全部混ぜると黒になる
矛盾と短い2時間クオリティ。
ストックなんてないのでいっつも一からの書き起こし。
そろそろ設定とかちゃんと整理しないとヤバそう。
「だが断わぁる!」
どうも、おじさん相手に一度は言いたい言葉ランキング消化中の柚樹です
「え、えぇー。そうか・・・入ってくれると助かったんだが・・・」
「んにゃ、入るよ」
「どっちだよ!」
この人、中々ノリがいいようで。
「でも、何で俺がギルド入ってないって分かったんだ?」
「あぁ、『爆炎』の名を聞いても反応しなかったからな」
「それだけ?」
「後、あいつ以上の実力者なら二つ名持っているはずだしな」
大体のやつは二つ名叫んで自慢するんだよ、と苦笑いするギルドマスター
「それじゃ、案内してくれ。こっちもちょうど行くところだったんだ」
「おう、分かった。こっちだ」
歩き出すマスターの後ろをついていく
にしてもここらへん道が複雑だなー。迷いそう
「柚樹さん。ギルドに入ったら、どうされるんです?」
「まずは金稼がないとな。どこに行くにしても、少しはここに滞在するだろ」
「あ、お金ならシノ様からいくらか貰ってますよ」
まじで?
「お小遣いとか言ってましたけど・・・わっ。白金貨まで入ってる」
「・・・検索、この世界の通貨」
脳内検索。
この世界の通貨は銅貨、銀貨などと呼ばれており、円などの共通の単位はない
安い方から
銅貨 10円
銅板 100円
銀貨 1000円
銀板 1万円
金貨 10万円
金板 100万円
白金貨 1000万円
となっている。円換算はあくまで大体だ。
てか白金貨やべぇ。そんなんお小遣いとかすげぇ
ちなみに白金はホワイトゴールド(金がベースの合金。白金の代用品)ではない。
本物のプラチナである。
リアさんから白金貨を受け取り、指で弄ってみる
結構重い。
「えっと・・・白金貨が10枚、金貨が100枚、銀貨が100枚ですね」
ごそごそとバッグを探りながらリアさんが教えてくれた。
「それ・・・重くないのか?」
「大丈夫ですよ、このバッグには重さの概念がありませんから」
何その素敵アイテム。今度作ろう
「よし、ついたぞ」
前を歩いてたマスターがこちらを向く
慌てて白金貨を後ろに隠す。見られちゃダメな気がした
「ありがとうございます。んじゃ登録してきますね」
そっと後ろ手でリアさんに白金貨を渡してギルドの扉に手をかけた
ギィィ...
いい感じに軋むね、このドア
中は、右手に窓口っぽいのと左手に酒屋があった。
酒屋ではごっついおっさん達が飲んでる。
まだ日は暮れてないぜ? 依頼いけよ。
ちなみに今4時か5時くらいだな
「すいませーん。登録したいんですがー」
無事絡まれることもなく窓口っぽいところに来れた。
「はい、新規登録ですね。ではこちらの紙に必要事項をお書きください」
事務口調で登録用紙と羽ペン、インクを渡してきた。普通のペンとか無いのね
名前、出身地、年齢、魔力量、属性。これらが記入事項
他に加入理由とかあるけど書きたきゃでいいっぽいな
ん・・・?
俺文字読めてんじゃん
まぁ、知識とかが追加されてんだろな
名前は・・・反対にして、ユズキ・ハラカワ
出身地は・・・適当でいいや。遠い田舎。
年齢、偽らずに15歳。
さて、魔力量と属性だ。
「俺、自分の魔力量と属性知らないんですが・・・」
「分かりました、こちらへどうぞ」
測るんだろうか。
「そういやリアさんどうすんの? 登録する?」
「私は・・・いいです、遠慮しておきます」
「そか」
案内された部屋の中に入ると、水晶が一つ置かれていた
「この水晶に手を触れて、魔力を流してください。色が属性、光の大きさが量です」
光るっぽいね。
でも魔力流せって・・・できるかな?
えーい、やっちゃえ。なんかこう、放出する感じで。
ギュィィィィィィィ.....
水晶が黒一色に染まり、怪しい光が輝度を増す
「く、黒・・・? どういうこと?」
窓口のお姉さんがあたふたしてる
「なんと・・・全属性か!」
後ろでマスターの声が聞こえる。いつ入ってきたあんた
「全属性!? そんなの聞いたことありません!」
あ、そうか。全部混ぜて色が黒になったのか
そんなことを思ってる間にも光はどんどん強くなり
パリィーン!
砕けますた
「・・・ぃってえええええ! 刺さった!」
そりゃ至近距離で砕け散ったんだもんな。刺さるわ。痛い。めっちゃ痛い
とりあえず治療。
「えーと、『治りやがれ』」
傷がなかったかのように元通りになる
たった今作ったオリジナル魔法。何があろうが治ります
結構作るの簡単だね、魔法言語を操って構成を組み立てればいいもの。
まぁ、知識と能力のおかげだが
「なっ・・・砕けた・・・・全帝ですら割れなかったのに・・・」
あ、俺魔力無限だった。忘れてたわ
「しかも今の魔法・・・これは国王に伝えねば!」
!
シュッ バァン!
部屋を出ようとするマスターの前に回り込んで
「報告したら・・・このギルド、潰しますよ」
少々睨みつけながら、マスターに建物撤去予告を告げる
能力使えば一瞬だろう
「えぇっそれ困る・・・でも3属性以上は報告しろって言われてるし・・・」
「つ、ぶ、し、ま、す、よ?」
これでもかってくらいに睨んで言う
「あ、あぁ。分かった・・・」
必死さが伝わったのか渋々了承してくれた
「でもなんでそんなに嫌なんだ? 名誉なことだろうに」
「自分はまだ自由でいたいんです」
いつぞやの使い回し
それに城に戻ったら姫さんに捕まる。
「確かに君は若い・・・まぁ、いいだろう。でもいつか決心がついたら言ってくれ」
「えぇ、分かりました」
一生ないけどな
「じ、じゃあ、登録の続きをしましょう。次はランク試験ですが・・・」
軽く涙目のお姉さんが話しかけてきた
ごめんね水晶割っちゃって
「いや、その必要はない。こいつは俺の推薦でBランクだ」
「マスターの推薦で、ですか・・・?」
「あぁ。『爆炎』を一瞬で倒したからな」
「ホントですか!? ありがとうございます」
ぺこり。お姉さんが俺にお辞儀をする
「え? なんで?」
「あの野郎は自己中な上に慢心でして。私達ギルド員も困っていたのです」
嫌われてんなー。あの野郎て・・・
「よし、じゃあ属性はすべて。魔力量は未知数。Bランクでカードを作っておいてくれ」
「分かりました」
********
「これがユズキさんのギルドカードになります」
「どうも」
待つこと数分。黒のカードが出来ていた
持ち主の魔力の色に染まるらしい。迂闊に人前で出せないな
「再発行は有料なので、盗難・紛失には気を付けてください」
「了解」
さっきの一件でちょっと雰囲気が親しくなったお姉さん。
「ギルドの説明はどうしますか?」
「いや、いいよ」
あらかじめ検索しておきました
「分かりました。では、頑張ってください」
俺は一礼してからギルドを出た。
「依頼、受けないんですか?」
「んー。今日はいろいろあって疲れたし、宿で休んで明日からだな」
もう日が落ちて暗くなっている
魔法か何かで照らされ始めた通りを歩きながら、宿屋を探す
そこそこしっかりしてて、寛げそうなところは・・・
あそこでいいか
「よし、ここにするか。ごめんくださーい」
「あ、待ってくださいよー」
中のカウンターには同い年くらいの背の子供がいた
「あ、お客さん」
ちょっと慌てて
「宿屋『さえずり』にようこそ!」
キリッとした顔でそう言った
さえずり・・・なんだろう、朝とか鳥が起こしてくれそうな名前
「リアさん、部屋は2人部屋でいい?」
「いいですよ」
「んじゃ2人部屋一つでとりあえず7日、空いてる?」
「はい、大丈夫です。朝食・夕食はどうしますか?」
「それもお願い」
「では、銀板6枚と銀貨7枚です」
ふむ。日本に比べりゃ結構安いな
内装もしっかりしてるし。いいとこかもしんない
「これが鍵になります。では、ごゆっくり」
小さいのに対したもんだ。
「店番、えらいね。お母さんによろしく頼むよ」
すると女の子はむっとした顔になって
「私、これでも成人してます」
・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・えぇー。
ありえねー。
「疑ってますねー!? ちゃんと大人ですよ!」
「うん、まぁそういうことでいいか」
俺は考えるのをやめにした
「うー・・・」
ちょっと涙目でこっち見てる。
さっさと部屋に行こう。
ガチャリ
「わぁー。結構広いですね!」
「おー。流石に畳はないけど雰囲気がいいな」
リアさんはちょっとはしゃいでる
「これに荷物を入れておくんですね!」
まんま旅行に来た子供だな
「あー、眠くなってきた」
夕食までには少し時間がありそうだし、寝るか。
馬車の中でも寝てたけど。
「リアさん、ちょっと寝ます。夕食になったら起こしてー」
ぼふっとベッドに倒れる。
「わかりましたー。おやすみなさい」
「んー・・・」
すぐに俺は、深い眠りに落ちた
******
「ここ、かぁ」
もう真っ暗闇な外。
宿の前で一人、金色の髪をした少女は呟いた。
「うふふっ」
その笑い声は、誰の耳にも入らなかった
夏休みが終わりました。終わってしまいました。チクショウ
あと2日あるけど
それはさて置き
なんだかフラグや伏線が多くなってきたきがする。
どうしよ、回収できるかな?
店の前で助けられた少女、姫さんストーカー疑惑、合法ロリの宿主
今回も銃は出てきませんでした。ごめんなさい。
次回は・・・次回は、多分!