第一章 第一話
---「緊急速報です。緊急速報です。我が国は、神聖ヴァステア連合が宣戦布告してきたため、国家非常事態宣言を発令。国家非常事態宣言により、陛下は、国家総動員の号令をかけました。我が国は、戦時体制へと移行。戦争状態に突入しました。繰り返します、我が国は、,,,,,,,」----
「そろそろかと思っていたが・・・・ついに始まったか。」
俺の名前は小蜂神哉。階級は少佐を与えられている。つい先月、第七水雷戦隊旗艦【文月】の艦長に着任したばかりだ。
現在、第七水雷戦隊は、領海の哨戒任務をしている。
先ほど、陛下が連合に対して、宣戦布告を発布なされた。宣戦布告直後だからなのか、嫌な予感がひしひしと背後から迫ってくるように感じる。というのも付近を航行中に近くの基地から発進していた電子偵察機【仙空】から、不審な信号をキャッチしたと報告があり、哨戒任務を切り上げ、不審信号をキャッチした現場に急行しているからだ。
「小鉢艦長。先行するVX‐1513コルベット【有明Ⅲ】有馬艦長から通信です。」
「モニターにだせ。」
「はっ!」
「こちらVX‐1513コルベット艦長、有馬です。現場海域に到着。特に気になることは…一個ありました。捜索レーダーに反応なし。不自然すぎるほど海が静かです。一応ここは、国際航路の近くなので、タンカーや漁船などはレーダーに映りそうですが、反応がありません。」
「そうか。こちらも急いで現場に向かう。周辺警戒を怠るなよ。」
「了解です。」
30分後
VX‐1513コルベットと合流した。
「僚艦へ通信。本艦を中央に配置した単縦陣へ変更せよ。」
「はっ!」
変更後
突然、サイレンのけたたましい音が艦内に響き渡る。
「CICから艦橋へ、CICから艦橋へ。右舷前方2時方向より敵ミサイル群をレーダーが確認。本艦隊に向け、急速接近中!」
「なにっ!全艦に第一戦闘配備。繰り返す、第一戦闘配備。」
「私と副艦長は、CICに移動する。操舵は城市航海長に任せる。」
「アイサー。」
移動後
「状況は、どうなっている?」
「敵ミサイル、現在本艦隊より距離900、本艦隊に向け接近中。」
「全艦に通達。距離700で対空噴進弾による迎撃を行う!」
「距離800、敵ミサイル第1波を確認。数6、目標を[a],[b],[c],[d],[e],[f]に設定。」
「設定完了。」
「距離700。対空噴進弾、発射始めー!」
「打てーーーー!」
「目標に全弾命中。続いて、敵ミサイル第2波を確認。数10、目標を[a],[b],[c],[d],[e],[f],[g],[h],[I],[j]と再設定。」
「設定完了。」
「距離700。対空噴進弾、発射始め!」
「目標[a],[b],[c],[e],[f],[I],[j]に命中!しかし、目標[d],[g],[h]以前接近中。」
「全艦、近接対空戦闘準備!対空機銃、主砲はレーダーと連動、迎撃始め!」
近接防空火器の発射音と何かを破砕したような音が2回鳴る,,,,,,,
「目標[d],[g]迎撃成功。目標[h]に抜けられました!VX‐1513に急速接近中!」
「VX‐1513、回避せよ、回避せよ。」
「こちらVX‐1513、回避不能、回避不能。助けてくれ、助け,,,,,,,」
その通信を最後に、突発音と爆発音がスピーカーから、断続的に聞こえてくる。
「VX‐1513からの連絡途絶を確認。VX‐1513轟沈しました。」
「ツっ,,,,,,,!救助隊を編成しろ。生き残った奴がいるかも知れない。」
「そして、VX‐1514にも通達。警戒を厳とせよ。第二戦闘配備のまま待機。」
「「「アイアイサー。」」」
30分後
「生存者確認できず!VX‐1513船員200人全員死亡を確認しました…。」
「なんてことだ…、畜生!」
そのように嘆いているとCICのレーダー員より、
「捜索レーダーに艦あり。捜索レーダーに艦あり。ミサイル発射方向に敵巡洋艦とおぼしき反応を確認、距離1200。」と通達される。
「なんだと…全艦に通達。第一戦闘配備、繰り返す第一戦闘配備!」
「艦対艦ミサイル発射用意。目標、敵巡洋艦。ミサイル発射数6。」
「了解。セル開放。艦対艦ミサイル発射6。発射準備完了。」
「打て。」
「了解。ミサイル発射、てーーー。」
セルの中から、ミサイルが飛び立っていく。
「敵巡洋艦、距離1100、敵巡洋艦発砲!VX‐1514コルベット狙われているぞ、回避しろ!」
「こちらVX‐1514、了解!取舵一杯!」
飛翔体が海面に直撃したような音が響く…
「こちらVX‐1514コルベット【有明Ⅳ】、艦長小岩井です。敵弾の回避成功。しかし、至近弾だったため各所で亀裂が発生。戦闘行動不能。」
「CICから艦橋へ、CICから艦橋へ、敵巡洋艦が回頭、撤退していきます。追撃しますか?」
「いいや、こちらも損害が激しい。撤退せよ。」
「「「了解。」」」
「全艦に通達。180°回頭後、最大船速で離脱せよ。」
「そして、周囲の水雷戦隊に救難信号。
【こちら第七水雷戦隊旗艦「文月」艦長小蜂少佐です。敵艦と遭遇、撃退したものの損害が激しい。救援を求む】。」
このあと、第二水雷戦隊に保護され、無事に帰港した。