姫様的指名手配
シリアスなんてなかったとかタグあるけどこれといってギャグはない。
つまり中途半端
題名はそんなに関係ない。
~ゼンside~
「むぅ・・・・」
わしは頭を抱えていた。
「どうしたものかのう・・・」
悩みの種は、もちろん娘のことだ
あの衝撃婚約を少年が迷いなく断ったあと、ルナは自室に篭もりっぱなしじゃ。
ちなみにルナというのは髪が月のように綺麗だからという理由でついたあだ名であり、本名は別にある
やはり断られたのがショックだったのか。
ルナが男に夢中になるのはこれが初めてだしのう・・・。
何にせよ、あの少年にもう一度合わねば。
バンッ!
「王様、失礼いたします!」
「なんじゃ、どうした?」
一人の兵士が随分慌てた様子で部屋に入ってきた
「姫様が・・・姫様がいなくなりました!」
「なん・・・じゃと・・・?」
「メイドが姫様にお食事を持っていった時には既におられなかったそうです・・・」
「城の中は探したのか!?」
「はい! ですが見つかりませんでした!」
今は朝。
抜け出したのならば昨日の夜・・・。
「・・・おそらく、昨日の少年の所か・・・」
この王様、勘がいい。
「よし、捜索隊を出せ! まだこの近くのはず」
「わかりました!」
バタバタバタ...
兵士が出て行ったあと、ゼンは一人、ため息をつく
「本当に、困ったものじゃのう・・・」
~side out~
「・・・・ん・・」
瞼越しに光が指す
まぶし・・・
「朝、か?」
体を起こし、窓を見るとすっかり明るくなっていた
「んー、リアさんはなんで起こし・・・あー。そゆことね」
横を見ると、リアさんがすやすやと寝息を立てていた
一緒に寝ちゃったわけね
「リアさーん。朝ですよー」
「んんぅ・・・」
ゆっさゆっさ
「んーうー」
唸ってる。
「起きてー。置いてくよー」
「んー・・・んはっ」
お、起きた
「おはよーございます・・・柚樹さん」
「おう。おはよ」
眠たそうに目をこすりながらも朝の挨拶をしてくれるリアさん
「さ、身支度して下に行くよ。朝食食べ逃してしまう」
「はぁーい」
ブルルルルルルルルル
「お? 電話?」
「もしもーし」
「もしもしー。おはよー」
「おはようございます、どうしたんですか?」
言わずもがなシノさんだ
「いやー。そのー。・・・リアちゃん、返してもらっていい?」
「・・・急にどうしたんです?」
「仕事が少なかったから一人でも大丈夫かなって思ったけど・・・いきなり増えちゃって・・・」
つまり手伝いが必要と
「あー、はい。分かりました。でも俺だけじゃ決められないのでリアさんに代わりますね」
「うん、ありがと」
横で「んみゅー」とか言いながら伸びしてるリアさんに携帯を手渡す
「シノさんから」
「・・・なんでしょう」
戸惑いながら携帯を耳に当ててる
「え? 戻るんですか?」
「うぅ・・でも・・・」
「! い、行きます! 行きますからぁ!」
シノさん何言ったし
少々涙目で通話を切り、俺に渡してきた
「では・・・少しの間戻りますね・・・すぐに帰ってきますので」
「おっけー。がんばって」
そう言ってリアさんの頭を撫でてみる
「あっ・・・・ふみゅう」
気持ちよさそうに俯いてる。良かった、振り払われてたらもう一回寝るところだった。泣きながら
「では、行ってきます」
顔を上げてビシィッと敬礼してるリアさんに俺も敬礼を返す
次の瞬間、リアさんはいなくなっていた
******
階段を下りて食堂に行く
カウンターと同じ、一階にある。
「おはようござい・・・・ま・・す?」
「あ、起きましたね。早速ですが、お客さんですよ」
にこやかに言う自称成人の少女の横には
「あ、お早う御座います。旦那様」
昨日の金髪姫様がいた
「・・・・・・・えぇー。」
追いかけてきやがったのかチクショォー!
しかも旦那様ってなんだよお前の夫になった記憶はねぇよ
「俺はあなたの旦那ではないんですが・・・」
努めて冷静に反論
「あぁ、すみません。これからなるんでしたね」
いやなんねぇよ
「まだ身を固めるには早いというか・・・結婚する気はないんですが」
「何言ってるんですか、婚約なら何歳からでもできますよ。うふふ。あなたにその気がなくても、ね?」
ぞわわっ
やべ、これやべ。
「あー、結婚は双方の同意が必要ですよ・・・すいません、朝食お願いできますか」
「はい、今お持ちしますねー」
でも朝食は食う
食卓の椅子を引き、そこに座る。食堂には俺達以外いない
と、姫さんも横に座る
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私はサーナ・ディア・ストールと言います」
サーナとお呼び下さいませ、とおそらく男性なら見とれるであろう笑顔を向けてくる
俺は恐怖の感情しか沸かないが
ていうかルナじゃないのかよ。面影すらねぇよ
「俺はユズキ・ハラカワだ。して、何故ここに来た」
もう敬語やめた
「それはもちろん、ユズキ様に会うためです」
・・・
「・・・どうして、ここが分かった」
ここは結構入り組んだ場所にあるはず
行き先を知っていたならともかく、それこそ後をつけるかしないと・・・
「ずっとユズキ様をつけていました」
「・・・・」
ストーカーですか・・・
「・・・とにかく城に戻れ。王様も心配してるだろ」
「関係ないです。私はユズキ様のお傍にいたいのです」
これ聞いたら王様泣くぞ
ギルドに行くから来るな。
と言いたいとこだがこういうのに行き先を教えてしまうと何が起こるか分からない
「捜索隊とかも出てるはずだ、すぐに戻ったほうがいい」
ここはどうにかしてお帰りいただかないと
「どうしてですか? そんなに・・・嫌ですか」
あ、空気が黒くなった。
目が虚ろ、ぎゅっと拳を握っている
言葉をミスると暴走しかねん・・・宿に迷惑をかけるわけにもいかない
「嫌、ではない。たださっきも言ったとおり俺にはまだ早いしやらなくちゃいけないこともある」
「だから、もう少し考えて、待って欲しい。せめて・・・俺が20歳になるまでは」
ヘタレ? 卑怯? 何とでも言え
まだここで終わるわけにはいかないんだよぉ!
「そう、ですか・・・・分かりました。でも、私の気持ちは変わりません。何年経っても」
―ずっと、待っていますから。
そんな強い瞳を向けてくる
そうだよな。狂っていたり、歪んでいても好意を向けてくれているのに変わりはない
でもサーナにはもっと広い視野で世界を見て欲しい。俺よりいい人も見つかるだろうから
「じゃ、飯食っていけよ。それくらいは奢るからさ」
「はいっ! ありがとうございます!」
食卓に2人分の朝食が置かれる。
話を聞いてたみたいだな。この人
向かいにはニヨニヨとした笑みを浮かべた少女。やめろ、こっち見んな
「・・・いただきます」
「なんですか? それは」
こっちにはないのか
「食材になってくれた、命への感謝だよ」
「そうですか・・・ユズキ様はお優しいのですね」
ついいつものでやってしまっただけなんだがな
「いただきます」
サーナも手を合わせ、同じことをする
それを見ながらもっとニヤニヤする少女。
「・・・そういや、名前。お伺いしても?」
「あぁ、そうでしたね。私はアリムです、成人してます。」
大事なところだと言わんばかりに成人を主張するアリムさん
ちなみに貴族やら王族が苗字を持っています
「すまない・・・ここに黒髪の少年が・・・・姫様!」
あ、捜索隊来た
******
あの後、サーナにはお帰りいただいた
兵士っぽいのにめっちゃ睨まれた。絶対マークされてんなこれ
俺も来いって言われたけど用事があると言って断った。
俺を捕獲しろとは言われてなかったらしく、それだけで帰ってくれた
「さぁて、ギルド行きますかね」
「その年でギルドですか、頑張ってくださいね」
それはあなたも・・・・あぁなんでもないですごめんなさい
睨まれた
一旦用意するために部屋に戻る
というかこの宿には俺以外いないんだろうか。やけに静かである。
出かけてるんだろうけどさ・・・
さてと。いい加減服を作ろう。風呂はさっき水系の魔法を創ったからいいとして
黒のジーンズに白のTシャツ。それに黒コートを能力で創る
こだわりは特にないのでこんなのでいいだろう。センスとかないし
異世界風の服? 知らんよそんなの
次は武装だ。いちいち創るのもあれだからな
コートの内側と腰のベルトにホルスターがある。
まずM1911、通称コルト・ガバメントを2つ創造。
腰のホルスターに装備
マガジンをいくつか創り、コートの内側に入れておく。
メイン武器だけど・・・うーん。持ち運びがどうしても背負うって形になるんだよなぁ
・・・街で大剣背負ってる人もいたし、まぁいいか
SA58を創造、スリング(銃を背負うための紐)で背中に背負う。
スリングの胸の部分にポケットがあるのでそこにナイフを入れる
後はコートの中にSA58のマガジンも入れて、準備完了
その場で軽くジャンプしてみるが、重さは感じない。流石チート身体能力
「よしっ」
気合を入れて、ギルドに向かった
今回は銃の名前だけ出せました。次回はギルドで依頼を受ける予定。
ガバメントは最初ベレッタでした。
でも写真見てガバメントに一目惚れしたのでこっちで。
スリングは別名ショルダー・ストラップです。
さて、どんなモンスターを出しましょうかね