少女はフリーズにフリーズを重ね数秒後…
「きゃ…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
家中に少女の声が響いた。
「あー眠い…」
男は目をこすりながら階段を下りてきた。
名前は、青木海斗。高校2年である。
「もう、朝からなんて恰好していたの」
少女はあきれた顔でキッチンから料理を運びながら言った。
少女は、海斗の一つ下の妹。名前は結
「ごめんなさい」
海斗は申し訳なさそうに誤った。
「そもそもなんであんなことになってたの?」
結はパンをほおばりながら質問した。
「よくぞ聞いてくれた!」
海斗はパンを右手で掲げながら立ち上がった。
「実は、推しヒロインの新裏ルートをようやく見つけたのだ!」
「それってすごいの?」
結は首を傾げた。
海斗はフッと自慢げに言った。
「確率的には宝くじ1等が数回あたるぐらいだな」
「そんなに!?」
「当然だ!」
「そんなわけがないでしょ」
「ぐえぇ」
何者かが背後から海斗の頭を叩いた。
男の背後には金髪のロングヘアーの少女がいた。ちなみに貧乳である。
少女の名前は萩原 美夜
海斗と同じ高校2年
(貧乳は余計よ!)
「なんだお前か」
叩かれた頭をさすりながら椅子についた。
「なんだって何よ」
「黙れ、貧乳!」
「貧乳はステータスよ!」
「異論は認めん!」
「でも欲しぃ…」
美夜は自分の胸を確認しながら涙目に絶望に伏していた。
「結もそう思うでしょ…」
美夜は同情の眼差しを結に向けた。
「あはは…」
結は苦笑いするしかなかった。
そこに海斗は言い放った。
「知らんのか?結は着やせするタイプでそこそこあるぞ」
「なんで兄さんが知っているの!?」
結は恥ずかしそうにしながら驚いていた。
「俺の千里眼は全てを見渡す!(妹に限りだが)」
海斗は結の胸にロックオンし更に言った。
「最近は、また大きくなりサイズが合わないからブラがきつくなってきただろ!」
「なぜそのことを!?」
「言ったろ、全てを見渡すと!」
「さらには…」
「もうやめてぇぇぇぇぇ!!!」
結が海斗の口を塞ごうとしたとき隣からどす黒いオーラを放っている美夜がいた。
「ふふふ…」
「あの…美夜さん…」
恐る恐る海斗が美夜の顔を除くと美夜は狂気の顔をしていた。そしてノートとペンを取りだし狂喜乱舞のようにペンを走らせた。
「もういいわ!私の理想は全てこの中にあるのよ!」
描かれているのは巨乳の美少女ばかりだった。
「きゃはははははははははは!」
怪訝な顔をしながら海斗が言った。
「しまった…美夜のエンドレスゾーンが発動した…」
こうして騒々しく、そして創造しい朝であった。