お城脱出
共通模試まであと5日。
そんな時に何やってんだ自分。
投稿は2日に一回か毎日更新のペース、かな?
「ここで、少し待っていてくれ」
俺達はロビーっぽい所に通された
ふかふかーなソファに腰掛ける
リアさんも俺の横にちょこんと座る
「どうぞ」
メイドさんが紅茶持ってきてくれた
初めて見たよメイドさん。
紅茶を飲みながら、今後のことについて考える。
やっぱ・・・ギルドかなぁ。
ありそうだし。というか無いと許さん
家・・・は目立たないところに能力で創ればいいか
その前に・・・これ乗り切らんとな。多分お偉いさん方がいっぱいいると思うし
「用意ができた。来てくれ」
護衛Cさんが呼んできた。
豪華なドアの前に立ち、護衛さんに続いて中に入る
********
「娘を救ってくれてありがとう。感謝している」
王とご対面なう。
一言で言うと親バカだこの人。
「いぇ、当然のことをしただけです」
「畏まらなくてもいい。しかし一人でウォーウルフを5体もか・・・君は強いんだね」
そりゃチートキャラっすから。
「それで、褒美は何がいい? 命の恩人だ。なんでもいいぞ」
いらねーんだけどなぁ。てか早く帰りたい。周りの視線怖いもん
「いえ、褒美は要りません」
簡潔に断る。
「それでは、自分たちは急いでいるのでそろそろ」
ちなみにリアさんは俺の横で緊張してるっぽく固まってる
「そうか・・・大してもてなしもできずすまないな。機会があったら、また寄ってくれ」
フレンドリーだね、この王様
名前はゼン、この王都イーリスの王様。柔らかな笑みを浮かべたじいさんだ
前に国の説明をした時、3つに分かれていると言ったが何分一つ一つが広い。
なのでその中でも多数に分けて、王を一人ずつ配置という形になっている。
ここは小さいながらも治安は良く、平和な街らしい。護衛さんが教えてくれた
「では」
俺は短くそう言って、リアさんを引っ張って出ようとする。
バァンッ
「お待ちください!」
姫さん登場
「ど、どうしたルナ」
名前ルナだったのか・・・
驚いてる王を無視して、ルナさんは俺の方に歩いてくる
どうやらお待ちくださいってのは俺に対してらしい
ぎゅっ
恍惚の表情で手を掴まれた
嫌な予感ビンビン
「私は、あなたに一目惚れしました」
やっぱりかよチクショウ!
*************
まだ帰れてません、柚樹です。
帰るところないんだけどね。この城から出たいっていうか
さて。さっきのルナさん核爆弾発言で、周りはざわついております
「なんと・・・姫様が一目惚れ・・・!?」
「あんなのに・・・許せん!」
「あらあら、姫様もお年頃ね」
「娘は・・・娘は渡さんぞおおおお!」
などなど。あと王様、あんた威厳とか無くなってるぞ
そして震源地のルナさんはさらに口を開く
「私と・・・婚約してください!」
「「「んなぁーーーー!?」」」
息ピッタシ。
流石に婚約はぶっ飛びすぎじゃないかお月さんよぉ?
「ル・・・ルナ、それは本「お断りさせていただきます」・・・え?」
王様が社会的にいろいろなくす前に言葉を被せる
「え・・・・?」
ルナさん、ポカーン状態
まぁそうだろうな、一応王の娘だ。普通の人はまず断らんだろ
だが、俺はまだ自由に生きていたいわけであって
「もう一度言いますが、お断りさせていただきます。自分はまだ自由でいたいのです」
そんまま言った。それに君のこともそんなに好きじゃないからね
金髪で可愛いけど
周りからは「姫様の申し出を断るなんて・・・許せん!」とか言ってる。どっちだよ
「それでは」
まだざわついてる室内を無視して、「え? はぇ?」とか言ってるリアさん運んでドアから出る。
ルナさんは「え・・・どうして・・・・?」とかぶつぶつ呟いてる
あー、第六感が警告鳴らしっぱなしだよ。イーリスに長居は禁物かも
********
~ルナside~
どうして・・・・?
どうして断るの・・・?
こんなにも、好きなのに・・・。
私の手がだらんと下がる
あの人に手を解かれたんだと理解する。
どうして? ねぇ、どうして・・・?
私の王子様が、横にいた女の手を掴んで私の横を通り過ぎた
私じゃない。あの女。
どうして? ドウシテ?
どうしてあの女なの?
ねぇ、答えてよ。私の、私だけの王子様・・・!
・・・あぁ、そうか
~side out~
ゾクッ
やっべぇ、本能的に危機を感じた。
・・・クソッ。こっちでもかよ・・・!
なんで俺の周りの女性には歪んだ奴しかいねぇんだよ
リアさんは大丈夫っぽいけど・・・大丈夫だよな?
「あれ? 結構早かったね」
護衛Dさんが話しかけてくる。
「え、えぇ。まぁちょっと・・・」
流石に婚約迫られて逃げてきたとは言えない
「じゃあ、俺達はもう行きますね。いろいろありがとうございました」
そう言って城を後にした
「おー。走るなよ・・・ってもう行ったか。なんか、不思議なやつだったな」
まだ騒ぎを知らない護衛Dは、呑気に見回りに向かった。
*********
んー。結構いい街だな、ここ。活気がある
街の中央通りっぽい所を歩きながら、異世界の町並みを観察する
「ちょっとは喋るタイミングをくれたっていいと思うんですよ」
「いきなりどったのリアさん」
すこし拗ね気味のリアさんが会話を振ってきた
「でも・・・いいんですか? さっきの話」
「ん? あぁ、いいんじゃない? まだ自由でいたいってのは本当だし、それに」
「?」
「一緒にいるなら、リアさんのほうがいいからね」
「・・・・っ!」
ぼふっ
そんな音が聞こえた気がした
~王都散策中~
「おぃ、どきやがれ!」
「なんでよ! あんたが割り込んできたんじゃない!」
テンプレフラグビンビンの補強工事までもがされたその言葉を聞いて、思わず振り返ってしまった
振り返っちゃったよ。でもこの距離なら素通りでき―
「なんでしょうか・・・行ってみましょう、柚樹さん」
あーもう。興味持っちゃった。
「そだね・・・」
リアさんと野次馬の輪に首をつっこんだ
これは・・・何か食べ物売ってる出店かな?
んで言い争ってるのは桃色の髪の少女と・・・ウザそうなおっさん
「うるせぇ! どけって言ったらどけ!」
「何それ! ちゃんと並びなさいよ!」
あ、出店のおっちゃん涙目。そりゃ真ん前でこんなことやってたら客来ないわな
でも店には列ができてる・・・
ということは、並んでた少女の前にあのおっさんが割り込んだってことかな?
「割り込みでしょうか・・・?」
リアさんも同じ結論に達したっぽい
「誰に言ってんだァ? 俺様はギルドBランクの『爆炎』様だぞ!」
なにそれ痛い
しかもBランクって・・・中間くらいやん
何やらカードを女の子に突きつけてるおっさん。多分ギルドカードだろう。by知識の本棚
知識の本棚とは、なんかシノさんがつけておいてくれた便利機能。検索すればなんでも出てくるんだって
ちなみにギルドランクは下からE・D・C・B・A・AA・S・SS・Xとなっている。Xはまだいないんだとか
まぁそんな微妙な強さのBランクも周りの一般の方々には効果があったようで
「あれが爆炎?」
「嫌な奴っては聞いてたけど・・・」
「Bランクか・・・すげぇ」
一般認識ではBは高いのね。覚えとこ
「うぅ・・・」
女の子も悔しそうにおっさんを睨みつけている
おっさんドヤ顔。キモい
「柚樹さん・・・」
「・・・なんだ」
「行ってらっしゃいです」
やっぱりねー!
仕方ない。俺もあのおっさんにはムカつく。
体に身体強化をかける。動体視力が上がり、脚力・腕力が強化される。
そして左手にスタンガンを具現化。
銃ぶっぱなすわけにも行かんしな
「早くどけよぉ。それともなんだぁ? 俺様の魔法の餌食になぶべらっ」
調子乗ってたおっさんの横に一瞬で接近し、一発殴る。
「え?」
女の子が驚いてる
「ちょっと、待っててね」
そう声をかけてから、軽く殴ったつもりだったのに十メートル程度ぶっとんだおっさんに近づく
「おいあんた。社会的常識くらい守れ」
「んだぁお前は! やんのか!?」
うわうぜぇ。
「うるせぇ。大声だすな気持ち悪い」
おっさんへの悪意を全面的に押し出す
「あ゛ぁ? どうやらおめぇは死にたいようだなぁ・・・?」
話しかけんな。その顔いらつくんだよ。
「お前も運が悪いなぁ。俺様を怒らせるなんてよぉ・・・」
下品に笑うとおっさんは手を上にあげ、高らかに叫んだ
「炎よ我が手に集まれ! 爆炎!」
手に3mくらいの炎の塊が出来る。
・・・・え? これだけ? なんかもっとデカイの期待してたんだけど・・・。
周りから悲鳴が上がってるからすごいんだろうけど・・・。
「早く逃げて! 死んじゃうよ!」
後ろで女の子が叫ぶ。
そんなに弱く見えるかなぁ。細っこいのは否定しないが。
「ふはははは! くらあがっ!」
なんてことはない、がら空きの胴に回し蹴りを放っただけだ。
それだけでも苦しそうな表情を浮かべてこっちを睨む。
弱っ。
「あんた結構弱いのな」
あ、つい口が
「んだとてめぇ・・・! 許さねぇ! くらがっ・・・・」
ドサッ
俺はおっさんの後ろに回り込み、スタンガンを首筋に押し当てていた。
おっさんが地面に倒れる。
「あっけねーなー。もうちっと抵抗しないの?」
この世界は雷属性があるんだから耐性とかあってもいいのになー。
「・・・すげぇ、あいつを一瞬で・・・」
「強い・・・」
「なんだあれ・・・」
ギャラリーが騒ぎ出した。
周りが騒ぐの本日2度目。城の方どうなったのかな。
スタンガンを消し、少女の方に向かう
もちろん、おっさんを踏みつけるのを忘れずに
「ケガはない?」
「はっはい! 大丈夫です・・・ありがとうございました」
ぺこりとお辞儀
礼儀正しい良い子だね。
「んにゃ、いいよ。それじゃあな」
こういうのはすぐにどっかいくのが得策である。
「お疲れさまです」
「ん」
労いの言葉をかけてくれるリアさんを連れて、その場をあとにする
「今の人・・・カッコ、良かったな・・・」
少女の呟きは、誰にも聞かれることなく騒がしい中に消えていった
**********
おーけい。あそこには少しの間行けないな。恥ずかしすぎる
さて、ギルドはどこかな?
んー。それっぽい建物は・・・・
「おいあんた」
「・・・・・」
えぇー。なにこれ。さっき野次馬の中にいた人じゃね?
「・・・なんでしょうか」
「そんなに警戒すんなって」
「何か御用でしょうか。急いでいるのですが」
お願い、どうでもいい用件であってください!
「いや、あんたのさっきの戦いを見せてもらってな」
む? これはまさか・・・
「俺は、この街のギルドマスターだ。どうだ、うちのギルド入んねぇか?」
ルナさん病んじゃった。どうしよ
まぁでも動かしやすいからいいか。
ここまでリアさんsideが無い。驚愕の事実
忘れてしまうんだ、仕方ない。
相変わらず戦闘は苦手。
今回は銃が一回も出てきませんでした。次回は・・・出せるかな?